テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
SCENE 1
場所:高校の入学式会場前
時間:午前
(青い空の下、満開の桜並木が続く高校の正門。ゆずか、はな、かおこ、めいあの4人が並んで歩いている。)
はな
(テンション高め)
まさか高校でまた全員一緒になれるなんてね!なんだか運命って感じじゃない?
かおこ
運命って大げさよ。まぁ、またみんなで集まれて嬉しいけど。
めいあ
うん、嬉しい。なんか、懐かしいね。
ゆずか
(あくびをしながら)
ねむい…。
はな
ちょっとゆずか!せっかくの高校生活初日だよ!もうちょっとシャキッとしなさいよ!
かおこ
はなも、ゆずかのことになると声が大きくなるわね。
ゆずか
だって、朝早かったんだもん…。
めいあ
入学式、長いかな?お腹空いちゃった。
はな
めいあは相変わらずマイペースだね…。
(4人は笑いながら入学式会場へ向かう。会場はすでに多くの生徒で埋まっている。)
SCENE 2
場所:体育館(入学式会場)
時間:午前
(厳粛な雰囲気の中、入学式が始まる。校長先生の話が続くが、ゆずかはもう目を閉じている。)
はな
(ゆずかの腕を肘でつつく)
ゆずか、寝ないで!
ゆずか
(小さく)
あと5分…。
(壇上では、新入生代表挨拶が始まろうとしている。会場のざわめきが収まる。)
教員
新入生代表、一ノ瀬蓮くん。
(会場が再びざわめく。「え、あのイケメンが?」「王子様みたい…」「優しそうだし、完璧じゃん」という憧れの声が聞こえる。)
蓮
(壇上へ上がっていく。会場中の視線を集め、優雅な笑顔で一礼する。その表情は完璧な王子様そのものだ。)
(マイクの前に立ち、ゆっくりと顔を上げる。その視線の先に、眠たげにうつむくゆずかの姿を捉える。誰も気づかないほど一瞬、微笑が消える。すぐにまた完璧な笑顔に戻る。)
はな
(隣にいるめいあの腕を掴む)
ねぇ、めいあ…。あれ、蓮くんだよね?
めいあ
(穏やかながらも驚いた表情で)
うん、蓮くんだね。懐かしいね…。
ゆずか
(2人のひそひそ話には気づかず、ただただ眠い。)
SCENE 3
場所:校舎1階 1年4組教室前
時間:午前
(クラス分けの張り出しを見て、ゆずかとはなが同じクラスになったことがわかる。)
はな
やった!ゆずかとまた一緒だ!
ゆずか
うん。かおことめいあは?
はな
かおこは1組で、めいあは6組だって。
ゆずか
そっか。まぁ、また放課後でも会えるでしょ。
(教室へ入ると、すでに多くの生徒が席についている。その中心に、蓮がクラスメートに囲まれている。彼と話す女子たちの顔はみんな頬を染めている。)
はな
(ゆずかにひそひそ話す)
ねぇ、ゆずか…。蓮くん、私たちのクラスなんだね。
ゆずか
(首を傾げる)
…誰のこと?
はな
(一瞬、悲しそうな顔になる)
…そっか。そうだよね。
(はなが曖昧な返事をしたことに、ゆずかは気づかない。2人は空いている席に座る。)
蓮
(クラスメートに愛想よく応じながらも、目はゆずかのほうを追っている。話しかけようと一歩踏み出しそうになるが、足がすくんでしまう。)
(心の中の声)
話しかけたい。……でも、話しかけてもいいのだろうか?もう一度、彼女を傷つけることになるんじゃないか?
(蓮は微笑んでいるが、その目は笑っていなかった。ゆずかは全く気づいていない。)