am9:00
俺は今、外をぶらぶら歩いている。最近特にすることもなくて暇だったからだ。そういえば散歩に行ってくるって言って外に出ようとしたら燈矢兄がスマホ貸せって言ってなにかしてたな。何してるのかみたトガとコンプレスがドン引きしてたけど燈矢兄は何してたんだ?….まぁいいか。前まで髪を黒に染めてたけど俺は染めるのを辞めた。理由は簡単だ。性にあわない。髪が伸びてきた時とかに染めるのがめんどくさすぎる。だから俺の髪は紅白に戻った。そんなことを考えながら歩いていると、目の前に雄英があった。完全に無意識だった。来た道を戻ろうと引き返そうとしたら目の前に相澤先生がいた。相澤先生が驚いた表情をしながら話しかけてきた。
相「轟か?久しぶりだな。情報によるとお前の髪の色が変わっているという話だったんだがな。まあいい。とりあえず元気そうで良かった」
焦「お、お久しぶりです」
俺はそっと会釈する。無言が続く。めちゃくちゃ気まずい。よし、逃げよう。そう思って1歩踏み出した瞬間相澤先生の捕縛布に捕まった。
焦「は?!ちょ、なんですかこれ。離してください」
相「悪いがだめだ。離したら逃げるだろ。とりあえず中に入れ」
焦「はぁ….」
自分から深いため息が出る。ここで暴れても良かったが大人しく連れていかれることにした。連れていかれた先は校長室だった。
根「久しぶりだね、轟くん」
根津校長が話しかけてきた。
焦「どうも。ていうか今日文化祭なんですよね。しかももし、雄英が襲撃された時は文化祭を中止にするっていう条件付きの。いいんですか。俺みたいな部外者入れて。俺今一応ヴィラン連合なんですけど」
根「そこは大丈夫なのさ!それに君は部外者なんかじゃない」
焦「へぇ。俺のこと追い出したくせに」
このまま言い争っても意味が無い。わざわざ俺をここに連れてきたってことは何かあるはずだ。
焦「まあ俺を追い出した云々はもう過ぎたことなのでいいです。それで用件はなんですか。ないなら帰りたいんですけど」
根「別に何も無いのさ!ただ君にもこの文化祭を楽しんでいってほしいだけなのさ!」
根津校長が言う。え….すごく嫌だ。帰りたい。でも離してくれそうにないし。….仕方ない。文化祭みて早く帰ろう。
焦「わかりました。ただ文化祭みたらすぐ帰ります。」
根「うん、それで構わないのさ!校内は相澤くんと行動してもらうことになるのさ!」
え〜。朝、俺のことを捕縛布で拘束してきた人と一緒にまわるの?!最悪だ。こんなことなら散歩なんてしないでアジトで大人しくしとけばよかった。そんなことを考えていたら相澤先生が部屋に入ってきてやっぱり一緒にまわることになった。
相「….」
焦「….」
やばい。バカ気まずい。しかもどっちもあんま喋んねぇほうだから無言が続く。少ししたら相澤先生が話しかけてきた。
相「あー、轟お前に頼みたいことがある」
焦「なんですか」
相「実は….」
相澤先生の話の内容はこうだ。1年A組が今回の文化祭でバンド&ダンスをするから、その演出を手伝って欲しいとの事だ。なんで俺が?って思った。手伝う理由なんか無い。だって俺はもう雄英の生徒じゃないんだから。でも文化祭に来るという小さな女の子の話を聞いたら笑顔にしたいって思った。だから協力することにした。本番前に演出組にだけ会って氷を出すことを伝えた。みんな一瞬驚いた顔をしていたがすぐに元に戻って絶対に成功させようって言ってくれた。曲が始まった。切島から合図をもらい氷を出す。A組も観客も驚いていたがすぐに楽しそうな表情に戻った。女の子も最後は笑った。なぜだかすごく嬉しい。そのあとは、A組に会わずに文化祭をまわった。最後また校長室に呼び出された。
根「文化祭、楽しかったかい」
校長が聞いてきた。
焦「まあ楽しかったです」
根「実は君に2人きりで会いたいという子がいるんだ。入ってきていいよ」
根津校長が合図を出すと扉が開いた。そこに居たのは爆豪だった。
焦「ば、爆豪?!」
俺は驚いた。まさか爆豪だとは思わなかったからだ。
根「それじゃあ私は少し席を外すのさ!」
