「ほう…貴様が…」
『…っ!!』
肌で感じられる程強烈な殺気…
今までとは比べられないくらい強い!!
「ふっ…人間風情が…」
『返してくれないかな?僕の大切な人なんだ』
「俺が何故貴様なんかの言うことを
聞くと思うのだ??」
まるで蛇に睨まれた蛙…
「僕の生徒に無闇に手出さないで欲しいなぁ」
この声…!
『五条先生…!』
悟「やぁ。変わった呪力が僕の所に届いてさ」
「…五条悟。」
悟「あれ?君は朱雀じゃないか。
なんで生きてるのー?」
悟「僕が殺したはずなのに、さ」
殺した…?
てことは、1回死んでる?
「あーあれな。
あれ超細かく言うと瀕死なんだよ」
瀕死…?死にそうだったってこと…?
悟「じゃあ今度こそ、この世から消滅させる」
「いいのか?そんなことして。」
「俺が消えたら棗も一緒に逝くぞ??」
悟「それはないさ。彼女は死なないからね」
死なない…?
悟「憂太。僕が朱雀に攻撃してる間に
隙をついて朱雀の集中を削ぐようなことを
して欲しい」
『え、どうゆうことですか?』
悟「なんでもいい。
上手くいけば、元に戻るから」
上手くいけば元に戻る…
じゃあ上手くいかなければ…?
棗ちゃんは…
悟「憂太なら大丈夫。」
五条先生の言葉は酷く優しかった。
悟「じゃ!よろしくね!!!」
『え、ちょ』
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さて…どうしよう…
外が朱雀でも中身はちゃんと棗ちゃんだから
元に戻さなきゃいけない
でも、僕にできるの…?
里香ちゃんを助けられなかったのに
僕には、、
里「ゆヴダ…」
『どうしたの?里香ちゃん』
里「耳カジて」
『はい。』
里「ボソッ」
『えぁ!!?僕には出来ないよ!!!』
里「ユうダなラデキルよ」
やるしかないか…
“憂くん…助けて…”
『…え、』
誰、?今の。
…棗ちゃんだ。僕には分かる。
大丈夫。ちゃんと助ける。
棗ちゃんには後で死ぬほど土下座しよう…
『…よし』
待ってて、棗ちゃん
________すぐ、戻してあげるからね
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悟「前より強くなったかな」
「はっ。元から強ぇわ。
こちとら神だからな」
悟「棗も厄介なのに憑かれたなぁ」
「彼奴は俺が殺す」
悟「だーかーらー死なないって
僕がそうさせない。」
悟「それよりいーの?」
「は…んむっ…!?」
僕は棗ちゃんに
______キスをした。
「んん…!!!」
棗ちゃん…
『戻ってきて』
゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+
〜棗side〜
『はぁ…はっ…はっ…』
真っ暗。
嫌な予感がする。
何を失うような、そんな予感…
“止まってはいけない”
そんな気がした。
『助けて…お兄ちゃん…っ』
もう1人は嫌だよ…
助けて、誰でもいいから、
怖い、怖いよ
「返してくれないかな?僕の大切な人なんだ」
そんな声がした。
『だれ、?』
憂くん…?
『憂くん…!!助けて…!!』
『月、月…!!』
苦しくて蹲った瞬間、光が私を包んだ
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『…んむ…!?』
目を開けた瞬間映るのは
憂くんの顔。しかもドアップ
私は一瞬で理解した
_______キスされたと。
『な、何して…!!』
一体何が起こったのかわからず、
突き飛ばしてしまった。
憂「棗ちゃん!!良かった…」
『何してるのって、聞いてるんだけど、』
悟「良かったよ。
棗、殺されかけてたんだから」
『誰に…?』
憂「…朱雀だよ」
『朱雀が…?』
『…』
悟「どーしたのー?」
『じゃあなんで憂くんは私にキスしたの?』
憂「そ、れは…」
もごもごして顔を赤くする憂くん
『…キスは好きな人だけにしなよ、』
なんだろう、さっきっからクラクラする
憂「あ…待って!!」
ぐいっ
ちょ、そんな強く引っ張らないで…
途端おでこに冷たいものが触れる
『つめ、たい…』
憂「やっぱり、棗ちゃん。熱あるよ」
『ねつ…?』
憂「寝ててもいいよ」
『ごめ、また迷惑かける…』
私は深い眠りに落ちた
゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+
〜憂太side〜
棗「すぅ、すぅ、」
棗ちゃんすっかり忘れてたな…
“神である者が人間に憑依すると
その人間は異常を来たす”
聞かれてるはずなんだけど…
それに、
“キスは好きな人だけにしなよ、”
『…好きだから、キスするんだよ』
早く、気づいてよ
悟「面倒見てやってよ!!
