テラーノベル
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※以下は実在の人物・グループを題材にした二次創作です。実際の出来事とは関係ありません。
※🐙の一人称改変
※アテンション書くの疲れたので何でも許せる方のみどうぞ
きみを見つけるまで、何度でも
星導がいなくなった日、雨が降っていた。
それは、あとから思い返せば、ひどく普通の雨だった。
窓を細かく叩いて、道路を濡らして、街の明かりをぼんやり滲ませるだけの雨。ニュースになるような大雨でもなければ、傘が役に立たないほどの風もなかった。誰かの記憶に残るような、特別な天気じゃなかった。
だから余計に、俺は納得できなかった。
そんな普通の日に、星導だけが、世界から切り取られたみたいに消えた。
「……連絡、つかない?」
何度目かもわからない確認を、俺は訊いた。
返ってきた答えは、何度訊いても変わらなかった。
つかない。
最後に確認された場所は、駅から少し離れた雑居ビルの裏手。監視カメラには、星導がひとりで歩いている姿が映っていた。傘も差さず、いつも通り少し猫背で、どこか周囲から浮いているような歩き方。
その先の映像は、途切れていた。
事故に遭った形跡もない。事件らしい痕跡もない。スマートフォンは電源が切られていた。財布も、部屋に置かれたままだった。
まるで、本人だけが、本人のいた場所から抜け落ちたみたいだった。
「小柳さん、今日はもう――」
「まだ探します」
自分でも驚くほど、声が冷たかった。
「でも、もう夜も遅いですし……」
「まだ探してない場所がある」
「そこはもう何度も――」
「俺が見てない」
相手が黙った。
俺はその沈黙を無視して、外へ出た。
雨は朝からずっと降っていた。靴の中に水が染みて、服の袖が重くなっていく。傘を持っていたはずなのに、いつの間にか閉じていた。
星導なら、こんなとき何と言うだろう。
たぶん、呆れた顔で「小柳、風邪引きますよ」と言う。
その声を思い出して、俺は足を止めた。
違う。
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三日月さくら🎼🍵👑🌞
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思い出してはいけない。
声を思い出すと、そこに本人がいるような気がしてしまう。振り返れば、少し離れたところに立っているような気がしてしまう。
でも、いない。
どこにもいない。
それを確認するために、俺はまた歩き出した。
*
一週間が過ぎた。
一ヶ月が過ぎた。
二ヶ月目に入った頃には、周囲の人間は「捜索」という言葉を使わなくなった。
警察も、関係者も、知り合いも、みんな気遣うような顔をしていた。連絡があればすぐに動けるようにしておく、と言いながら、その「すぐ」が永遠に来ない可能性を誰も口にしなかった。
星導の部屋は、失踪した日からほとんど変わっていなかった。
テーブルの上に、飲みかけの水。
読みかけの本。
片方だけ脱いだ靴下。
机の端に置かれた、使いかけの目薬。
生活の途中で、突然席を立ったみたいだった。
俺は何度もその部屋に入った。
何か手がかりがあるかもしれないと思ったからだ。何もなくても、何かを見落としている気がしたからだ。
引き出しを開け、棚の裏を確かめ、ベッドの下を覗き込み、捨てられたゴミまでひとつずつ確認した。
意味がないことはわかっていた。
それでもやめられなかった。
星導の部屋にいる間だけは、彼がどこかにいるような錯覚があった。少し離れた場所で息をしていて、俺が探し方を間違えているだけなのだと、そう思えた。
部屋の匂いも、温度も、何も変わっていない。
なのに、本人だけがいない。
ある日、机の引き出しの奥から、小さな紙切れが出てきた。
そこには、日付と場所がいくつか書かれていた。
見覚えのない場所だった。
古い駅。廃業したホテル。海沿いの展望台。山の中にある、もう使われていない施設。
