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ちす。
リクエスト募集中です。
ChatGPTで書いてるのでおかしな点があってもご了承ください。
4話は羽京の突発性難聴です。
石神村の音が、欠けていく。
最初は些細な違和感だった。
焚き火の爆ぜる音が、左側だけ薄い。
人の声が、少し遅れて歪む。
(……気のせいだ)
羽京はそう結論づけた。
音の異変に気づけるのは自分だけ。
そして、自分が我慢すれば済む話だと思った。
三日目の朝、耳鳴りは途切れなく続いていた。
高く細い金属音が、頭の奥を削る。
左耳は水に沈めたように塞がれ、音が割れて届く。
それでも羽京は笑った。
「おはよ、今日も平和だね」
「……羽京」
声をかけたクロムの音程が、途中で崩れた。
(あ、今の、ちゃんと聞こえてない)
自覚した瞬間、吐き気が込み上げる。
地面がわずかに傾き、視界が揺れた。
——言うべきだ。
——でも、言えない。
自分の不調で、誰かの作業が止まる。
警戒や役割が変わる。
それが、どうしても嫌だった。
昼過ぎ、羽京はついに立っていられなくなった。
「……っ」
膝が折れ、砂を掴む。
音が遠ざかり、世界が静かになる。
「羽京!!」
その声だけは、はっきり聞こえた。
千空の声だった。
「三日も黙ってたのか」
千空は低い声で言った。
責める調子ではない。
だが、いつもより明らかに硬い。
「左耳の難聴、耳鳴り、音割れ、吐き気。 これは突発性難聴だ」
羽京は焚き火を見つめたまま、黙っていた。
「……治る?」
「今ならな。 だが条件がある」
千空は間髪入れずに言う。
「完全に休め」
「……無理だよ」
羽京はかすかに笑った。
「見張りも、索敵も、僕の代わりはいない」
「いる」
即答だった。
「足りなきゃ作る。人手が減るなら工夫する。 だが耳は替えがねぇ」
羽京の喉が、ひくりと鳴った。
「……もし、治らなかったら?」
千空は一瞬、黙った。
「その可能性を上げる行動を、俺は許さねぇ」
静かな怒りが滲んでいた。
「お前は、自分を削るのが癖だ。
だがここは、個人戦じゃねぇ。 科学王国だ」
「羽京」
夜、ルリが声をかけた。
「無理をする者ほど、自分の痛みに鈍くなります」
金狼は目を伏せたまま言う。
「……俺も、気づくべきだった」
コハクは拳を握る。
「一人で背負うな。
それは強さじゃない」
羽京は、何も言えなかった。
左耳の耳鳴りが、まだ止まない。
(……怖いな)
音を失う恐怖。
役割を失う恐怖。
それ以上に、仲間を失望させる恐怖。
「——羽京」
千空が背を向けたまま言う。
「お前が壊れたら、俺が後悔する」
その言葉が、一番重かった。
夜更け。
羽京は横になり、目を閉じる。
左耳は静寂の中に沈み、
右耳だけが、かすかに焚き火の音を拾っている。
(……休むって、こんなに怖かったっけ)
それでも、今回は逃げなかった。
おわり。
今回はシリアス(?)みたいな感じにしてみたよ。
どっちがいいかな。
偏見だけど羽京は我慢するタイプだと思って書いてみた。
多分なんか抜けてる。
ばいばい。