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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
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✿紫視点



よく晴れた土曜日の朝

朝食や家事やらを一通り終えて一息ついた頃

決めなければならない大事なことがあったのを思い出す



「あっとーこっちおいでー」

「? はーい」



返事をしてこっちに歩いてくるあっとの姿に思わず目を見開いた


パジャマから部屋着に着替えていたのだろう

上下共にいつもの部屋着だ、そこまではいい

問題はその上に着ている上着だ・・・

俺が普段よく着ているパーカーをあっとは何故か着ていた


「・・・あれ、寒い?」

「ううん、そんな事ないよ」

「ふぅん?なら良いけど」


冷静を装ってるが正直なところ

頭を抱えるレベルで可愛いなと思っている


恋人が自分の服着てて悶えない奴なんてこの世にいるの?


あー思考が脱線した

今はそれよりも大事なことがあるんだった


「あっと、ちゃんとPlayする前にSafe wordとか決めようぜ」

「・・・Safe word、そっか普通は先に決めるべきだよな・・・」

「まさか、前の人の時は・・・」

「うん、決めてなかった・・・というよりは決めさせてもらえなかったな」



あっととパートナーになってから嫌という程思い知らされる

俺より前のパートナーだったあいつが、どれだけ身勝手な行動であっとを傷付けていたのかを・・・


「今度はちゃんと決めよ、これはあっとを守るためなんだから」

「俺を?」

「そ、もし俺がDomの本能に飲まれて欲望のままに暴走することがあったら・・・Safe wordでちゃんと止めて欲しい」

「ん・・・分かった」


俺の目を見て、真剣に話を聞き理解してくれた様子を見て いい子だなと頭を撫でる


あっと曰く、こういうちょっとした事でも褒めてもらえるだけでかなり幸福感を得るらしい

そして俺も同じくらい満たされるのを感じる


「何にしよっか」

「うーん・・・普段言っちゃわない言葉が良いんだよなきっと」

「そうだな・・・”嫌い”とかは?」

「それだともしかしたらがあるから”大嫌い”とか?」


もしかしたら?

普段ついうっかり言っちゃうことがあるかもって事?

え、傷付くんだけど・・・・・・ まぁ、とりあえず置いとくか


「”大嫌い”か、良いんじゃね?」

「じゃあそれで!」

「よし、じゃー・・・Safe wordも決まったことだし・・・」

「? ぁっ」


隣に座っていたあっとを引き寄せて

膝の上で向かい合わせになるように座らせる


「次は躾だな」

「ん」

「簡単なやつからにするか」

「うん、お願いします」


Commandの認識をお互いに共通する為に必要な躾、あとはルールを決めたりもあるか・・・

まぁ一気にやるもんじゃないし少しずつだな



『Kneel(お座り)』


あっとが俺の膝から降り、俺の足元の床にぺたんと 両手をついてお姉さん座りの体制になる


「うん、よし・・・じゃあ次は」


『Come(おいで)』


俺の隣に来てさっきまでのお座りの姿勢になる

うーん、まぁ間違ってないんだけど・・・


「もうちょい近くまで来て欲しいなぁ」

「・・・もう少し・・・ぇっと」

「さっきぐらい」

「ん、」


再び俺の膝の上にまたがって座るあっとの両手を

俺の肩に乗せる


「これぐらい密着してくれた方が嬉しいなぁ」

「・・・こんなのほぼ抱き着いてるのと変わらないけど・・・」

「いいじゃん、可愛い」


背中に腕を回しぎゅっと抱き締めて

あっとの体温を感じる


「次のCommand言わないとだけど離したくない・・・・・・」

「この体制のまま出来るやつって何かないの?」

「・・・あるよ」


顔を上げてあっとと目を合わせる


「・・・?」


『Kiss(キスして)』


「?!ぇ、あ・・・」


顔を真っ赤にして動揺している

まさかこういうCommandが早々にくるとは思ってなかったんだろうなぁ・・・


「あ、ちなみに頬とかじゃなくてちゃんと口な?」

「・・・ハードル上げるな・・・」

「出来ない子は褒めてあげられないけど」

「・・・っ、やだ・・・」


羞恥からか少し涙目になりながらも

懸命に頑張ろうと、少しずつ顔を近付けてくる


ちゅっ


唇に柔らかい感触がしたと思ったら 一瞬で離れてしまった


「・・・みじか」

「・・・!! 頑張ったもん・・・っ」

「あーそうだな、頑張った頑張った!偉いぞ」


頑張った行動が褒めて貰えなかった為に

泣きそうになるあっとを抱きしめて、頭を撫でて懸命になだめる


「でもやっぱ足りないからさ、俺からしてい?」

「・・・ぇ?んっ、んぅ・・・ッ!んんっっ」

「・・・可愛い」

「は、はぁ・・・」

「よし、とりあえず今日はこの辺にしとくか」



次はルールを決めないとだな



強引なキスのせいで息を切らしてるあっとを抱きしめながら、次のプランを考える


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