その中のひとつに、赤い線が引かれていた。
俺はその場所を知っていた。
正確には、知っている気がした。
以前、星導が何気なく話していた場所だった。
『そこ、夢で見たことあるんですよ』
『夢?』
『はい。何回も。誰かを待ってるんですけど、誰を待ってるのかはわからなくて』
『それ、怖くない?』
『怖いですよ。でも、目が覚めると忘れるんです』
あのとき、星導は笑っていた。
俺はたいして気に留めなかった。
夢の話だと思っていた。
紙を握る手が震えた。
その場所へ向かうまで、迷いはなかった。
*
そこは、海から少し離れた山の中にあった。
かつては宿泊施設だったらしいが、今は閉鎖され、外壁には蔦が這っていた。窓ガラスのいくつかは割れていて、入口には立入禁止の札が下がっている。
夕方から降り始めた雨が、森の中ではさらに強く聞こえた。
何度も転び、何度も枝に服を引っかけながら、俺は建物の中へ入った。
星導がいるという確証はなかった。
ここに来れば何かがわかるという保証もなかった。
それでも、胸の奥にだけ、妙な確信があった。
いる。
ここに、星導がいる。
廊下は暗く、湿った空気が満ちていた。壁紙は剥がれ、床には水が溜まっている。足音が、何度も反響した。
ひとつ、奥の部屋の扉が開いていた。
俺はそこへ向かった。
中には、古い椅子がひとつ置かれていた。
その椅子に、星導が座っていた。
「……星導」
声が出た瞬間、全身から力が抜けた。
見つけた。
やっと。
何ヶ月も探して、何度も諦めかけて、それでも諦められなくて、眠る時間も食べる時間も削って、街中を歩き回って。
やっと。
星導は俯いていた。
濡れた髪が顔にかかっている。服は薄汚れていたが、目立った怪我はなかった。
生きている。
その事実だけで、胸が潰れそうになった。
「星導」
もう一度呼ぶ。
彼の肩がわずかに動いた。
ゆっくりと顔を上げる。
目が合った。
それだけで、世界が戻ってきたような気がした。
何か言わなければならなかった。
どうしてここにいるのか。
何があったのか。
痛いところはないか。
寒くないか。
帰ろう、と。
言いたいことはたくさんあった。喉の奥に詰まりすぎて、どれも声にならなかった。
先に、星導が口を開いた。
「……あの」
聞き慣れた声だった。
なのに、ひどく遠かった。
「どちらさま、ですか?」
意味を理解するまでに、数秒かかった。
俺は、笑おうとした。
冗談だと思いたかった。
星導は時々、意味のわからないことを言う。突拍子もなく、こちらの予想を越えてくる。だから今回も、何かの冗談なのだと思いたかった。
「俺だよ」
やっと、それだけ言った。
「小柳」
「……小柳、さん?」
知らない名前を読むみたいに、彼は言った。
その呼び方が、あまりにも他人行儀だった。
「俺のこと、覚えてない?」
「すみません。……お名前は、聞いたことがあるような気がします」
「名前だけ?」
「はい」
「俺たち、知り合いだった」
「そう、なんですか」
星導は困ったように眉を下げた。
いつもと同じ表情だった。
それが、何より苦しかった。
見つけた。
確かに見つけた。
でも、俺が探していた星導は、ここにはいなかった。
*
病院で検査を受けても、原因はわからなかった。
身体には大きな異常がない。栄養失調と軽い脱水症状。それ以外は、驚くほど健康だった。
記憶障害。
医師はそう説明した。
ただし、失踪前の記憶だけが綺麗に抜け落ちているわけではない。幼少期のことや、一般的な知識は覚えている。文字も読めるし、生活に必要なこともできる。
ただ、人との関係や、最近の出来事が曖昧だった。
そして俺のことを、覚えていなかった。
「時間が経てば戻る可能性もあります」
医師はそう言った。
「ただ、必ず戻るとは言えません」
可能性。
その言葉を、俺は何度も繰り返し聞いた。
可能性があるなら、待てる。
戻るかもしれないなら、いくらでも待つ。
それが、正しいことだと思っていた。
