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コメント
5件
怖いーもう拉致だよ😱😠何処に連れて行かれるの……サイテーなヤツらのすることだから不安しかない😣
運転手さん見てないかな? 仕事中突然いなくなったら不審に思うよね?防犯カメラあるから、車に無理やり押し込まれたのは映ってるはず… きっと陰湿なイジメをするんだよ。百貨店に行って荷物持たせて蔑んで、公衆の面前で笑い者にするんだよ。 犯罪的なのはさすがにまだやらないと思う。 ボイスレコーダー持ってる?上手く録って!とにかく見つからないように🥺 っていうか、池田ヒモくズ男くん仕事は? してるわけないか、無能だからな…
怖い😱 あの2人で考えることなんて碌なことじゃないわ!もう乗っちゃったけど、大丈夫かな。
「おはようございます。暑いですね」
3日ほど雨が続いたあとは、夕立予報ばかりの梅雨のようで、ゴミ出しのために外に出るともわっと暑い。
駐車場におられた運転手さんが見えたので挨拶をしてから、外のゴミ箱の横に置いてある箒と塵取りを持って、時々ゴミを集めながら建物の周りを一周する。
この中園邸はご主人様の車を収納するスペースが広いので、木々や草花のある庭がない。
玄関の寄せ植えだけしか外に植物がないので、外回りの掃除に時間がかからないお宅だ。
玄関の外まで到着したので、箒を片手に持ったまま、もう片方の手で寄せ植えの傷んだ葉や終わった花を取っていると
カチャ……
両開きの玄関ドアの片方が開き
「ああ、ここにいたのね、真奈美。ちょうどいいわ」
と、先日のリメイクワンピースを着た遥香が出て来た。
「お呼びでしたか、遥香様?」
「ちょっと、来て」
「……どちらへ?」
門の方へ出て行こうとする遥香が“来て”と手招きするので、箒を持ったまま足を動かすと
「そんなもの置いて来なさいよ」
と、遥香はムスッと吐き捨てる。
素敵なワンピースが台無しの表情よ……
「来たわ」
という彼女の声に合わせたように、門の向こう側に静かに車が停まる。
「早く来なさい、真奈美。亮一を待たせないで」
池田の車なのか……何か荷物を運べってことかな。
私は箒をその場に置いて、足早に遥香を追って門を出た。
すると
「後ろ、乗って」
助手席ドアに手を掛けた遥香が、私に向かって顎をグイッと動かして言う。
「乗る?私、ここから勝手には出られませんけど……?」
「ごちゃごちゃうるさいわね。真奈美は私の奴隷らしく、言う事を聞けばいいのよ」
奴隷か……なかなかのワードが録れた、と思った時
「動けってばっ」
遥香が後部座席ドアを開けて、私を思いっきり座席に押し込もうとした。
「いたっ……ぃ……」
足を上げていないので、上半身だけがシートに倒れ、足は車で打った私を見て
「なんていうザマだ」
と鼻を鳴らした池田と
「脚、ドアに挟まっていいの?」
と言う遥香に私は連れ去られるのか……?と思った危機感が半分。
あとの半分は、二人の本性が見られるかという期待感が半分。
私は上体を起こして、シートに座った。
すぐに乗り込んで来た遥香に
「どこへ行くのでしょうか?」
と聞くと、返ってきたのは意地悪な音色だった。
「真奈美にお仕事させてあげる」