僕は、いらない子だ。
“なんでお前みたいなやつが生きているんだ!”
“兄さんじゃなくて、お前がタヒねば良かったのに!!”
とうとう、“しょう”とも呼んでくれない。
幼い頃、僕の…お兄ちゃんは殺されてしまった。
僕をかばって、刺されてそのまま息を引き取った。
僕より優秀だった兄さんがタヒんでから、両親はずっとこうだ。
浴びせられ続けた罵声
そして、暴力。
ボロ布のように扱われ、奴隷のように働かされる。
痛み
苦しみ
寂しさ
感情
もう何も、この人たちに求めてないから
何も感じない
“お前なんて、いない方がいい”
そう言われ、キラリと光る刃をこちらに向けられる。
ものすごい勢いで迫ってくる
あぁ、刺されるんだな。
タヒぬんだな
兄さん、今そっち、いくからね_。
ふと瞬きをすると、
目の前にいたはずの“刃物”がない。
それどころか、室内に居たはずなのに。
彩り豊かな色提灯。
見たことないような布をまとった人々。
がやがやと騒がしい
まるでここは別世界。
どこ?
「…きみ、どうしたの?」
🐇「…?」
「おーい…?」
…僕?
ふと上をみると、桃色のさらっさらな髪の毛に、片方のサイドの編み込み。
綺麗な瞳で整った顔立ち。
この人も、見たことない布を着てる
全然知らない人だ。
「大丈夫?」
🐇「…ぁ…ゲホッ」
声、でないや
しばらく水を飲んでいないから…
「…ふむ…立てる?」
いつぶりだろう、人に手を差し伸べられたのは
手をとっていいものなのか。不安になりながらも恐る恐る手を伸ばす。
「ん、いいこ。おいで?」
といい、ひょい、と軽々しく引っ張り挙げられた。
目を丸くして、桃髪の人に手を引かれるがまま、その場を離れることとなった。
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【新連載:🐇愛され 総受け】
【登場人物紹介】
※年齢大幅にいじってます
・しょう (17)
商人の子供で、幼い頃から奴隷のようにあつかわれていた。
そんな中、無人屋(ないとや)楼主に拾われる
・りうら(18)
ないこの実の弟。幼い頃から両親がおらず、ずっと兄に育てられていた。
心を開くのに時間がかかるが_?
セカンドネーム「りう」
・ほとけ(18)
いじめっこにいじめられていた所をないこに拾われ、無人屋にいる。
感情表現に悩みが_?
セカンドネーム「いむ」
・ないこ(22)
若楼主。遊郭「無人屋(ないとや)」を経営。
だが、本来の目的は“遊郭を経営すること”ではない。
人を引き取り、経営してる理由は__。
・いふ(22)
年齢でいう高校生のころ、ないこに拾われ、無人屋にいる。
何故無人屋にこれ以上人を入れるのか、と言うが__。
セカンドネーム「まろ」
・ゆうすけ(22)
無人屋の管理職。謎が多いが、優しく頼れる存在。
本当は、内側の自分を出したい気持ちがあるが__。
セカンドネーム「ゆう」
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