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#ちゃのざき
かわそ🍼💙 ☁️💫
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D a i ©
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お茶室を後にして、僕たちは再び自分たちの部屋へと戻ってきた。
バタン、と静かにドアが閉まり、完全に二人きりの空間になる。
窓の外には変わらず北海道の穏やかな景色が広がっているけれど、部屋の中を流れる空気は、どこか先ほどまでとは違って張り詰めていた。
さっきの約束。
――『あとで、ちょっと時間頂戴?』
『うん……わかった、待ってるな』
「あの事」を話そう。
そう決意して、僕は窓際のソファーの前に静かに立ち尽くした。
けれど、いざ言葉にしようとすると喉がキュッと閉まってしまい、どうしても最初の一歩が踏み出せない。
僕が拳を握りしめて小さく震えていると、しゅんがゆっくりと僕の前に歩み寄ってきた。
彼はきっと僕を抱きしめるか、あるいは「無理せんでいい」と言ってくれるのだろう。
そう思った。
けれど、違った。
「なぁ、俺な、自分のことずっと嫌いだったんよ……」
ぽつりと、掠れた声で彼がこぼす。
「え……?」
予想もしなかった言葉に、僕は思わず顔を上げた。
いつも太陽みたいに眩しくて、ポジティブの塊で、僕のことを全力で救い上げてくれるしゅんの瞳が、今はひどく傷ついた子供のように揺れていた。
僕は言葉を失い、ただ黙って彼の言葉に耳を傾けた。
彼は視線をゆっくりと落とし、静かに語り始めた。
「中学に上がったあたりからかな……。何となく、自分って他の人と違うような気がしてたんよ……。俺ってさ、ほら、結構女の子から好かれることも多くて。でも俺は別に、誰に対しても何とも思えんくてな。告白も何人にもされたけど、嬉しい気持ちはあるんやけど、全然心が動かんくてな……」
彼の手は、膝の上でぎゅっと強く握りしめられている。
白くなるほど力が入ったその拳が痛々しくて、僕は彼の手をそっと包み込むように握った。
しゅんは小さく息を吐き、僕の手の温もりを確かめるように、さらに言葉を紡ぐ。
「まわりの友達にも変って言われてな? それが嫌で……高校生になって、告白してくれた子と初めて付き合ってみたんよ。でも、付き合えば付き合うほど、自分がみんなと違うって実感するばかりで、その子にも申し訳なくて……」
「適当な言い訳して別れて、そのまま逃げてしまおうかとも思ったんやけど、そんなんは真っ直ぐ自分のことを好きだって伝えてくれたその子に対して失礼やと思ってな……。だから、正直に言ったんよ。自分は、女の子を好きになれない。恋愛対象は男だと思う。だから君は悪くない、ごめんなさい、ってな……」
「……、……うん」
「そしたらな、さっきまで優しかったその子がな……何て言うんやろ。軽蔑っていうか……まるで、汚いものを見るような目でな、俺の事見るんよ……」
泣きそうな顔で下を向きながら話す彼。
胸を締め付けられるような痛みが僕の中にも広がっていく。
僕はただ、静かに相槌を打つことしかできなかった。
「自分でも自分の事は変だとは思ってたよ? でも、そんな目で見られてしまうほど、自分が気持ち悪いとは思っていなかったんさ……。軽率だった。なんで隠し通さなかったんやろうって、後悔した」
「……うん……」
「そのあとはな……その子、みんなに言ってしまったんやろうな。別にいいんよ、俺が言ったんやから。でも、だいぶキツかったな……。それまで仲良かった友達もな、表面上は普通に接してくれるんやけど……なんか距離がな、あるんよ。そりゃ気持ち悪いよなぁ。でも、俺だって男ならだれでも好きになるわけじゃないし……」
苦笑い混じりのしゅんの声が、切なく部屋に響く。
「ある日な、昼休みにな、3年の先輩に呼び出されたんよ。知らない人やったし、でも、あの頃って先輩が絶対みたいな空気あったやろ? そんなん、行くしかないやろ? だから仕方なく行ったんよ、1人で。……したらな、3人おってな。『お前男が好きなんやろ?』って、ニヤニヤしながら俺に言うんよ……」
握りしめた彼の手が、微かに熱を帯びて震える。
「俺はさ、なんかもう、全部嫌になってな? 下向いて黙ってたんよ……。そしたらな、そのうちのひとりがな、俺に近づいてきてな、無理矢理キスしてこようとするんよ。意味わからんやろ……?」
「でもさ、俺、背もそいつらより高かったしさ。部活で筋トレとかガッチガチでやってたし、喧嘩で負ける気せんかったんよ。だから、思いっ切り殴った。なんかもう、悔しくて、腹立って、ようわからんうちに、そいつらの事何度も何度も殴ったんよ……。そしたらそいつら、尻尾巻いて逃げてったわ……」
「でもな? なんで俺がこんな思いしないといかんの?って……。自分に腹が立ったし、でもどうしようもないし……悲しいでも辛いでも、悔しいでもなくって、ただただ自分が大嫌いになった……」
しゅんの瞳から、一滴の涙がこぼれ落ちて、僕たちの重なる手の上に落ちた。
to be continued……..
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