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「暑っつ…」
ギンギラに照らす太陽。この時期といえば…
恒例の…夏合宿
「わ〜い!海だ〜!!」
相変わらずテイオーは元気だ。けど、今年の夏合宿は…チーム合同でやることが多くなる。
「よう三井!合同よろしくな!!」
「沖野トレーナー、こちらこそよろしくお願いします!」
キタサンがいるスピカ、ダイヤがいるカペラ、フレイムがいるスクーデリアの合同練習が始まる!!
「合同練習でのサポートは私がやるから!」
トレーニングをしながらサポーターもするローマ。多忙だな。
「ローマ大丈夫?私もサポート…手伝おうか?」
「大丈夫だよユリノ先輩!けどありがとう!!」
「けど、無理しないでね!」
「…ふふ、了解!!」
(純白の帝王、ユリノテイオー…)
「フレイムさん!」
「キタサン?」
突然の笑顔に戸惑ってしまうフレイム。惚れてしまう…
最初は山道を走るスピードトレーニング。途中でスピードを出してしまうと止まらなくなる箇所がいくつかある。
「さて、この暑い日にスピードをどう活かすかだな…」
「スピードを出してもいいけど、出しすぎてもダメだからね、スペ先輩達もそうなったことがあるから」
「そうね、私も同じような事があったからね」
「”止まれなぁ〜い”って言ってたし」
「それは…」
あの時の恥ずかし出来事に苦笑いのスズカ
「あの…僕本当に合同練習に参加してもいいのかな?」
「気にすんな、ローマさんからお願いされたんだから楽しくいこうぜグラン!」
こうして、スピードトレーニングが始まった。
「「「「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、」」」」
(市街地の坂と合宿所の坂全然違う、高低差がヤバすぎ!!)
普段路地で走行専用の所を走っているが、自然いっぱいの道はまるで峠、脚の動きも鈍くなる。
「フレイム、結構きついけど、菊花賞勝つならこれくらいは乗り越えないと!!」
「…菊花賞…勝つため…」
そう思うと、脚が少しだけ軽くなった気がした。鈍さも少ない。
「え?!フレイムさん!」
「キタサン、ダイヤ、脚が軽くなったような気がする!」
「まだ序盤だよ!私も負けないよ!」
「私もよ!」
「クラウン?!グラン?!」
「フレイムさんの…後ろを走れる…見習いたいんだ!」
「…じゃあ、フィニッシュラインまでついて来れるか?」
その後も少しペースをあげたフレイム達。後ろを走っていたローマ、テイオー、マックイーンは微笑んでいた。
「なんかキタちゃん達楽しそう!」
「えぇ、仲間がいることで競う事も大切ですからね」
「ローマは自慢の後輩を見てどう思う?」
「うーん、負けてられないね!」
「え?」
「だって…私と同じレベルになって走ってみたいし、もしかすると越すかもしれないから!」
フレイムは持ち前のスピードや戦略を実行する堅実派。ローマを超えたいと思う事もあるかもしれない。
「フレイムに超されたらローマ最強じゃ無くなるじゃん!」
「でも、超えて欲しいんだ!」
(それが二つ名の強さですわね!)
スピーカーで注意を促す三井。この先は急勾配の真っ直ぐな下り坂があり、ハイスピードで走ってしまうと止まらなくなる。
だが、注意を促したのにも関わらず、1人のウマ娘が…
「え?スズカ先輩?!」
最強逃げウマ娘のサイレンススズカがハイスピードで先頭になった。この勢いだと…
(スズカ先輩、このスピードじゃ止まれないよ!!)
それに続こうと他のウマ娘達もハイスピードになってしまった。
「なんでハイスピードなんだ?下り坂だけど?」
「けど、置いてかれない?!」
「すぐに追いつかないと!」
キタサン達も後に続いた。どうしようかと迷ったが…
(あ…これ止まれなぁーい再来か?)
テイオーも後に続いた。注意促したのになぁ…
マックイーンとローマは様子を見ていた。この勢いで行くと止まらない可能性があることは知っている。
先頭のスズカはスピードを上げている。この先のカーブで減速しようとするが…
「あっ!!」
なんとかスピードを落とすが…
「キタちゃんどうしよう!止まらないよ!!」
「私も止まらないよ!!」
「俺も止まらねぇ!!」
スピードを上げたスズカ達はこの先のカーブで曲がりきれず、一直線に森の中に入ってしまった。
茂みの中で先が見えない。どこまで続くかと思ったら…
ものすごい勢いで海に入り込んだ。
合宿所
「あれだけ注意促したのに…」
「すみません…」
「…スズカ先輩も、走りに夢中になると大変ですよ!」
「ごめんなさい…つい…」
グルーヴ先輩もこんな事になると大変だと思った。
当然キタサンやダイヤ、フレイムなどのウマ娘達も同じ。
「フレイムもキタサン達も、タイミングは完璧だけど、今はレースじゃないからね!木に当たってたら大変な事になるから!」
「「「すみません…」」」
「…けど、フレイムの”止まれなぁーい”が出た時、ちょっと笑っちゃった」
「…そこは忘れてもらえるといいんですけど!」
普段はクールでカッコイイフレイムだけど、こんな一面もあるんだね!
