「えー、ではこれから1年間の流れを大まかに言っていくぞー。
(まじか…)
「まず、5月、体育祭だ。1年は…これは言っちゃダメか。すまん、なんでも無い。次、6月、1年は、修学旅行だ。」
『イェェェェーーーーーーーーーイ』
クラス中が、興奮状態。
「まじか!?」
「やったー!」
「おっっしゃあぁぁ」
「一緒に…」
「静かに!」
『!!』
声を上げたのは、渡川輝正だった。
「あ、えーっと、スウウウウ、失礼しました。」
ハア、と担任の石川がため息をした。
「いいか、こんな事で騒ぐようだったら、この先苦しいぞ。興奮するのはいいが、声の音量は気をつけろ。」
『はーい…』
フウと息を吐き、頭を掻きながら石川先生は続けた。
「7月、…なんだ…あぁ、7月は球技大会だ。」
(球技大会…か)
桃瀬は、頬杖をつき、石川先生の説明を聞いていた。
「えー、9月は、学力診断だ。」
『えぇー…』
(まじかよ…)
桃瀬だけでなく、保住もたった今、頭を抱えたところであった。
「10月、文化祭だ。」
『わーい!!』
皆の声のトーンが、急に高くなった。
「静かにしろー、…11月は、マラソン大会だ。」
『えぇ〜…』
「そう悲しむな、12月には、オープンスクールだ。新1年生の学校見学がある。」
(12月かぁ、先のようでもうすぐのようだ。)
「1月は、特に無い。2月は、音楽会で、1年全員で合奏する。3月は、1年卒業だ。」
(後、11ヶ月後…)
これから、桃瀬の、11ヵ月に渡る、山あり谷ありの恋路が始まるーーー。
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