「っ類!」
「うわ、どうしたんだい寧々」
「類が!返事しないからでしょ…!!」
手元を見ると、溶けだしたビニール。
どうやらそれほどまでに考え事に頭を回らせてしまっていたらしい。
それこそ、寧々の声が聞こえないほどに。
「ああ、すまないね。考え事をしていたものだから。」
「ほんっと、気を付けてよね。類が火傷するかと思った。」
「次からは気を付けるさ。大丈夫だよ。」
未だ心配そうに見つめる寧々の頭にそっと手を乗せ、ゆるゆると動かす。
寧々は心配そうな顔をそのままに、少しだけ安堵の色をのせて目を細めた。
「…類。」
「なんだい?」
「ちゃんと頼ってよね。わたしじゃなくても、えむとか司とか誰でもいいから。」
「…ああ、そうするよ。ありがとう、寧々。」
ねぇ寧々、僕の悩みごとは…
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