星導は俺の隣で、黙って医師の話を聞いていた。
その横顔を見ていると、奇妙な感覚に襲われた。
俺が知っている星導と、俺を知らない星導。
同じ顔で、同じ声で、同じ癖で瞬きをするのに、そこに積み重ねた時間だけがない。
俺たちの間にあったものが、全部消えていた。
部屋に戻ったあと、星導は俺のほうを見た。
「小柳さん」
「なに」
「本当に、僕と仲がよかったんですか?」
「……うん」
「どれくらい?」
答えられなかった。
仲がよかった。
その言葉では足りない。
けれど、「大切だった」と言えば、今の星導を困らせる気がした。
「かなり」
結局、そんな曖昧な言葉しか出てこなかった。
「そうですか」
星導は少し考えてから、申し訳なさそうに笑った。
「すみません。僕は、何も覚えていなくて」
「謝らなくていい」
「でも、小柳さんは僕をずっと探してくれていたんですよね」
「……うん」
「どうしてですか?」
その質問は、何ヶ月も聞きたかったはずなのに、聞かれた瞬間、胸に刃物を突き立てられたようだった。
どうして。
そんなの、決まっている。
星導だったからだ。
大切だったからだ。
いなくなったままなんて嫌だったからだ。
俺が知っている星導を、誰にも知られない場所でひとりにしたくなかったからだ。
でも、目の前にいる星導には、それがわからない。
「……友達だから」
俺は言った。
「友達は、いなくなったら探すだろ」
星導は、しばらく俺の顔を見ていた。
やがて、小さく頷いた。
「そういうものなんですね」
その言い方が、まるで他人事だった。
俺はその夜、眠れなかった。
隣の部屋から、星導が寝返りを打つ音が聞こえた。
何ヶ月も聞きたかった音だった。
それなのに、聞けば聞くほど、苦しくなった。
*
最初からやり直すことにした。
星導に、俺たちのことを話した。
出会ったときのこと。初めてまともに話した日のこと。くだらないことで笑ったこと。意見が食い違って、気まずくなったこと。仲直りしたこと。
彼は静かに聞いていた。
時々、質問をした。
「僕はそんなこと言ったんですか?」
「言った」
「小柳さんは怒らなかったんですか?」
「怒ったよ」
「それでも一緒にいたんですか?」
「いた」
何度も説明した。
同じ話を、何度も。
星導が忘れてしまっても、また話した。
俺が覚えている限り、何度でも。
写真を見せた。
残っていたメッセージを読ませた。
録音された声を聞かせた。
星導は驚いたり、笑ったりした。
けれど、それは全部「初めて知る誰か」の話を聞いている反応だった。
自分のことなのに、自分の記憶ではない。
俺が大事に抱えていた時間を、星導は他人の人生として受け取っていた。
それでも、少しずつ距離は縮まった。
星導は俺に慣れた。
俺が隣にいることを嫌がらなくなった。名前を呼ぶようになった。時々、昔と同じように呆れた顔をするようになった。
そのたびに、俺は期待した。
戻ってきたのかもしれない。
失われたものが、少しずつ戻ってきているのかもしれない。
けれど、違った。
戻ってきたのではなく、俺が新しい記憶を作っているだけだった。
その事実を認めるのに、時間がかかった。
星導は、俺の知っていた星導ではない。
俺が探していた人は、もうどこにもいない。
今ここにいる星導は、俺を知らない状態から始まった、別の星導だった。
それでも俺は、彼の隣にいた。
それ以外に、できることがなかった。
*
ある朝、星導が言った。
「小柳さん。僕、夢を見ました」
「どんな夢?」
「誰かを探している夢です」
背中に、冷たいものが走った。
「誰を?」
「わかりません。でも、すごく大切な人だった気がします」
星導は窓の外を見ながら、ぼんやり続けた。
「その人を見つけたら、全部思い出せるような気がするんです」
俺は何も言えなかった。
もし、その「誰か」が俺だったら。
もし、星導の中にまだ、俺を探している記憶の欠片が残っているのなら。
そんな期待が、また膨らんだ。
「顔は見えた?」
「いいえ」