憂太の部屋でさー」
『なんで僕の部屋なんですか!?』
悟「だって看病しなきゃでしょ?」
『でも僕だって学校ありますし、』
悟「休んでもいーよ!!
その代わり棗と一緒に
プリントやってもらうけどね!」
『げっ…』
悟「そんな顔しないでよ〜」
まぁ、いっか。
棗ちゃん昔から頭いいし
『…分かりました』
謝らなきゃいけないし、
心配だし、いいよね…?
悟「…狗巻棗の秘匿死刑。」
『…僕は全力で阻止しますよ』
『もう、僕は大切な人を無くしたくない。』
悟「上の奴らが決めたことなんだよね」
悟「…いっその事、
上の連中全員殺してしまおうか」
『それやったら棗ちゃん
また抱え込みますよ。』
悟「ま、大丈夫でしょ!!
てことでよろしくね〜!」
『後でマカロン買ってあげてくださいね』
悟「はいはーい」
『ついでに僕のも』
悟「えぇ」
『えぇってなんですか、えぇって』
悟「じゃあ僕は行くね〜
棗のことよろしく〜」
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『…ひとまず、棗ちゃんが戻ってよかった
また里香ちゃんに助けられちゃったなぁ
感謝しないと』
ところで、
棗「すぅ、すぅ、」
軽くない…!!?
僕は棗ちゃんが泣いてることに気づいた。
瞳から零れた涙が宝石に変わった
『…え』
「おい。」
目の前には険しい顔をした月さんがいた
怒って…る、?
月「何をしている」
『え…っと』
月「何しているんだと聞いている」
『…』
月「何故待てなかった??
姫が言うまでなぜ待てなかったんだ?」
怒ってる月さん、初めて見た…
『熱、あって…
看病しようかなって思って
部屋まで歩いてたら泣いてるの気づいて、』
月「…はぁ、
お前がいなくなると姫が悲しむからな、
絶対そのこと姫には言うなよ。」
『月さんは、この症状が、何か知ってるの?』
月「当たり前じゃろ。
妾は姫と10年の付き合いだぞ?」
『…何か知ってるなら、教えて欲しいです』
月「…」
月「それは無理じゃな。
姫が自分で言うのを待て。」
『なんでですか?』
月「じゃあお主は自分の知らない間に
誰かに秘密バラされたら嫌ではないのか?」
『…嫌です』
月「じゃろ?それに、姫にも止められている」
『…そうですか。』
僕が内緒で知っていたら
棗ちゃんは絶対悲しそうな顔をする
僕はその顔を見るのが嫌だ。
だから、棗ちゃんが言うまで待とうかな…
涙出てるって気づかれたら終わりだけど
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『ちゃんとご飯食べてるのかな…』
本当に心配になってくる
棗「…う、」
『起きた?熱まだあるから寝てていいよ』
棗「…桔梗」(明日授業あるし帰るよ)
『だーめ。ちゃんと寝てなさい』
棗「しゃけ、クローバー…」
(運んでもらったのに、悪いよ…)
『棘くんに言いつけちゃおっかなー』
棗「寝ます」
早いなぁ…
たまには、僕のことも考えて…なんて
『お粥作ったら呼ぶから』
棗「う”ん”…」
ありゃ、声枯れてる。
棗「あ”り”か”と”…」
『このくらい御茶の子さいさいだよ』
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〜棗side〜
風邪ひくの何年ぶりだろ…
前引いた時誰も、看病してくれなかったな
『う”…』
でもお兄ちゃんは心配してくれて
「高菜…?昆布?」(棗…?大丈夫?)
