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#ちゃのざき
かわそ🍼💙 ☁️💫
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D a i ©
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コーヒー牛乳を飲み干し、大浴場を後にした僕たちは、部屋に戻る途中で少しロビーに寄ってみることにした。
そこで、昨日から僕が密かに気になっていた、風情のあるお茶室が目に入る。
フロントのスタッフさんに尋ねてみると、今ならスタッフの方がその場でお茶を点てて出してくれるらしい。
それを聞いたしゅんは、案の定「やりたい!」と大喜びだった。
けれど、テンションの上がる彼の横で、僕は急に緊張し始めていた。
そんな本格的なお茶なんてやったことがないし、何より作法を何ひとつ知らない。
「にしても楽しみやわ〜! 本格的な抹茶なんて、普段なかなか飲めんよなぁ?」
「……俺、お茶の作法とか知らないよ?どうしよう…」
俯きながら、ぽつりと不安をこぼした。
「そんなん俺も知らんよ〜!もちろん、調べてから挑むに決まってるやん! へへっ!」
そう屈託なく笑うと、しゅんはすぐさまポケットからスマホを取り出し、今度は一転して真剣な顔つきで画面をスクロールし始めた。
彼の何事にも真面目に取り組む姿勢はよく知っていたけれど、まさかこんな旅先のハプニング的な場面でも発揮されるとは思いもしなかった。
「ふふっ。しゅんといるとほんと……どんなことでも楽しめそうだわ」
「へへっ、せやろ〜? 何事もしっかり楽しまんともったいないでなっ!」
本当に、その通りだ。
この底抜けにポジティブな人間と一緒にいたら、どんなに暗い場所にいる人間だって、無理やりにでも眩しい光の方へと引っ張られてしまう。
それが、今の僕にはどれほどありがたいことか。
「なるほど〜……ほぇ〜……お茶って奥が深いわ〜……」
ずっと隣でぼそぼそと独り言を言いながら、手元でエアーお茶椀を回してイメージ練習をしているしゅんの横で、僕も慌ててスマホを開き、作法を頭に叩き込んだ。
『お客様、大変お待たせいたしました。準備が整いましたので、どうぞこちらへ……』
奥から、淡い芥子色の着物を着て、白髪交じりの髪を綺麗にまとめた、60代くらいの上品な女性スタッフさんが笑顔で現れ、僕たちを中に案内してくれた。
座敷に正座で向かい合う。
ぴんと張り詰めた静寂の中、彼女に向かって、ふたりで頭を下げた。
「「よろしくお願いいたします」」
彼女の無駄のない美しい所作によって、静かにお茶が点てられていく。
茶筅が擦れる心地よい音と共に、ふわりと濃厚で、どこか青々としたお茶のいい香りが立ち上った。
点てられたお茶椀が、僕たちの前にそっと差し出される。
「お点前ちょうだいいたします」
静寂の中に、しゅんの低く落ち着いた声が綺麗に響いた。
僕も慌てて、彼の真似をして後に続く。
「お、お点前ちょうだいいたします……っ、」
緊張のせいで、ほんの少しだけ噛んでしまった。
横を向く。
案の定、しゅんとバチッと目が合ってしまい、ふたりで「ふふっ」と同時に小さな笑いをこぼした。
すぐに正面を向き直し、覚えたての作法通りに、茶椀の正面を避けるように時計回りに2回回して、そっと口を付ける。
「……おいしい……、」
口いっぱいに広がる上品な苦みと、ほのかな甘み。
お腹の底から、自分の心までじんわりと温かくなっていく。
ゆっくりと味を噛み締めながら、最後の一口をズッと音を立てて吸い切り、飲み干したことを合図する。
飲み口を指先で軽く拭い、その指を懐紙で清め、茶椀を反時計回りに戻して、元の位置へとそっと置いた。
その様子をじっと見ていた女性スタッフさんが、嬉しそうに目を細めた。
『あら、お客様。お勉強してきてくださったんですか?』
「あ、少しだけ……。失礼、なかったですか?」
『とってもお上手でしたよ!』
「嬉しいわ〜! お茶、本当に美味しかったです!!」
しゅんが嬉しそうに顔を輝かせる。
『それはそれは、ありがとうございます。お粗末さまでした』
「おばちゃん、北海道ってほんまにええとこですねぇ」
いきなりの”おばちゃん”呼びに戸惑いつつも、僕はその様子をほほえましく見守る。
『まぁ、満足していただけたようで何よりです〜』
「じゅう、また絶対にふたりで来よな!」
おばちゃんとの会話を楽しんでいたしゅんが、ぱっとこちらを振り返り、ひまわりみたいな笑顔でそう言った。
「うん! また来たい……!」
彼のまぶしい笑顔につられて、僕の口からも自然と真っ直ぐな言葉が溢れる。
『まぁまぁ、本当にお似合いなおふたりだこと!』
おばちゃんが、すべてを見通しているかのような微笑ましそうな目で、僕たちを優しく見つめた。
その言葉に、僕の心臓がドキンと跳ねる。
「ちょっ……!! おばちゃん、そんなんじゃないですよ!//」
「え〜? ちがうん〜? 俺はそうやと思ってたんやけどなぁ?」
「しゅん、うるさい。黙れ」
「うわぁーん、おばちゃん! この人めっちゃ怖いわぁ〜!」
「おいっ! おばちゃんを巻き込むなって!!」
『おーほっほ! 賑やかで可愛らしい方々だこと!』
「やろ? おばちゃん、わかってくれてるわ〜!」
「ちょっと、しゅん……っ//」
『本当に幸せそうで……見ている私まで、何だか幸せな気持ちになります〜』
おばちゃんがあまりにも温かく、優しい慈愛に満ちた目で笑いかけてくれるもんだから。
男同士の僕たちを当たり前のように受け入れて、祝福してくれるその優しさが胸に染みて、僕は急に気恥ずかしくなって俯いた。
「そ、それなら……よかったです、……っ//」
「ほーんま、じゅうは素直じゃないんやから!」
『ゆっくりして行ってくださいね、お若いお二人さん』
「おばちゃん、ありがとうございます〜!」
しゅんの元気な声に続いて、僕も小さく「ありがとうございました」とぺこりとお辞儀をした。
おばちゃんは僕たちの姿を最後まで嬉しそうに見つめながら、笑顔で奥の部屋へと戻っていった。
僕が知らないだけで、こんな風に僕たちの幸せを真っ直ぐに、優しく見守ってくれる人もいるんだなぁって、胸の奥がじんわりと温かい気持ちで満たされていくのを感じていた。
to be continued………..
コメント
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おばちゃん優しすぎてないた 一瞬で覚えれたのすごいな!? 次回も楽しみにしてます!!!