「声は?」
「……聞こえました」
「どんな声?」
星導は少し考えた。
「小柳さんに似ていました」
心臓が跳ねた。
その瞬間、星導の目が見開かれた。
「あ」
彼の手が、頭を押さえた。
「星導?」
「頭が痛いだけです、」
「大丈夫?」
「いや、待ってください。何か……」
彼の呼吸が乱れた。
俺は慌てて近づき、肩に手を置いた。
触れた瞬間、星導がこちらを見た。
その目に、ほんの一瞬だけ、見覚えのある色が浮かんだ。
「小柳くん」
君付けだった。
いつもの呼び方。
何度も聞いた声。
俺は息を止めた。
「星導?」
「小柳くん、どこにいたんですか」
その言葉に、何ヶ月分もの感情が崩れ落ちた。
「ここにいた」
「ずっと?」
「ずっと探してた」
「俺を?」
「そう」
星導は泣きそうな顔で笑った。
「ごめんなさい」
「謝るな」
「でも、また……」
「また?」
問い返した俺を見て、星導の表情が歪んだ。
「また、忘れるから」
空気が止まった。
「……何を言ってるの」
「俺は何度も消えるんです」
星導は震える手で、自分の胸元を掴んだ。
「何度も小柳くんを置いていって、何度も見つけてもらって、そのたびに、俺は何も覚えていない」
「何を言ってる?」
「小柳くんは、何度も俺を見つけている」
違う。
俺が探したのは、一度だけだ。
少なくとも、俺の記憶では。
星導は苦しそうに目を閉じた。
「ここに来る前にも、俺は小柳くんに会いました。ずっと前にも。もっと前にも」
「そんな記憶、俺には――」
「小柳くんには残らないんです」
星導の声が、ひどく穏やかだった。
「俺が忘れるたびに、小柳くんの記憶も最初に戻るから」
意味がわからなかった。
わかりたくなかった。
「嘘だ」
「嘘じゃないです」
「じゃあ、なんで俺は覚えてない」
「覚えていたら、壊れるから」
星導は俺を見つめた。
「小柳は、俺を見つけるたびに、僕を好きになる。俺が忘れても、また好きになる。何度でも、最初から」
「やめろ」
「でも、それが終わらないんです」
「やめろ!」
俺は叫んでいた。
星導の肩が跳ねる。
怖がらせたくなかった。傷つけたくなかった。ずっとそう思っていたのに、感情が止まらなかった。
「俺は……一度しか、お前を探してない」
「はい」
「一度しか、見つけてない」
「はい」
「お前は、今ここにいる」
「はい」
「それでいいだろ」
自分に言い聞かせるように、俺は言った。
「それでいい。お前が覚えてなくても、また覚えればいい。俺が何度でも話す。何度でも、最初からやる。だから――」
星導は悲しそうに首を振った。
「もうすぐです」
「何が」
「僕が、またいなくなるまで」
窓の外で、雨が降り始めていた。
見覚えのある雨だった。
星導がいなくなった日と同じ、普通の雨。
特別でもない、どこにでもある雨。
その日の夕方、星導は消えた。
部屋の中には、飲みかけの水が残っていた。
読みかけの本が開かれていた。
片方だけ脱いだ靴下が、床に落ちていた。
机の端には、使いかけの目薬。
何も変わっていなかった。
ただ、本人だけがいなかった。
*
また探し始めた。
警察に連絡をして、関係者に知らせて、最後に確認された場所を調べて、駅を回って、街を歩いて、知らない人に写真を見せた。
何ヶ月も前と、まったく同じことをしている。
俺はそのことに気づいていた。
なのに、誰も気づいていないようだった。
俺以外の誰も。
「小柳さん、今日はもう――」
「まだ探します」
前にも聞いた台詞。
前にも言った返事。
雨の中を歩く。
足が痛い。
眠い。
腹も減っている。
それでも、止まれない。
止まったら、星導が本当に消えてしまう気がした。
あの山の中の施設へ向かう道も、なぜか知っていた。
何度も来たことがあるような気がする。
実際には、今回が初めてのはずなのに。
崩れた壁。
湿った廊下。
開いた扉。
古い椅子。
そこに、星導が座っている。
「……星導」
彼が顔を上げる。
見慣れた目が、俺を映す。
「どちらさまですか?」
