この世界へ「さようなら」
今まで住んでいたこの世界への感謝をしながら私は橋から飛び降りた。
耳に響いてうるさかったサイレンの音はこの濁流に飛び込んだ途端聞こえなくなった、茶色に濁った川は思っていた以上に冷たく息がしづらい。
溺れて死ぬのってこんなに辛かったんだ、やっぱり何とかって言う偉人が睡眠薬使って死んだのは頭良かったんだな…。
雑音が聞こえない…、
聞こえるのは心臓の鼓動だけ…。
雑音は止まない
部活終わり教室に忘れ物をしたと思い出す
教室に向かう、廊下には女子の笑い声が響く
同じクラスの女子の声だった
聞き耳をたてたくてたてたわけではない
聞こえるのは教師が無能だとか、教師がイヤらしい目で見てくるなど。
『うるさい』
雑音が止まない
頭の中で繰り返される
『◯◯◯◯』
何も聞こえない
心臓の音が先程より大きくなっている
もう何も聞こえない
最後にお父さんお母さんこの町そして世界へ「さようなら」
「おはようございます」
先生が続けて言おうとしている事が空気を淀ませる。
「皆さん知っていると思いますが◯◯さんの遺体が先日発見されました。」
泣いている者は私を除いて誰も居ない
私の隣の席には、誰も居らず花瓶がおいてあった。
「聞きたくない人が居るかもだが◯◯さんは教師からの性的暴行を加えられその後自殺した、そんな事が身近で起こっていたら親や他の先生に相談し……」
誰かに相談出来なかったのかもしれない、だけど私にはSOSは聞こえたそれもハッキリと第2美術室から…。
今日は川が反乱する程雨が強かったので午前中に学校が終わった…だが私は川に向かったあの子の死んだ川へ…。
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