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若き覇王に、甘くときめく恋を

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若き覇王に、甘くときめく恋を

142 - 第四章 永遠の愛を、二人で EP.7「結婚へのカウントダウン」②

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2025年04月20日

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それは、そんな挙式の準備に追われる、ある日のことだった──。


私は、クーガの本社近くで貴仁さんの姿を見かけて、後ろから声をかけようとした。


ところが私の横をすり抜けて歩いて行った一人の女性が、先に彼に声をかけると、二人は親しげに会話を始めた。


誰だろう、あの人……。


前にもこういう光景を見たことはあったけれど、打ち解けたような雰囲気で彼と話す女性は、仕事絡みでもなさそうに思えた。


貴仁さんも、彼女に笑顔を見せていて、(そんな顔で微笑まないで……)と、嫉妬心がにわかにむくむくと頭をもたげた。


貴仁さんは、後ろを離れて歩く私には気づいていないようで、その女性にはた目にもにこやかに応えていて、胸がズキンと痛んだ。


彼は、これから私と結婚をするんだよね……? だけど、それほど親密そうな間柄の女性は、一体誰なの──?


……以前に付き合っていた相手とか?


ううんと独り首を振る。


だって彼は、女性から押し切られての付き合いがほとんどで、だからデートの経験もあまりなくて……って。そうだとしたら、前の彼女とだって、あんな風にむつまじいような感じにはならないよね……。



だったら、本当に彼女は、誰──?



真相もわからないまま、彼の姿はやがて遠ざかった。


悶々とした気持ちで家に帰り着いて、いっそのこと彼自身に尋ねてみようかと思うけれど、いざ携帯を手にしてみてもなかなか電話をする踏ん切りは付けられなかった。


だって、なんて聞くの?


それにもしも聞いてみて、浮気……だったりしたら。


そんなこと、貴仁さんに限ってあるわけがなくてと思うのに、ただただ確かめてみることが怖くて、結局は聞かずじまいにしてしまった。


だからそれからしばらくが経って、式の打ち合わせで彼と会うことになった時も、私は気持ちの整理が未だにつけられず、



──このまま結婚をしても、いいのかな──



とさえ考えていた……。


若き覇王に、甘くときめく恋を

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