『大丈夫だよ…
もう戻って、怒られちゃうから』
「おかか!!!」(嫌だ!!)
『心配してくれるの…?コホッ』
「しゃけ昆布!!!!」
(当たり前。僕はお兄ちゃんだからね!!)
『…そうだね』
…お兄ちゃん、か
血繋がってないって言ったら
どんな顔するんだろう
『でも本当に戻った方がいいよ。』
私のせいでお兄ちゃんまで
叩かれたら困る
「…クローバー。」(…また来るね。)
『薔薇。ラン。』(うん。待ってるね。)
私は知っていたから。
お兄ちゃんと長くは居られない。
だからせめて、
君が元気でいられるお手伝いをさせてね。
゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+
〜棘side〜
真「はぁ!?熱!?」
珍しく真希が音を上げた。
俺も驚いた。
昨日まで元気だったのに、どうしたんだろ…
憂「うん…風邪ひいたらしくて、
今は僕の部屋にいるよ」
え!?憂太の部屋にいるの!?なんで!?
悟「それはねぇ
憂太が看病してくれるからだよ〜」
びっ、くりした…
悟「見に行ってあげれば?棘。」
チラッと憂太を見た
憂「僕もお粥作ったら向かうね」
『しゃけ!』
待ってて、イヴ
▶▼◀▲▶▼◀▲▶▼◀▲▶▼◀▲▶▼◀
with憂太部屋
棗「う”…」
『すじこぉ…』(寝てるぅ…)
なんか魘されてるし、大丈夫かな…
棗「お、兄ちゃ、」
『…』
あれ、イヴってお兄さんいたっけ?
憂太に聞いてみるか、
『…あ』
早く戻らなきゃ。
見に来ただけだし。
ぐいっ
そう思って部屋を出ようとした瞬間
イヴに引っ張られた
『おかか…!?』
ぼふっ
棗「…お、にーちゃん…」
『おかか!おかか!!』
俺の事お兄さんだと思ってる…?
ガチャ
憂「ただいまー。え?何このカオス。」
こっちが聞きたい。
『昆布…』(助けて…)
憂「分かった…イヴ、イヴ。起きて。」
棗「もふもふぅ…ん、?」
徐々に意識が覚醒し始めるイヴ
棗「す、すいませんでした…!!!
私、なんていう痴態を…!!!」
『おかか…』(大丈夫…)
俺は部屋を後にした
(…俺、顔赤くないよね…?)
゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+
〜棗side〜
『あぁぁ…やっちゃったぁぁ…』
憂「棗ちゃんは眠りに入ると誰これ構わず抱きしめる癖直した方がいいよ…
今回は棘くんだったから良かったものの…」
赤の他人だったら大変だよ?
『ムスッ…憂くんだと思ったんだもん…』
憂「は?かわい」
(そう言われてもダメなものはダメ。)
『憂くん心の声逆だよ』
憂「あ。」
『…あ、のさ、憂くん』
憂「ん?どぉしたの?」
『私、寝てる途中泣いたりしなかった?』
ずっと気になっていた。
鏡を見たら涙を流した跡があるから。
あの場所には五条と憂くんしかいなかった。
五条はきっと憂くんに看病を頼んだ。
憂「いや、流してないよ!!」
『…憂太。本当のこと言って。』
私はあえて名前で呼んだ
憂「うん、泣いてたよ、」
『…じゃあ涙が宝石に変わることも
知ってる?』
憂「うん」
『そっ、か』
憂「…僕で良かったら、教えて欲しいな」
『…私、異能なの。』
私が秘密を打ち明けた瞬間…
______私の右目は視力を失った
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