「え、女子いるんだけど。」
入学式当日、伊達工業高校の体育館にざわめきが走った。
その視線の先にいたのは、黒髪をまとめた一人の女子――○○。
スカートの制服を着ているのは、ざっと見渡しても彼女だけ。
会場全体が、なんとも言えない異物感と好奇心に包まれた。
(うわ……見られてる。いや、知ってたけど。)
○○は静かにため息をついた。
工業高校に女子がいないなんてこと、願書出す時点で分かっていた。
でも“機械いじりが好き”って気持ちは、周囲の目よりずっと強かった。
「……まじで女子じゃん。幻覚とかじゃねぇよな?」
声の主は、後ろの席から。
茶髪気味の男子が、隣の友人に肘でつつきながら笑っていた。
その姿に、○○は軽く眉を上げる。
(あの人……絶対、めんどくさいタイプ。)
「おい二口、そんなに見るなって。女子、逃げるぞ」
「だってさ、まじでいるんだって。すげーな伊達工。時代感じるわ」
そう、彼――二口堅治。
クラスメイトで、早くも“うるさい奴”ランキング上位確定。
○○はちらりと後ろを振り向いた。
目が合った瞬間、二口は「あ、やべ」みたいに笑って、軽く手を挙げた。
「よっ、新入り女子」
「……全員新入りだろ」
「おお、ツッコミきた。そういうの好きだわ〜」
「好きとか言うな。初対面。」
「え、名前なんだっけ?俺、二口。堅治ね。フタクチでもケンジでもどっちでもいいけど」
「どっちも嫌。」
即答に、周囲の男子たちが「うわ、強ぇ!」と笑い出す。
○○はため息をつきながら、(この先、やばいな…)と思った。
⸻
入学から一週間。
○○は既に、クラスで“二口のツッコミ係”という謎の立ち位置を確立していた。
「○○ー、今日の実習ペア俺な!」
「勝手に決めんな」
「え〜、どうせお前、誰とも組みたがらねぇじゃん。俺が引き受けてやるって」
「善意みたいに言うな。」
そのやり取りが教室のBGMみたいに響く。
男子だらけの空間の中で、○○の冷静なツッコミが妙に空気を締めてくれていた。
⸻
「なぁ○○、お前ほんとは女子高行きたかったとか?」
放課後、工具を片付けながら二口が言う。
「別に。ここが良かったから来た」
「へぇ。工業女子か、かっけぇじゃん」
○○は少しだけ、彼を見た。
軽口ばかりの男だけど、妙に人を否定しない。
あっけらかんと笑って、誰にでも絡むけど、ちゃんと見てる。
「……珍しくまともなこと言うじゃん」
「おい、失礼な。俺いつもまともだし」
「“女子一名”って張り紙にサインしようとしてた奴が?」
「……いや、あれはネタだし!」
「先生に本気で怒られてたけどね」
そのやり取りのあと、二人の間にふっと笑いが漏れる。
外は夕焼け。
機械油のにおいが少し残る実習室の中で、○○は小さく笑っていた。
(ま、悪くないかも。伊達工。)
⸻
二口はその横顔をちらりと見て、にやりと笑う。
「お、今ちょっと楽しそうだったな?」
「気のせい」
「いやいや、俺が一番近くで見てるから分かるって」
「……うるさい」
その照れた横顔に、二口は少しだけ目を細めた。
思ったよりも、面白い春が来たかもしれない。
to be continued…
chatGPTとの共同執筆どうですか⁉️💖
同じ二口好きな人やハイキュー好きな人に見せたくなり初めて投稿しました😞❤️🔥❤️🔥
よかったら感想コメントお待ちしてます💫
コメント
2件
いち!Tiktokから来たー 小説上手すぎ