胸の奥が、静かに裂けた。
それでも俺は、彼の前に歩み寄る。
「俺は小柳」
「小柳、さん」
「そう」
「僕のことを知っているんですか?」
「うん」
「どうしてここに?」
「お前を探してた」
星導は困ったように笑う。
「すみません。僕は、何も覚えていなくて」
俺は、彼の前に膝をついた。
伸ばしかけた手を、途中で止める。
触れていいのかわからなかった。
今の星導にとって、俺は知らない人だ。
知らない人間に触れられたら、きっと怖い。
「謝らなくていい」
俺はそう言った。
何度目かわからない言葉を。
「これから、覚えればいい」
「これから?」
「そう。最初から」
星導は、少しだけ安心したように頷いた。
「あなたは、僕の友達ですか?」
「……うん」
「仲がよかった?」
「かなり」
「そうですか」
彼は小さく笑った。
その笑顔を見て、俺も笑った。
たぶん、うまく笑えていなかった。
「じゃあ、これからよろしくお願いします。小柳さん」
「こちらこそ」
雨の音が、遠くで続いている。
俺は星導の隣に座った。
また話さなければならない。
出会ったときのこと。
初めてまともに話した日のこと。
くだらないことで笑ったこと。
喧嘩をしたこと。
仲直りしたこと。
俺たちが確かに一緒にいた証拠を、最初から渡さなければならない。
星導がまた忘れてしまうとしても。
俺のことを、何度でも知らない人として見つめるとしても。
それでも俺は、彼を探す。
見つける。
最初からやり直す。
何度でも。
何度でも。
――それが、終わらないのだとしても。
星導が俺を忘れるたびに、俺はまた彼を好きになる。
星導が消えるたびに、俺はまた探しに行く。
そのたびに、俺の中には何も残らない。
残らないはずなのに、胸の奥だけが、どうしても痛む。
まるで、忘れる前の俺が、ずっとそこで泣いているみたいに。
俺は隣に座る星導を見た。
彼はまだ、俺の名前しか知らない。
それでも、今はここにいる。
だから、それでいい。
そう思わなければ、きっと次の一歩を踏み出せない。
「星導」
「はい」
「帰ろう」
「どこへ?」
俺は少しだけ黙った。
帰る場所なんて、もうわからなかった。
俺たちが積み重ねた時間は、何度も失われている。
それでも、俺は答えた。
「俺たちのところへ」
星導は不思議そうに首を傾げたあと、ゆっくりと立ち上がった。
「……はい」
その返事だけで、また救われた気がした。
たとえ、それが一度きりのものだとしても。
たとえ、次の雨の日には、またすべてが消えてしまうとしても。
俺は星導の手を取った。
冷たい手だった。
けれど、確かに生きていた。
外へ出ると、雨が降っていた。
普通の雨だった。
俺たちのことなど何も知らない、世界でいちばんありふれた雨。
その雨の中を、俺たちは歩き始めた。
また、最初から。
「ぴょん、、、」
END
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本当に記憶なくしてたのは小柳だったらなみたいな馬鹿な妄想です
ネタ切れしそうなのでリクエストください
センシティブOKです
このカプリバ地雷じゃないのでどっちがどっちでもいいです
シチュあったら教えてください
今までみたいな普通の小説も喜んで書かせていただくのでリク欲しいです
ハピエン バトエン メリバ どれも大好物です
美味しいです
コメント
3件
なんでこんなに上手に物語を作れるのよぉ٩(′д‵)۶
うわ……読み終わりました。切ない、という言葉では済まない重さが残りましたね。 雨の描写がずっと同じように続くところが、まるで小柳自身が「同じループ」に閉じ込められているみたいで、ゾッとしました。それでも彼は「何度でも」星導を探すし、「何度でも」最初から好きになる。その執着が美しくもあり、痛々しくもありました。 最後の「本当に記憶なくしてたのは小柳だったらな」という一文で、全部の意味が反転した気がします。読後もずっと胸が締め付けられています。