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35
#紅組
プリンちゃん
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りおん
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574
※ 緩くあきしお 地雷さん🔙
学生設定です
日差しが眩しく、夏が感じられるある日のこと。
今日もクラスで“アイツ”の声を一日中聞くことになるだろう。
…本っ当に嫌気しかない、ただでさえ学校の授業はだるいのに
クラスに嫌いなやつがいることまで加わるともう本当に休みたい。
ちなみに“アイツ”ってのはあっきぃのことだ。
あっきぃはうちのクラスのムードメーカー的な存在で
とにかくうるさい。あとダル絡みが多い。
そうこう考えているうちに気がついたらもう目の前は教室のドア。
そのドアを開けるだけなのに、なぜか重く感じてしまう。
そして俺は運が悪く、あっきぃと目が合ってしまった。
けどあっきぃはなぜかは笑顔で
「 あ!心音じゃん、おっはよ〜。」
と言った。
…あいつ、なんで笑ってんだ?不愉快なんだよ。
教室に入ったら朝一番に大嫌いなやつの顔見て、
しかも「おはよう」って挨拶されるなんて嫌に決まってる。
こっちはお前のおはようなんて聞きたくねえんだ。
しかし、無視もあまり良くはないので、俺は小声で
「………おはよ。」
と言っといた。
これで終わり…と思いきや、あっきぃはこう返してきた。
「あれれ〜?声が小さくないですか〜?」
……「うざ」。
その言葉はとりあえず心の中にしまう。
これに何か返したら、あっきぃがさらに煽ってくるだけだ。
はいはい、無視無視、っと。
「やっぱり、心音は“雑魚”だな〜!!」
「………は??」
また無視をするべきだったが、もう遅い。
俺のなかでプツンと何かが切れる音がした。
そしてあっきぃの挑発に見事乗っかってしまうのだ。
「え〜、俺の方が成績いいし、あっきぃは赤点取ってなかったっけ?」
するとあっきぃは図星のような表情をし、焦っていた様子をみせた。
俺の言ったとおり、俺の方が成績は良くて、あっきぃは赤点をいつも取ってた。
「で、でもさ!心音は授業中寝てんじゃん!!
実際のところ、俺は授業中ほぼずっと寝てたが、
あっきぃは積極的で発言もして授業態度はとても良かった。
しかし発した答えの半数が不正解である。
その時、チャイムが鳴り自然とHRが始まった。
そのおかげであっきぃとの会話も終わったので
今日ばかりは担任に感謝しかない。
しかし、俺は未だに分からないことが
2つあった。
1つ、『“大嫌い“というと、胸が苦しい、なぜか。』
そしてもう1つ、『あっきぃは、俺のことは嫌いなのか____。』
あれから何日経ったのだろうか。
“大嫌い“なクラスメイトが、突然学校に来なくなった。
担任に理由を聞いても、「体調不良」とか、
「家庭の事情」としか言わない。
……別に気になるわけじゃないが
例えばいつもうるさい奴が
急に静かになるのぐらいの感覚で
気味が悪かった。
そんなある日、忘れ物をして、
教室に戻ろうとした時、
クラスメイトの会話を聞いてしまった。
「……あっきぃのやつ、病気なんだろ?」
「聞いた聞いたー、しかも結構重いんだろ?」
「手術、成功する確率めっちゃ低いから
手術受けないんだってさ」
「うわガチかよ……」
俺はポカンとした。
……あっきぃが、入院?重い病気?
普段の俺なら、喜んでいただろう。
最低だが、実際そうとも思える。
けど、俺は考えるより先に教室の
ドアを開けてこう言ってた。
「……あっきぃって、どこで入院してんの?」
病院、俺は看護師の方から
「走らないでくださーい」
と言われても、足は止まるどころか、
加速していった。
馬鹿だろ俺、なんでアイツなんかのために
こんな必死なんだよ。
“大嫌い”、なはずなのに。
そうこう考えてるうちにあきらのいる病室に着き、
俺はドアを勢いよく開けた。
「……あっきぃ!!」
「は?心音、なん、で………?」
「お前が入院したって聞いて、仕方ねぇから
見舞いに来てやったんだよ」
違う、何言ってんだよ俺は。
本当はこんなこと言うために来たんじゃないだろ。
でも、いざ来たとして一体何を言えばいいんだ。
………分からない。
「……仕方なく、か」
あっきぃはき呆れたようにその言葉を言い、
1つ1つの単語を受け止めていた。
そして、続けて俺にこう言った。
「……じゃあさ、なんでお前,泣いてんの?」
俺は気づいたら涙を流していた。
これは無意識だ、完全に無意識だ。
なんで、泣いてるんだろ。
自分でも分からなかった。
でも、やっと分かった気がした。
俺は、あきらと________
「……あっきぃと、ちゃんと、友達に
なりたかった、から………っ!」
「っ……!」
「あっきぃが毎日話しかけてくれて、
初めは鬱陶しいなって思ってけど
段々嫌じゃなくなって、気がついたら
もっと話してみたいなって、思うように
なった」
やっと、言えた。
大嫌いだった君と関わるうちに
いつの間にかその感情が消えていた。
俺は、ただ、素直になれなかっただけなんだ
本当はもっと、話したかった。
でも、お前がどう思ってるのか
分からなかった、それが一番怖かった。
「………遅ぇわ、ばーか」
あっきぃはそれだけ言って、やがて彼も
俺と同じように泣き始めて、こう言った。
「…心音とさ、俺もっと話したかった
でも、心音は俺のこと嫌いだったから」
「……あぁ、嫌いだった」
「だから、たくさん話しかければ、いつか
ちゃんと友達になれるんじゃないかって
思ってて……」
「っ、」
「でも、もう無理みたい」
俺は首を横に振り、あっきぃに言った。
「まだ、希望はある、手術を受ければ___」
「……成功率が、一桁でも?」
俺は思わず絶句した。
あっきぃはもうこの世からいなくなる可能性が
高いことに俺は相当ショックを受けた。
やっと、ちゃんと、向き合えたのに。
あっきぃと、友達になれたのに______っ。
なんで、俺達、一緒に生きれらないんだよっ……!
「……ねぇ心音、だから最後に1つだけ
友達のお願い、聞いてくれる?」
「……なんだよ」
「えっとね………」
数年後、俺は気がつけば志望大学に入学し
進路を決めて就職活動に向かっていた。
が、今俺はそんなことはしてない、なぜか。
………今日は、アイツの命日だからだ。
命日になると、アイツの好きな黄色の花束を
飾り、アイツに向けて書いた手紙を毎年置く。
それが、アイツが言った、最初で最後の
俺へのお願いだった。
なんでそんなこと、と聞くと
「……だって、寂しいんじゃん?」
それだけ答えて、彼は俺の前から
いなくなった。
全く、わざわざ手間掛けさせやがって
とも思いつつ、“友達”の願いなら
仕方ないとも思えた。
さんさんと照らす太陽がとても眩しく
気温は30℃後半でとにかく暑い。
____夏、俺が一番“大嫌い”で
君が一番“大好き”な季節。
コメント
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りあさん、第1話読みました! 最初は「うざい」「大嫌い」って思ってた心音が、あっきぃの入院を知って駆けつけるところ、すごく胸にきました。教室で無視できずに絡んじゃう感じとか、学生のリアルな空気感が伝わってきます。最後の「夏、俺が一番“大嫌い”で君が一番“大好き”な季節」という一文が、全てを物語っていて…切なくて、でも温かい気持ちになりました。友達になりたかった、その気持ちが届いて良かった。素敵な作品をありがとうございます!