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第0章 ゲームの始まり

「……どうなってるんだ?」

「ここどこだ……」

「まさかここ、渋谷か!?」

「なんでこんなにしずかなんだ……」

「陽人!?」

「え?」

「玲!?」

「なあ玲、ここ渋谷か?でもなんか変だよな?俺たち、なんでこんなところにいるんだ?」

「わかんない。僕もぜんぜんわかんないよ。それに、僕たちだけじゃないみたいだ……」

「……ここ、どこ?」

「は?渋谷?なんだよこれ、どうなってんだよ」

「ねえ、なんでほかにだれもいないの?」

「マジかよ!これ夢かな!?」

「怖いよぉ……ママぁ……」

「あれ?あいつら、もしかして……」

「ほかのクラスの子たちだね。ほら、眼鏡をかけてるのが近藤弘明。6年3組の学級委員長だっけ。あっちの野球帽かぶってるのは坂田昇____僕達4年生のとき一緒のクラスだったよ」

「あー、たしかに!」

「それとあれは____沖田くんと、加藤じゃない?」

「あの子たちは5年生かな。見たことはあるんだけど……」

「だよなあ。だれだったっけ」

「長い髪の子が工藤結愛ちゃん。で、となりの子が城之内かなえちゃん。太ってる男子が森山大樹くん、だったかな」

「小清水!?」

「凛ちゃん!?」

「去年、美化委員会で一緒だった子たちなのよ」

「へー……じゃない、小清水もいたのかよ!なあ、ここなんだ?」

「私に聞かれてもわっかんないわよ。気がついたらここだったんだもん」

「僕たちもだよ。渋谷みたいだけど、こんなに人がいないなんておかしいし……」

「んー。じゃあこれアレじゃない?」

「「アレ?」」

「噂のゲーム」

「学校で噂になってる、アレか?」

「そうそう。招待制のゲームだっけ?お金がもらえるとかいうやつ!」

「でもそれってたしか、いきなり招待状がとどくんだろ?俺、きてないし」

「あ、でも少し前に俺、面白いハガキを____」

[「逃走中」参加者のみなさまへ]

「え、なんだこれ……?」

「みんなあつまっているね。それじゃあさっそく、[逃走中]のルールを説明しよう」

「ちょっと待った!あんただれだよ!これ、誘拐とかなんじゃないのか!?」

「はははは陽人!陽人!やめなよ危険だよ!」

「まずは自己紹介をしよう。ボクの名前は月村サトシ。きみたちに参加してもらうこのゲーム[逃走中]のゲームマスターだ。よろしく」

「あれ、漫画に入ってた応募ハガキだ……僕、だしたよ」

「私も書いたかも。お姉ちゃんのファッション雑誌にはいってたやつ」

「俺もだした!」

「このハガキをだした子ども達のなかから、きみたち10人を選ばしてもらった」

「それじゃあ、あらためて。ゲーム名は[逃走中]。読んで字のごとく、逃げればいい。きみたちにあたえられた制限時間は60分」

「逃走に使えるエリアは、渋谷駅から三角地帯となる渋谷宇田川町と神南1丁目。詳細は各自、配布されているタブレットで確認してほしい」

「タブレット?」

「あった!きっとこれだよ!」

「私有地は立ち入り禁止だ。最も最初から入れないように設定している」

「この赤丸は何だ?」

「1個しかない……っていうことは、たぶんこれ、自分の位置表示なんじゃないかな」

「他の人がどこにいるかはわからないようになってるってわけね」

「これからアンドロイドのハンターが2体放出される。君たち逃走者が視界に入ると、超人的なスピードで追跡する。安全な隠れ場所はない」

「逃走1秒ごとに100円」

「えっ、ホントにお金がもらえるの!?」

「開始から30分で1秒200円に、50分からは1秒300円に増額される」

「え?ええと、1分間で6000円で30分後に……ええと、ええと」

「かなえ、うるさい!ちょっとくわしく教えなさいよ!」

「60分間、逃走に成功すれば60万円がきみのものになる」

「そんなにあったら、原宿で好きな服がたくさん買えちゃう!」

「ハンターに確保されたら即失格。それまでの賞金はゼロ」

「ええっ、ゼロ!?」

「ただし、途中で地図に表示された場所の公衆電話を使い、[自首]をすれば、それまでの金額は獲得できる」

「公衆電話?」

「これじゃない?」

「東急百貨店の横と東急ハンズ近くの2ヶ所にあるな」

「公衆電話なんて、僕使ったことないや」

「私も!まあでも、自首するならここへ行って電話しろってことね」

「今からこのディスプレイに時間が表示される。それがゼロになったら、ハンターが君たちを捕まえに動き出す。それが、ゲームスタートの合図だ。君たちの健闘を祈る」

「きゃっ!あ、あれなに……?」

「な、なんだあれ!」

「もしかして、あれがハンター!?」

「マジかよ……」

「渋谷だけど人がいないっていうのも、ハンターのためになにか特別な交通規制でもしたってことかしら?」

「あの時間がゼロになったら追いかけてくるってことだよな……」

「と、とりあえず逃げよう!」

「ここにいたって捕まるだけだ。まずは安全な距離を取るべきだよ」

「あたし、絶対捕まんないわよ!賞金はいただくわ!」

「僕がついてるから大丈夫!結愛ちゃんは僕が守るから!」

「ま、待って!私も行く!」

「え〜。じゃあ僕も、あっちに行こうかなあ」

「俺も行くよ。みんなも逃げろよ!」

「とりあえず逃げればいいんだよな……」

「鬼ごっこみたいなものだし、楽勝よね!」

「そんなこと言ってるとすぐ捕まるぞ」

「早く逃げようよ!」

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