夏合宿期間の最中…
テイオーのアタックが凄い!!
「手加減なんてしたら勝負にならないよ〜!!」
手加減してもいいけど…本当の勝負の世界は手加減など存在しない
三井もローマもフレイム、違う勝負の世界は手加減なし。
「テイオーはいつも元気ですね」
「まぁな!あの時からだいぶ変わったよ!」
「トレーナーもやろう!ルージュ達も参加するみたいだよ!」
「あぁ!」
「ふ〜、動いたから疲れたな…」
「あら?もうお疲れかしら?」
「なんだよラモーヌ、煽りかよ…」
「メジロたるもの疲れ顔は表に出してはならないはずよ?」
「出してね〜よ…ラモーヌも体操服着てるけどこれからトレーニングか?」
「えぇ、小柄で気品のあるダイイチルビーとトレーニングよ」
ダイイチルビー…そういえばミラクルと同室だったよな?
「…途中で飽きんじゃねぇぞ」
「まぁ、せいぜい楽しむはずだから」
ラモーヌは興奮する様な走りを常に求めている。それより下の場合はすぐに飽きてしまう。
当然オーラも凄く、圧に耐えられないウマ娘も多くいる。
「トレーナー、部屋で昼寝してもいいですか?」
「どうした急に?具合でも悪いのか?」
「いえ、1回寝た後トレーニングするので」
「まぁ…構わないけど…」
フレイムは昼寝をするため合宿所に戻った。
合宿所
(…合宿で疲れが…なぁ…)
(…ん?)
フレイムがいたのは夢の中。ステンドグラス…目覚めの園にいた。
けど、フレイムのステンドグラスではなかった。
「…ここは…これって?!」
ステンドグラスの中には…ダイイチルビーだった。ミラクルやヘリオス、更にはヤマニンゼファーの姿も。
「ダイイチルビーのステンドグラス…」
すると…
ルビーのステンドグラスは黒くなり、一瞬で見えなくなった。
あの時と一緒だった。闇に飲まれていったフレイムの時のように…
シュルルルルン!!
現れたのはハートレス…だが…大きさは恐竜並の大きさだった!!
巨大なハートレスに立ち向かうフレイム。今回はあの時のハートレスとは違う。
ジャキーン!!
ダメージを与え続けるフレイム。だが…
ハートレスの攻撃を避けきれなかったフレイム。ステンドグラスに直撃した
ジャキーン!!!
フレイムの空中攻撃が効いた!だが…
倒せなかった巨大なハートレス。ルビーの心の中が大変にならないといいと思うが…
飛び起きたフレイム、まだ14時半を過ぎた時間だった。
「フレイムさん起きた!」
「…キタサン、ずっといたのか?」
「いや〜…私も寝ちゃってて」
「浜辺でバレーやってよな、相当疲れただろ」
「私も眠くなって部屋に戻ったらフレイムさんも寝てて…けど、フレイム苦しそうに寝てたよ?」
「苦しそうに…あっ!!」
「どうかしたの?」
「…俺、夢で巨大なハートレスと戦って…倒されそうになったんだ」
「けど…途中で消えたから…なんとか免れた…あ!!!」
「…え?!」
突然の大声に驚くキタサン。すると、フレイムが走って部屋を後にした。
ダイイチルビーのステンドグラスは黒く染まったまま、となると…
合宿所近くの草原
恐らくここでトレーニングをしてると思ったフレイム。ラモーヌとルビーを探した。
「はぁ…はぁ…はぁ…どこにいるんだよ…」
すると…誰か走っているだろうか…足音が聞こえた。
「…あそこか!!」
フレイムが足音が聞こえる所を頼りに走った。すると…木々が途切れた。
「広い…草原だ」
広い草原にでた。木が一本も生えていない広々とした場所だった。
すると…向こうでラモーヌとルビーがいた。
(何を話しているんだ?)
茂みに隠れたフレイム。ラモーヌ達の会話を聞いていた。
「…オークスと同じ”2400m”でいかがでしょうか」
(え?!2400?!けど、ダイイチルビーって…)
短距離、マイル路線が得意なはず。ラモーヌに勝てばそれなりの実力は凄いと思うが…結果を予想しても、厳しいはず。
「…よろしくてよ、始めるとしましょう」
二人は並んで、走り始めた。
(最初は着いてきてる…けど終盤だと…)
「フレイムも見に来たの?!」
「…ミラクル?!」
偶然にもミラクルも見ていた。ミラクルも同じ短距離、マイル路線で活躍するウマ娘。未知の中距離をやったとしても…
「はあ、はぁ、はぁ、はぁ」
「やっぱり離される…」
「2400だとダービーと同じ距離を走っているようなもんだから、スピードを活かしてもスタミナが無いと…」
その後、二人はゴールインした。結果は歴然…
「…ふぅん」
様子を見るラモーヌ…
「…っ!!」
やはり厳しかった。中距離を走っても、離されてしまった。
「駄目よ、飢えたからって…なんでもかんでもかみついてきちゃ」
輝きのある走りを見てきたミラクル。ラモーヌの言葉に納得がいかなかった。
「…”つまらない走り”なんて言わせないよ!」
「…すまないミラクル、俺が後でラモーヌに伝えるから…っ!!」
(っ!なんだよ…!いきなり…苦しい!!)