そう言って根津校長が部屋から出ていく。部屋には俺と爆豪の2人きりになった。爆豪がなにか投げてきた。見てみるとそこには『調査書』と書いてあった。
爆「それは、てめェが居なくなってから俺が自分で調べたもんだ」
『調査書』をパラパラとめくる。
爆「てめェがクソMOBをいじめたって騒ぎがあった時違和感を感じた。他の奴らはクソMOBのことを信じきっていたから俺一人でそれ全部調べた。結果としてはてめェはいじめなんてしてねェ。全部クソMOBの自作自演だったわけだ。これが俺が導き出した答えだ。どうだよ。合ってんのか」
焦「….う、ん。多分、合ってる」
誰も信じてくれていないと思っていたが爆豪だけがずっと信じてくれていた。目頭が熱くなる。
焦「ずっと信じてくれててありがとう」
そこから少しだけ沈黙が続く。でもなぜだか相澤先生の時のような気まずさはない。不思議だ。そう思っていたら爆豪が話しかけてきた。
爆「雄英に戻るつもりはねぇのか?」
焦「….ない。今の俺の居場所はヴィラン連合だから」
爆「そうかよ」
焦「あ、悪い」
爆「ンで謝んだよ」
焦「だって爆豪は俺が戻って来れるように『調査書』を作ったんだろ」
爆「ンなこと気にしなくていいんだよ。てめェはてめェのやりてぇことやりゃあいい。俺も協力してやる。….ただどうすっかな」
焦「何がだ?」
爆「多分クソデクとかはてめェに雄英に戻って来て欲しいって思っとるはずだ。それをどうやって突き放すかだな」
焦「実は俺に考えがあるんだ」
俺は緑谷達を突き放すための策を爆豪に伝えた。
爆「なるほどな。まあてめェにしてはいい案なんじゃねぇか。でもそれを言ったあとにどうやって逃げるんだ」
焦「それは大丈夫だ」
俺は時間をみる。あと15分で5時だ。5時になったら何がなんでも迎えに行くからなって燈矢兄に言われていた。
焦「時間になったら迎えがくる」
爆「じゃあ決まりだな。クソデクたち呼んでくる」
5分後、爆豪がA組全員を連れてきた。
焦「みんな久しぶりだな。あ、でも緑谷と麗日と飯田はこの前会ったか」
出「轟くん、この前はいきなり畳み掛けるようにして話してごめんね。でも、僕たちはやっぱり君と一緒にヒーローを目指したい。だから雄英に戻ってきて」
やっぱり緑谷は予想通りのことを言う。よし、俺と爆豪で考えた策を実行しよう。
焦「もう無理なんだ。俺はそっち側に戻れない」
出「….っ!なんで!」
焦「俺は、俺は人を殺した。もうヒーローになんてなれない。俺はヴィランとして生きていく」
この時ちょうど5時になったいきなりワープが現れる。そのワープの中から声が聞こえる。燈矢兄だ。
燈「しょーと♡時間だ。帰るぞ」
焦「うん」
俺は返事をし、緑谷達の方を見る。
焦「じゃあな、ヒーロー共」
そう言ってワープを通る。通る途中で緑谷達が何か言っていたが聞かないことにした。じゃあな爆豪。緑谷達が焦っている後ろで爆豪がこちらを見て笑っている気がした。俺はアジトに戻った。連合のみんなが口を揃えて言った。「おかえり」と。
焦「ただいま」
〜おまけ〜
ス「おい、荼毘。お前さっきからずっと何見てんだよ」
荼「焦凍のスマホに入れたGPSアプリ」
ス「お前やべぇな。あ、おい!どこ行くんだよ」
荼「5時なったから焦凍のところに迎えに行く。おい黒霧、ワープをこの場所に繋げろ」
そう言って荼毘はワープを通って焦凍を迎えに行った。
あとがき
今回もヴィラン連合のショートを見てくださってありがとうございます!作者のあかりです。今回の投稿は前回から少し日が経ってしまいました。でもこれからも気長に投稿続けていくのでよろしくお願いします。さて、今日5月19日は実は私の誕生日なんです。なのでもし良かったらなんですけどコメントで祝ってもらえませんか。多分コメント貰ったら嬉しくて早く続き出すかも….?
これからもヴィラン連合のショートをよろしくお願いします。
コメント
2件
いや~久しぶりの投稿ガチ嬉しいです!!荼毘が焦凍君のスマホに付けたのGPSだな~って思ったらほんとで吹いたw今回も面白かったです✨ 誕生日なんですか!?って言っても1日遅れましたけど…wおめでとうございます!!🎉