次の日、俺は早めに起きて学校に行く準備を始めた。
隣は昨晩の音が嘘みたいに静かだ。
(元貴…大丈夫かな?)
そう思いつつ俺は朝ごはんに食パンを食べた。
元貴と電車・バスが同じなのだが、時間が合わない。
だから、今日は早めに起きて余裕を持っている。
つもりだったが…
いつの間にか寝落ちしていて俺が目を覚ました頃には10時を廻っていた。
起きてから1~2分頭は停止していたがすぐ理解して「やばい、やばい」と声を漏らす。
すると、ドンッドンッと隣から音がする。
俺は、固まった。
だが、(元貴は学校だろ)と思う自分への安心を持った。
だけどそれとは裏腹に(もし、違ったら?)
と思う不安感にも襲われた。
確認を直ぐにしたいが「あの男」が居る。
焦りと恐怖から体が部屋を回る。
すると、隣からドアの開く音がした。
「あの男」がどこかへ行くのを確認した。
俺は、急いで元貴の家に行った。
鍵は掛かってなくすぐに扉は開いた。
🎸:お邪魔します〜!…うっ!
玄関に入った途端、凄い匂いがした。
腐ったような、トイレのような臭い。
鼻がまがりそうな匂いが家を纏っていた。
俺は鼻を押えつつ元貴の名前を呼んだ。
🎸:元貴ー!居るんだろ?返事しろ!
数回呼び続けていると元貴の部屋から音がした
俺はロックをして扉を開いた。
そこには身体を丸めて全身肌を見せた元貴がいた。
そして身体や顔にはたくさんのアザや火傷があった。
俺は元貴の姿を呆然とみていた。
🎤:わかぃ…かえってよ…
弱々しく発言する元貴にやっと理解した。
俺は元貴の視線を合わせるためしゃがみ込む。
腕を伸ばすと元貴の身体は震えていた。
🎸:…元貴。俺と一緒に引っ越さないか?
無意識だったんだと思う。
急に言った発言に元貴は涙目で俺を見つめる。
🎤:なんだよ…w急に。
冗談と思ったのか少し笑顔を見せる。
🎸:本気だよ。
俺の表情がどうなっているのかは分からない。
だけど、元貴は俺の顔を見て本気だと気づいてくれた。
🎤:ありがとう…。
元貴は少し寂しそうな悲しそうな笑顔でそう呟いた。
俺は、今日から家を探そうと言おうとしたら
急に玄関の扉が開いた。
「あの男」が帰ってきた。
やばいと思い隠れようとしたが彼は気づいていた。
いつの間にか元貴の部屋に来ていた。
🧑🦰:は?お前何してんの?
片手には酒を持っていた。俺は元貴を背後で隠す。
🎸:少し、友人が心配だったからきた。
そう言って強ばると男は俺に酒をかけてきた。
酒の勢いと臭さで俺はよろめき座り込む。
その瞬間に男は元貴の首を掴んで思いっきり締めていた。
ゴリュゴリュと骨が締め付けられる音が聞こえてきた。
俺は、目を開けると元貴は持ち上がるほど締め付けられて元貴の喉からはヒュッヒュッと音がしていた。
俺は助けようとそいつの足を掴むが案の定蹴られる。
元貴は泡を噴いて失神。
男は元貴を抱えてこの家を出ていった。
それが、俺と元貴の最後の関わりだった。
コメント
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だぁぁ、もう蒼が天才過ぎて辛いっ!! こういうダーク系本当にどタイプ💘
// 感動しちゃぅ …、 笑
2人が幸せになれますように!