◇◇◇◇◇
まず、ダニエラさんが帝王に即位したことを、伝えなければいけない。
「どなたか、ここに通信魔道具を持ってきてくれるかしら?」
これも近衛兵団が率先して準備している。
「あー!メヒカール帝国領主および代官の方、聞こえるかしら?
こちらは、ダニエラ。元ビスケット公爵領主よ!」
ここで、各領の点呼が取られ、全領の確認が取れた。流石に、帝国王城からの通信だけあって、応答に抜けはなかった。
「ふふふ。さすがね。この辺りは徹底されてるわね。よろしい。
では、緊急連絡よ。突然だけど、本日、帝王様が崩御なされました。みなさんでご冥福をお祈りしましょう。
そして、新しい帝王として、あたしダニエル・ビスケット改めダニエラ・メヒカールが即位したことをお伝えするわ。
これは、前第一王子、前丞相、近衛兵団長、ならび前公爵の満場一致で決定済みよ。
異議は受け付けないので、そのつもりでね。
今日はそれだけよ。
詳しいことは後日通知しますからね。
ただ、一言言っておくわ。
あたしの即位と同時に、奴隷と奴隷商人の廃止をするわよ。そのつもりをしておいてちょうだい。もちろん、それじゃ、困る国民もいると思うから、税制については見直すから、安心してちょうだい。
それじゃね。ビスケット領のカルロス、ナタリアは、残って!」
たぶん、各領主は混乱しているに違いない。
「カルロス!聞こえるかしら?」
「聞こえるよ!突然でビックリしたよ。」
「ふふふ。そうね。あたしもビックリしてるくらいだからね。
今から、解放軍の各拠点の隊長に伝言してちょうだい。全員引き連れて、ビスケット領に来るように。もう自由よ。あとはうまく説明しておいてね。」
「承知しました。新帝王様!笑!では!」
「あと、カシメロちゃん!解放軍拠点に向かった兵に戻ってくるように伝えてね。」
「わかった!軍のことは、俺に任せとけ!うまくやっとくわ。」
「ありがとね。よろしく!
あとは、この二人ね!まあ、しばらくは、拘束させてもらうわ。しっかりと反省しなさい。
処遇については、追って決めるわ。
連れていって!」
「あー、ユメくん!ちょっとハグさせてね!」
なんでやねん!とは思ったが、気持ちがわかるので、ハグさせてあげる。気が張ってたんやろね。
「ありがと!でも、これからよね。やっとスタート地点についたわ。ユメくんたち黒の軍団には、感謝しかないわ。」
「良かったです。お役に立てて。」
「あとね。厚かましいんだけど、各地の奴隷解放に協力して欲しいの。これってレイラちゃんしか出来ないことだから。」
「レイラ!いいよね?」
「承知★」
ここ、メヒカール帝国は、皇国、王国と比較して面積、人口は5分の1くらい。そんなに大きくはない。移動も比較的早く済みそう。
「でも、しまったわね。今後のことを決めないといけないけど、ナタリアちゃんがいないとなにもできないわね。」
「え?どういうことですか?」
「深い意味はないわよ。ビスケット領もあの子が全部取り仕切ってたのよ。あたしがなんか言うと邪魔みたいなんで。」
「あー、そういうことですか!ナタリアさんは優秀なんですね。」
「そうなのよ!とっても優秀なのよ。おすすめよ。まあ、あたしがすんごいアホって見方もあるけどね!ほほほ!」
「わかりました。ナタリアさんをここに呼べばいいですか?」
「ええ、そうだけど。また、往復するの?」
「あ!いえ、ナタリアさんはすでに黒の軍団なんで、違う方法です。じゃあ、行ってきますね。」
瞬間転移でナタリアさんのところに。
「あ!ユメくん!」
ナタリアさん、いきなり抱きつく。
密着!密着!密着!
「ナタリアさん!ちょっと長くないですか?」
「へへへ、バレちゃった?テヘペロ!」
「それじゃ、行きますよ。捕まっててくださいね。」
「はーい!一生捕まってま〜す!」
瞬間転移で、王城に戻る。
「ダニエラさん!ナタリアさんを連れてきましたよ!」
「お!帝王様じゃない?やったわね!」
「ナタリアちゃん!ありがとね!
ついによ。
まさか本当にこんな日が来るなんてね。
なんて日だ!!」
2人抱き合って喜んでる。泣いてる。笑ってる。
良かった。本当に良かった。
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