テラーノベル
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荒廃したビルからは鳴ってはいけない音が鳴る。
ここは無法地帯であり、かつて温泉街が並ぶ街だった。
しかし、バブル崩壊により取り壊す金もなくなった建物は、放置されて永遠と荒廃し続けるものだ。
森の中を、一台の軽トラが走る。
軽トラの上には工事用らしき道具と、2人の女性が乗っていた。
「給料まだ…?」
「もうちょっとでアジトに着くから…もう少し待って。」
「…ねぇねぇ。」
軽トラを運転する別の女性は、そんな彼女たちの話を遮るように話し出した。
「まえに3、5、でっかいのいるよ〜?とめる?」
「『カイライ】…そのまま走り続けて、僕たちで潰す。」
「【ミノカサゴ】、何秒いる?」
「この距離なら…[ 5秒 ]で足りるかな、お願い【@】さん。」
「ん…わかった。」
【@】と呼ばれた少女はメガホンを手に取り、くるくるとシャープペンを回す。
一方【ミノカサゴ】と呼ばれた少女は和紙の傘を手に取って開き、ぶつぶつと何か唱え始めた。
山地のトンネルに入った瞬間、ボコボコと何かが溢れてくる。
薄暗いトンネルの中では、不気味でしかなく精神を削られる情景だ。
血肉らしき細胞が現れ、トラックに襲いかかる。
【@】は、シャープペンを銃のように発射し、八体に及ぶ怪物を刺した。
そしてメガホンのスイッチをオンにする。
【…ᛚᛟᛟᚴ ᛏᛟ ᛏᚺᛖ ᛋᚴᚤ, ᚥᚪᚤ ᚢᛈ ᛟᚾ ᚺᛁᚵᚺ
ᛏᚺᛖᚱᛖ ᛁᚾ ᛏᚺᛖ ᚾᛁᚵᚺᛏ ᛋᛏᚪᚱᛋ ᚪᚱᛖ ᚾᛟᚥ ᚱᛁᚵᚺᛏ…】
その途端、怪物たちの動きが鈍くなる。
まるで何かに動きを止められているかのように。
だが、それでも彼らは止まらない。
それどころか【ミノカサゴ】を狙ってくる。
しかし、それが狙いだった。
「目を見て、そして…【逃げないで】」
ボタボタボタッ…!
彼女が開いた蛇目傘から黒い液体が流れ出し、辺り一面を覆い尽くした。
真っ黒な中、黒い瞳孔の目が次々と浮かんで怪物達を見つめる。
そこから黒い手らしきものが現れ、怪物達を次々に黒い沼へと引きづり込んでいく。
鳴ってはいけないような音が鳴り響き、呻き声や生々しい液体や何かが折れる音が響く。
何分経っただろうか、いや、まだ1分も経ってはいない。
辺りは空気の流れる音と、トラックから流れるエンジンの音が響いた。
黒い液体が傘の中へと戻って行き、辺りはまるで「何事もなかった」かのように消えた。
「もう大丈夫..ね?」
【ミノカサゴ】が呟くと、いつの間にかVRゴーグルをつけていた【@】はそれを外す。
「やっぱり、未だ慣れない。」
「御免なさいね…もう直ぐ《ゾーン》を抜けるから。」
「給料6:4…」
「わかっているわ。」
街灯が照らされる辺りまでトラックが進むと、【ミノカサゴ】は人が変わったように怯え出した。
「ご、ごめんなさぃっ!」
「アタシのせいでまた怖い目に…」
「大丈夫だから…ほら、高いたかい…」
そう言って、【@】は【ミノカサゴ】を持ち上げた。
それも、断崖絶壁の横を走るトラックの上で。
「いやぁぁぁっ!?(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)」
【ミノカサゴ】は二重人格で高所恐怖症なのだ。
【@】はそれをわかって彼女を恐怖に落とした。
「怒ってるなら言ってくださいよ…」
「怒ってない。」
「怒ってるじゃないですか!」
「…ちゃんと対策してよね」
「…御免なさい眠さん。」
「もー…鬼花、次は許さないから」
【@】こと跡間 眠、【ミノカサゴ】こと百々目|《とどめ》 鬼花。
2人はこの魔法少女団体 合同会社【ヤミテラス】のバイト戦士だ。
そして…このトラックを運転している【カイライ】も。
ただ、彼女は本名を忘れてしまっており、長い間戦い続けていることから【バイトリーダー】とも呼ばれている。
眠は欠伸をし、トラックの後ろの窓から【バイトリーダー】に声を掛ける。
「【リーダー】、あと何分?」
「…あとちょっとだよ〜!」
「わかった、ちょっとだね。」
「…本当にちょっとかは知らないけど。」
「ま、まぁ…仕方ないですよ。」
【バイトリーダー】は不思議のアリス症候群であり、物の大きさや、距離などがめちゃくちゃになってしまうのだ。
だからこそ、彼女の「ちょっと」は信用ならない。
鬼花は、先程の蛇目傘を下向きに開いた。
先程のような黒い液体は見られないが、小さな結晶が幾つか入っていた。
「ひーふーみー…20個ですね。」
「さっきの以外が十二匹だったから…今回は合ってる。」
「私が8で、眠さんが12でいいですか?」
「ん。」
「僕のは〜?」
「【リーダー】はリーダー給で倍入るじゃん…」
「はーい!」
「安全運転してね〜」
夜の森は静かに見えて、案外音がするものだ。
鬼花は、ポケットに入っていたチラシを取り出した。
「これ、応募来るんですかね。」
「…さぁ。」
「…やっぱ怒ってます?」
「だってこれ僕が作ったチラシだし。」
眠は眠たげに目を瞑った。
その時だった、バイト用の白いスマホに通知が何件も入る。
少し割れた画面をなぞりながら、鬼花はスマホを開く。
『応募希望:5件』
「ごっ5件も来てますよ応募!?どうしましょう…」
「給料半減…でも楽にはなる。」
「とりあえずは、【オーナー】が対応してくれるから。」
「そうですね…!」
「拝啓 〇〇様
御社のバイト募集にご応募いただきありがとうございます。
無事採用となりましたので、下記の日時、場所にお越しください。
それから、移動費、研修費用、護身用具代として銀行口座に15万円振り込んでおります。
余ったとしても貴方様のお金となりますのでそれ以外はご自由にお使いくださいませ。
日時:20 ✖︎ ✖︎ / ✖︎ / ✖︎ 17時集合
場所:✖︎✖︎県✖︎光市✖︎✖︎川温泉✖︎
敬具
魔法少女財団 合同会社ヤミテラス
1,494
seala @神格化しそう
938
#魔法少女パロ
コメント
18件
みんな強! しっかり可愛い
わーい、先輩's 登場ー、 眠「 採用おめでとだね、」