浜辺
フレイムはウマ娘達が別のトレーニングをしている浜辺にやって来た。
「…ディスティニーアイランドもこういう感じだよな」
夢にしか行けない架空の世界。未だキタサン達を連れていったことがない。
「合宿、楽しい?」
「ダイヤ…楽しいぜ!」
「それは良かった!フレイムさん初めてだよね!」
「まぁな、ダイヤだって何回も来てるし、それにディスティニーアイランドみたいな風景だから」
「そうですね!」
「俺、海こんなに近くで見たの初めてだったし、行きのバスで興奮しちゃってな」
※合宿所行きのバス車内
「つい子供みたいになっちゃってたもんな…!」
「分かるよその気持ち!私も初めて来た時、はしゃいじゃったもん!」
「キタサンも同じだっただろうな!」
「かもね!そろそろ戻ります?」
「そうだな、時間だし!」
その後も、チーム合同練習を再開し、終了したのは17時ぐらいだった。
合宿所
フレイム達の部屋
「いや〜疲れたな!」
「だよね!暑さも違うしヘトヘト…」
慣れない暑さにハードなトレーニング。何回も行ってるキタサン達も慣れない大変さ。
「フレイムさん疲れてるはずなのに平気な顔だね」
「こう見えても疲れてんだ、顔に出てないだけ」
「凄いな!イケメンアイドルみたい!」
「…俺たちライブもやってるから同じだろ」
「あはは…そうだったね」
辛くても、顔に出さないのがアイドル。ファンの皆は分かる人や分からない人も多くいる。
「ちょっと外出てるわ」
「どこに行くの?」
「…絶景撮りに!!」
辺りがオレンジに染まっている夕方。日が沈みかけている。
水平線から消える夕日。中々見れない絶景。
フレイムはたまらずシャッターを押した。
※多分こんな感
「…綺麗ですね、海に沈む夕日」
突然、不思議なウマ娘が現れた。
「君は…」
「…アストンマーチャンです」
アストンマーチャン
スカーレットとウオッカの同期。不思議な所がいっぱいあり、カメラなどがあると、映り込む都市伝…いや、そのような性格なのだ。
「アストン…マーチャン?」
「マーチャンは、有名なマスコットになりたいんです」
「マスコット?有名な?」
何を言っているのか分からない。マスコットで有名になりたい?
「有名になりたければレースで勝って強さを示すしかないだろ」
「…マーチャンはそんなに強くなりたいなんて思っていませんよ」
「…何を言っているのかさっぱり分からん!」
ますます分からない。強くなりたくない?ごちゃごちゃだ!!
「でも、マーチャンが怖いのは…忘れられてしまう事です…」
「忘れられてしまう…?」
そういえば、以前スカーレットがそう言っていた。
7月中旬
ローマとフレイム、さらに偶然一緒だったスカーレットと校外の併走をしていた時の事…
「はぁ…はぁ…ありがとうスカーレット!」
「いえ、いいトレーニングになりました!」
「これでカッコつけのライバルに一本先にこせそうだな!」
「えぇ!絶対私が1番よ!!」
「じゃあ休憩して…ん?」
1人のウマ娘が1匹の鳩に夢中になっていた。
「…マーチャン?どうしたのその鳩…って、その子…!」
その鳩は…亡くなっていた。
「…そうですね、ホワホワさんは海に行ったのですね…」
「ひとまず行こう…」
「けど…え?!」
マーチャンは既にいなくなっていた
「あの子名前なんて言うんだ?」
「アストンマーチャン、不思議な子なの」
「不思議な子?」
「…あの子、知らない間に…どこかへ行っちゃいそうな雰囲気があって、だから不安になっちゃうんです…」
不思議なウマ娘アストンマーチャン。知らない間に手の届かない所へ行ってしまう…
すると、マーチャンが人形を取り出した。しかも、自分自身の人形を。
「こちらはマーチャン人形です。こんにちは〜」
「…その人形どうしたいんだ?」
「人気になってお店に売るのが目標なのです」
ウマ娘の人形は、人気や強さなどがあると販売するようになる。フレイムも人形化している。
「…その人形、俺の菊花賞で勝ったらインタビューでそれを握ってやる」
「…え?」
「後押ししたい、マスコットになりたいなら少し協力するぜ!」
「…ありがとうございます!」
遠くにキタサンが呼んでいた
「…待ってください」
「え?どうした?」
「…これをあげます」
渡されたのは、マーチャン人形だった。大切なものなのになんで?
「…いいのかよ、大事な人形なのに」
「大丈夫です。なぜなら…フレイムさんは強い…勝ってくれるとこの人形が言っていたのです!」
「…期待に答えられるか分かんないけど、やってみる。菊花賞見てな!」
夕日が沈む浜辺に誓った約束。果たしてやるとフレイムは思った。
合宿所
ローマ テイオー マックイーン達の部屋
「ねぇねぇ二人とも!」
「何テイオー?」
「明日の練習の後、海で遊ばない?」
「テイオーさん、遊びに来たわけではありませんのよ」
「え〜…」
「まぁそのうち遊ぶと思うから!海でエンジョイしちゃおう!」
「ローマさんまで…」
「じゃあ何して遊ぶ予定立てようか!」
「ビーチバレーもしたいな!」
ローマとテイオーは、密かに遊ぶ時間を考えていた。
ローマはトレーニングのサポート頑張れよ!!