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僕らの14つのメモリー

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僕らの14つのメモリー

10 - 4つ目の思い出のカケラ⑩

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2022年07月19日

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「おっはよー!」

誰もいない自分の部屋で叫んだ。いや,吠えた。

「起きたんなら早くご飯食べなさい」

お母さんが呼んでいる。

「今行く!」と返事した後すぐリビングに向かった。朝ごはんは白米と梅干し,シャケの塩ジメと言う昭和の献立だった。

「なんで金曜日朝練サボったの?」

母の声は少し,いや大半は怒りの成分が入っていた。こう言うのはまず上下関係を示すのが正解だ。だから俺は威嚇した。

「ガルルルル」

「バカなことやってないで早く学校行きなさい」

「はーい」

体から紫外線を浴び鼻と口から大量の二酸化炭素を吐く。そして鼻と口と目と鼻から酸素を吸う。あれ?今鼻2回あった?気のせいだね。あれ?この前はこの時間になおきいたのにな?まぁいいか。少し悲しい。いつもは校門前ではるきと会い,少し待つとけんじが来る。教室に入るとなおきが挨拶してくる。そして時間ちょうどにかいと。朝練のない日はりょうが来る。そんな毎日がたった1週間前の話なのになぜか懐かしく感じる。その懐かしさの教室と言う箱の蓋を開けた。

「けんじ!おはよ!」

「あぁ,そういやなおき見てないか?」

「見てたら一緒に来てるっつーの」

「あいつ俺がついた時にまだいなかった時ないのに」

「寝坊でもしてんだろ」

「そうかな?、、」

けんじの予想は当たったのだろう。かいとが来てもなおきは来なかった。

「先生!なおきくんって?」

「あぁ、体調不良で休みだ」

「そう,ですか,、、」

「ゆうた家近かったよな。プリント届けてくれないか」

「はい了解です」

嫌な予感がした。4時間なこともあってか時間が過ぎるのがとても早く感じた。

「けんじ!かいと!一緒になおきの家にプリント届けないかないか?」

「いいぞ」

「わかった」

案外すぐ2人とも付いてきてくれるらしいので少しホッとした。そして学校が終わってすぐ3人でなおきの家に向かった。3人とも全員があの病気じゃない事を願いながら。

ピーンポーン

「なおきの友達のゆうたです。プリント届けに来ました」

30秒ほどしてもなにも何もなかった。

「なぁ,コケ探しってどうなるんだ?」

「なおきがいないんじゃ無理だろ」

「けんじは?」

「なおきによる」

「そうか,」

ガチャ、、

音の方向に3人の視線が集まった。

「ん,ゴホッゴホッ、、ごめんね,僕から言い出したのにゴホッゴホッ、、」

「安全第一だ!大丈夫!」

いやけんじ離れすぎだろ。20メートルぐらい離れている。まぁみんなもその件の理由はわかってるから誰も突っ込まないが。 

「反対派の俺は正直、もういいんじゃないかと思うんだが」

「かいとくんお願い、、ゴホッゴホッ僕を助けると思って」

「俺は賛成だな。けんじは?」

そう言って片道シャトルランの距離にいるけんじを見つめた、いや睨んだ。

「わーったよ」

そう言った時けんじが少し目を逸らしたのを俺は見逃さなかった。

「この世には多数決と言う素晴らしい行事がある事をご存知で?かいとくん?」

「3人中2人が異常なんだよ。その3人で多数決したらまともな1人は勝ち目ないな」

「おい!なにしれっと俺も異常者になってんだよ」

「間違い無いだろ」

「そんなこたぁどうでもいい!やろうども!向かうべきはヨミダの森やろうども!出航ダァ!」

そう言うと「ワンっ」と言う返事のみが帰ってきた。



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