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──────クロレ視点──────

心臓がどくどくと脈打つ。それは、興奮によるものではなく、緊張と恐怖によるものだ。その証拠、とでも言わんばかりに指先の感覚が冷え、小刻みに震える。

───目の前に、神がいる。

その事実ひとつで私は心の底から震え上がり、そして恐怖する。怖い。そんな、たった一つの感情程度に私は振り回される。おそらく、私の方が長年生きてきた。目の前に座る神はおそらく生きてたとしても十数億年。対する私は何十億年。桁が違う。にもかかわらず恐怖してしまうのは私がそう創られたからではない。

圧倒的存在感。緊張すら伺えないその余裕な笑み。その目は見たものを魅了するかのように妖艶の光を帯びている。その瞳に睨まれては恐怖するのは自然の生理現象と言っも過言ではない、と思いたい。

汗が止まらない。ミラーという種族に汗、という概念があるのすら初めて知った気がする。

それでも、私は神と交渉するのを辞めなかった。


「───交渉、ですか?」


重い口を開け、そう死神様が尋ねる。神が、喋った。私に向かって。その声は私に耳を震わせ、その音一つ一つに威圧感が織り込まれている。

───あぁ、怖い。こわいけどやるしかないのだ。私の、唯一の望みを叶えてくださるチャンスはこれを逃せば二度と来ないだろう。さぁ、言うんだ。私。

そう、自身を鼓舞させて私はやっとの思いでその口を開き、神に交渉を持ちかける。


「はい、その通りです。受けて、くれませんか。」


震えた声が空間に響く。あぁ、なんとも情けない声だ。先程まで神を欺いてやる、なんて息巻いていたのに、いざ、正面に経つと何も言い返せない、何も言えない。声はふるえ、恐怖に顔を歪ませるとは、なんとも滑稽な姿だと自身を嘲笑する。

死神様はゆっくりと口を開く。

───いや、私が緊張によってゆっくりだと勘違いしただけかもしれないが。


「内容によります。教えてくれませんか?」


そう、聞くだけでは低姿勢な聞き方だが、実際は足を組み、神としての威厳も、オーラを放っている。真正面にいる私はまともにくらい、もはや、このまま殺されてしまうのではないか、と錯覚するほど。

ただ、口は恐れ知らずで達者な言葉を並べる。


「そうですね…それなら最初に内容をお伝えしますね。」


ゆっくりと言えた、と思う。しかし、言葉があまり上手く紡げない。最後まで締まらない。


「みぞれを生き返らせて欲しいんです。」

「不可能です。転生も差せず、ただ、生き返らす。そのためにはいくつか足りないものがあります。」

「それならあります。みぞれが死んだことで、魂のほとんどは私に宿ってますし、ちょうどいい器がここにありますので。ほら、いけるはずです。」


即座に否定された原因である課題の言葉をすぐに改善点を言って、反論する。

死神様はただ、一瞬だけ目を見開いてから、すぐにいつもの様子に戻る。一瞬の出来事だったので見間違いだったのでは、と、疑うほどだった。

死神様歯言葉を選んで私と話してくださる。


「それはつまり…あなたの肉体を、使って____その先のことは、理解して提案してますか?」


まるで、私の身を案じているかのような言い方。神とは、生きている世代でここまで対応が変わるものなのかと今度は私が驚くが、今は、神様の疑問に答えるの先だと思い、すぐに冷静そうな表情に変わる。


「もちろん。しかし、もうひとつ別に頼んでおきます。

───私を、殺してください。」


それが、私が最後にできる、みぞれを思った行動だから。私の魂がある限り、この肉体は私のものである。いくら、みぞれの魂が私の肉体に宿っていたとしても、みぞれが生き返ることは無い。____今のように。今、私の中にはみぞれの魂がある。しかし、みぞれは静かに、ただ、置物かのように私の中にあるだけだ。だって、死んでいるのだから。

しかし、目の前には死神様。生と死を操り、魂を思い通りに操ることが出来る、まさに神。

そんな死神様なら、私の魂を対価にして、みぞれを生き返らせることなんて造作もないだろう。自慢では無いが、私は、みぞれとほぼ同じような価値を持っていると思う。きっと、私とみぞれを天秤に乗せた時ほぼほぼどちらにも傾かないだろうという自信があった。だからこその提案だった。

死神様は契約書の注意事項でも読み上げるかのように私に言った。


「なぜ、そこまでしてみぞれさんを生き返らせたいのですか…ッ。」


それは、注意事項でもなんでもなく、ただの、疑問だった。想定外の質問だ。───そんなこと、この世の全ての万物は理解していると言うのに。


「そんなの、みぞれに生きてて欲しいからに決まってるじゃないですか。」


───違う。そんな、綺麗事なんて祈ってないし、心にも掲げていない。

ただ、本物が死んで偽物が生きるべきでは無いから。ただ、それだけだ。



───それだけじゃ、ない。

私のことをみぞれが覚えて欲しかった。忘れてしまっていた私の存在を思い出して欲しかった。私に助けて貰ったことを一生覚えて欲しかった。誰かに、爪痕を残して、そして、死にたかった。

誰かのために死にたかった。ずっと、ずっと死にたかった。汚いものに触れる度に美しいものを汚される度に死にたいと願った。

死ねなかった。何千回、何万回も試した。死ねなかった。

怖かった。自分が衰えない姿が。変わらぬ姿が。

気持ち悪かった。強さ関係がわかると途端に態度を変える生物が。

醜い、と思った。自分が。こんなにも烈状を抱えた醜い化け物だと思った。

最後に、人助けができるなら。



───私は、みぞれがいい。みぞれだけは私の、最初で最後のパートナーだったから。



























ここで切ります!昨日投稿できなくてすみません…。いとこに会いに行ってたんですよね日帰りで。無事しにました。疲れて今日の午前中無駄にしました!!うわぁぁぁあああ!!!!

午後も無駄にしました。

結果、今日はこれを書いて一日が終わりそうです詰んだ詰んだ。

それでは!おつはる!

一明日を見るためにー

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