突然の痛みがフレイムを襲った。ゆっくり目を瞑ると…
「…目覚めの園、ルビーのステンドグラス!」
ステンドグラス…更には…
「え?ルビー?!」
走る姿のルビーがいた。走ってる先に光の道があった。その行く先に目掛けている。
だが…
フレイムが倒そうとしていた巨大なハートレスに塞がれていた。
フレイムの持っていたキーブレードが強い光を放って、別の形のキーブレードになった。
赤と黒のキーブレード…アルテマウェポンだった。
巨大なハートレスは一撃でダメージを大幅に食らった。この勢いで!!
次々に攻撃をした。すると…
黒を基調とした勝負服が、白になって、持っていたアルテマウェポンが虹色のキーブレードになった。
アルテマウェポンは連続攻撃ができ、大ダメージを食らうことが出来る。
周囲にレーザーを放ち、巨大なハートレスは消滅した。
立ち止まったルビーは呆然としていた。
「…ん?」
「…よかった!目が覚めた!!」
「ミラクル…?ルビー…ラモーヌ…?」
「貴方が突然現れて、さらに倒れたのよ」
「倒れた…そうだっけ?」
覚えていないらしい。ゆうなれば、ハートレスと戦っていたことは覚えていた。
「あれ…どうなったのこの後?」
「え?覚えてないの?!」
「練習どうなったんだ?」
「…いい走りをしてたわ」
※回想
「駄目よ…なんでもかんでもかみついてきちゃ」
「…!!!!」
「…こうなるなら、さっさと車を出しておけば良かったわ」
「待ってください!!」
「ミラクルさん…」
「突然のお邪魔ね、なんの用かしら?」
「ルビーと…もう一度勝負してください!」
「嫌ですわ、退屈だもの。それとも…私を納得させる自身がおありなのかしら?」
ラモーヌのオーラが凄いせいか、とてつもない圧を感じるミラクル。
今にでも挫けそうだが…
「ルビーは、つまらない走りをしない華麗なる一族なんです!!」
「つまらない走りをしないなら、今さっきの走りはなんだったのかしら?」
「それは…!」
「フレイム…!」
俺には分からないけど、ミラクルがこんなにルビーの事を分かってくれている。嘘なんかじゃねぇ!
「楽しく練習してるかと思ったら、全然つまんねー練習だな」
「あら?随分喧嘩腰ね」
「ルビーは中距離レースでの勝利は無い…無理に挑もうとしはずだ」
「…フレイムさん」
「なら、桜花賞1600でどうだ?」
戦略的にもティアラで走れそうなのはこの距離しかない。
「ルビー、1度目を瞑れ」
「…はい?」
「ルビーが走っている光の道、今は壁が立ちはだかっている…乗り越えられなかったら俺が手助けするさ!」
壁…つまりフレイムが心の中で戦っていた巨大なハートレスだった。
「…ルビーさんも貴方もフレイムも、自身がおありなようで?」
「スピードを活かすならこの方がいいだろ」
「うん!おれもそう思う!」
「…フレイムさん、ミラクルさん」
ルビーはまた、ラモーヌに練習の相手をしてもらった。
「…すまないミラクル…俺…」
「…フレイム?!」
その場で倒れたフレイム、ルビー達は気づいていない。
ものすごいスピードで走るラモーヌ。だが…
(今の私には、この壁を越えられていない…)
(フレイムさん?!)
(凄い!今までの走りでルビーが輝いて見える!!)
この輝きを盛大に放ったルビー。けどラモーヌには越えられなかった。あと一歩だった。
「…残念、私の勝ちね」
「「……」」
「最後のスピード、貴方の武器なのね」
「私の…」
「けど、満足までにはいかないが…あの脚を磨き続けた貴方となら…また走って走って差し上げますわ」
磨き続けてきたあの脚をラモーヌが認めた。
光のように輝く速さを。
「…フレイム?!」
「えぇ〜見たかったなルビーの走り!」
「あの速さを見逃すなんて、ありえないわ」
「合宿疲れが出たかもしんね〜」
「…フレイムさん、夜時間空いてますか?」
「空いてるけど?」
何が言いたいんだ?俺なんかやったのか?
疑問に思うフレイムだが、ルビーの走りを見逃したわけがないとわかってしまったのか?!
嫌な予感しかしない…
夜
「…話って何?」
「…何言ってるんだよ!見逃したって言ってたじゃん!」
「…悪かったな、心の中でルビーがハートレスに光の道を邪魔されて、俺はそいつを倒してやっただけ…」
「…ハートレス?」
「…人の心を奪う存在で…俺キングダムハーツ大好きだから…」
「…でも、フレイムさんとミラクルさんがあの時来てくれませんでしたら、私は走るのを辞めていたかもしれません」
「…ラモーヌさんのオーラに圧倒されながらも話し合ってくれたミラクルさんに、乗り越えられない壁を後押ししてくれたフレイムさんに…感謝しています」
感謝…今までそんな事言われたこと無かったけど、こんなに心が…
「いやいや…ルビーの走りを認めてくれたのも凄いことだし!」
「…フレイムさんも菊花賞出走しますよね?」
「もちろん!ローマさんみたいになりたい!メジロとして初めての無敗の三冠取ってやるって!」
無敗の三冠、何度も言ってきたことだ。ローマさんに憧れて、コンプレックスを抱えながらでも、挑戦してやるって!
応援された挙句、国宝級の笑顔を見せるルビー。思わずフレイムの顔が真っ赤になる。
「あ…あぁ頑張る!!」
その後、二人は色々な事を話した。すっかり仲良くなったけど…
フレイムはルビーの笑顔を一生忘れない事になってしまった。
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