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fwak
今回はak視点です
……わかんない
いままでずっと分かんなかった
〈あーきな!おはよ!〉
「あ!えーっと…おはよ?」
〈おはよおはよ!〉
〈今日の放課後一緒ゲーセン行くんだよな!〉
…わかんない
「え?」
〈え?だって昨日約束したじゃん〉
「…あ、忘れてた…!うん、忘れてた…」
最近は物忘れがひどかった
さすがにここまでと思い、俺は病院に行った
どうせなにもないって
だって健康だし
〖…記憶障害ですね〗
「…え? 」
それを聞いた瞬間、嘘じゃないかって思った
〖少し特殊で…1日ごとに忘れてしまうというケースで…〗
「じ、じゃあ!普通の記憶喪失の毎日バージョンみたいな…」
〖簡単に言えばそういうことです〗
え…
「な、治るんですか?」
〖分かりません、何がきっかけでこうなってしまったのか、原因があるはずなんですけど〗
「…そー、ですか」
その日から俺は毎日日記を付けた
忘れないように、朝起きてもちゃんと思い出せるように…
高校になってからはふわっちっていう友達にあったこと、俺らが付き合ったこと
その一つ一つが俺にとっての宝物なんだなって……
日記をみれば分かった
ふわっちが帰り際聞いてきた言葉が今も残っている
『死のうとしてんやろ?』
…なんでって思った
なんでそんなこと聞くのって
なんで、
なんでその事を知ってるのって…
ばからしいよな、ずっと考えてきた
すぐ忘れた俺は人を愛せない
どれだけ日記を読んでも、記憶を遡ろうとしても…俺にはこころなんてない
…その時の気持ちとか、どんな顔してたのか、知りたくても、覚えていたくても、思い出せない
だから全部終わらせるって、その日に思いでも、俺自身も全部終わらせよって思ってた
ふわっちに相談できたならよかったのにね
嫌われるのが怖い…離れていってほしくない
だから俺は本当は空っぽだったただのガラクタに、「三枝明那」っていう人物を張り付けただけ
こんな俺が人なんて愛せない
ふわっちの傍にいていいわけでもない
親も、友達も関係だって断ち切ってきた
愛せないから、愛されないから
いつも必死に調べたんだ
治しかた、何年か前のアルバムみたり、ふわっちととった写真見返したり…
なのに、楽しい写真のはずだったのに…宝物なのに…
なんも分からなくて…思い出せなくて…
そんな写真をみてもただ後悔が滲むだけ
「俺だって…俺だって思い出したいよ………
ずっと、これからも傍にいたいよぉ…」
一人の帰り道、俺は呟いた
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