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それから少しずつ、ライはマナから逃げることをやめた。
完全に元通りというわけではない。
けれど、少しずつ会話は増えていった。
「ライ、今日一緒に帰ろ」
「うん」
「やった」
マナは嬉しそうに笑った。
帰り道。
二人の間に、少しだけ沈黙が流れる。
「……なあ」
マナが口を開いた。
「ん?」
「最近、前みたいに戻ってきた?」
「……そうかも」
「よかった」
その一言に、ライはマナを見る。
「そんなに心配してた?」
「そらするやろ」
「……ごめん」
「もうええって」
マナは笑った。
「俺、ライに嫌われたんかと思ってた」
「嫌いになるわけない」
思わず強い口調になった。
マナが目を丸くする。
「……そっか」
「うん」
「ならよかった」
その日から、二人はまた以前のように過ごすようになった。
一緒に勉強して。
一緒にご飯を食べて。
くだらないことで笑う。
でも、ライの中では以前と同じではなかった。
マナを好きだと自覚してしまったから。
***
ある休日。
二人で買い物へ行くことになった。
「これ、ライ似合いそう」
マナが服を手に取る。
「そう?」
「うん。着てみ」
「マナが選ぶの?」
「俺、センスええから」
「自分で言う?」
笑いながら試着する。
店の鏡の前で確認すると、マナが嬉しそうに頷いた。
「やっぱ似合うやん」
「ありがとう」
「じゃあ買お」
「え?」
「俺が選んだ記念」
「なんでマナが買うの」
「ええやん」
「駄目」
二人で笑う。
そんな時間が、ライには何より大切だった。
帰り道。
夕方の空を見上げながら、マナが言った。
「高校入学してから、毎日楽しいな」
「うん」
「ライと一緒やからかな」
ナギサノサナギ
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その言葉に、ライは足を止めそうになった。
「……俺も」
「ほんま?」
「うん」
「じゃあこれからもずっと一緒やな」
マナが笑う。
ライはその笑顔を見つめた。
そして思う。
いつか、この気持ちを伝えたい。
でも。
今はまだ、できなかった。
コメント
1件
読み終えたわ。第5話、めっちゃ良かった……! 「嫌いになるわけない」ってライが強い口調になるシーン、グッときたな。マナが「嫌われたんかと思ってた」って本音をこぼすところも切なくて、ちゃんと距離が戻ってきたのが伝わってきた。 買い物で「俺が選んだ記念」って服買おうとするマナ、優しすぎるだろ。でもライはもう「前と同じじゃない」って自覚してるから、この何気ない日常の一つ一つが特別に映るんだろうな。 「ずっと一緒」って約束したのに、まだ伝えられない想い……このもどかしさが青春って感じで、続きが気になりすぎる🔥