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『あ、ハナフダさん!見てくださいよこれ!』『慌ただしいぞゴビ!どれどれ?』そう言いハナフダはゴビから渡された新聞に目を通す。
(アラバスタにてカクタス海賊団壊滅、この一大事件を引き起こした救世主は海賊ルーキーのサー・クロコダイルだった。 尚カクタス海賊団の船長キンシャチは逃亡したとのこと。)それを見たハナフダは『なるほどねぇ、七武海か…』と言い新聞を手元に置いた。
『どうします?いっそのことクロコダイルをぶちのめすために行き先をアラバスタに変えますか?』『そんなことしねぇよ、行き先は変わらずメルヴィユだ』そう言われたゴビは少し渋った顔で『面舵いっぱい!』と声高らかに叫んだ。
『そういやゴビ!つい最近クロコダイル以外にもう一人七武海になったやついたよな!?』『あぁ、ライチョウっすね!確か金獅子がインペルダウンに投獄されてから1ヶ月後くらいにでしたね!』ゴビは山積みになった新聞からその頃の記事を取り出してハナフダに見せた。
『懸賞金7億6100万ベリー、七武海ではあるが、どこに居を構えているかは海軍本部も掴めていないんすよねぇ』『そんなやつが七武海とは海軍は気でも狂ったか?』ハナフダはその記事をみて苦笑いすると少し真剣な表情になる。
『どうかしたんすか?』『いやコイツの髪の色なんか見覚えあるなって』ハナフダは少しばかり考えたが特に何も思いつかなかった。
一方、インペルダウンにて〜
『海賊に警備をさせるとは余程人手が無いんだろうな』『す、すいません!本当にどうかお願いします』ライチョウの側にいる海兵は怯えながらそう言った。
『任せとけよ、新しく七武海になったクロコダイルを選ばずに俺を選んで正解だったと思いな』そう言うとライチョウはある牢屋の前で立ち止まる。
『こ、ここがシキの檻です』『へぇ、やっぱ檻の造りはちゃんとしてんだな』そう言いながらライチョウは檻に触れた。
『では、私は案内役ですのでこれにて…ん?鍵が!?』驚いた海兵の視線の先、そこには翼を生やし宙を舞う鍵があった。
バサッ!シャキン!『ありがとう、もうお前は用済みだ』そう言いライチョウは牢屋の鍵を開ける。
『久しぶりだな親父』『助かったぜライチョウ』シキはライチョウの肩をポンポンと叩く。
そこへ異変を察知した海兵たちが駆けつけた。
『な!?シキ!?うおぁ!』『獅子威し・地巻!』しかしシキはその海兵達を一掃する。
『じゃ、後は手筈通りにな、親父』『あぁ、地上で再会しようぜ』そう言いシキとライチョウはその場を後にした。
それから数日後ハナフダの船にて〜
『金獅子が脱獄しただと!?』『牢屋を開けたやつの証拠もインペルダウンが崩壊したからないらしいっす』驚くハナフダに対し、ゴビは淡々とそう言った。
『どうしたんだお頭?』『なんかあったんだか?』そこへ二人の大男がノッシノッシと近づいてきた。
『おぉ、ハンマ、スパイク、金獅子が脱獄したんだよ!』それを聞いた二人は大して驚きもせず『へぇ〜そうなのか』と返すだけだった。
(なんだよ、コイツら)ハナフダは心の中で愚痴りながらもぐっと堪える。
『そういやお前ら前のワノ国で戦ってからちょっとは懸賞金は上がったのか?』『もちろんすよ!』そう言いゴビは手配書を見せる。
デイノ兄弟、スパイク、ハンマ、それぞれ懸賞金3億1100万ベリー。
ゴビ、懸賞金1億6900万ベリー。
『結構上がってんじゃねぇか』それを見たハナフダを嬉しそうにそう言った。
『この感じでどんどん勝ち進むどぉ!』ハンマが威勢よく叫ぶ。
『そうだな…ん?なんか飛んできたぞ!?』ハナフダが目を向けた先には鳥のような物がこちらへ向かって飛んできていた。
『鳥じゃねえ!砲弾だ!だがどうして翼なんて生えてやがる!?』それを見たスパイクが目を見開いてそう叫んだ。
『とりゃぁぁ!』ゴビは両手に短刀を持ち二つ砲弾を叩き斬った。
『ナイスだど!ゴビ!』ゴビに続き今度はハンマがスレッジハンマーで一つ砲弾を打ち返した。
ヒラヒラ…『ハナフダさん!なんか落ちてきますよ!』ゴビがそれを掴み取る。
『なんだ手紙か?』ハナフダはその手紙を見ようとゴビの手元を覗き込む。
(メルヴィユにて待っている、レックス海賊団)『おいおい、もしかして今のメルヴィユから飛ばしてきたのか!?』それを読んだハナフダが空を見上げ叫ぶ。
『ここから後1日くらいかかる距離からか…今夜は寝れそうにねぇな』スパイクが言った通りその日は昼夜問わず、翼を生やした砲弾や毒矢などが飛んできた。
『にしても誰がこんな攻撃してくるんだか?』突如ハンマが疑問を浮かべる。
『今までの攻撃を見る限り何かの能力者であることには間違いねぇな』そう言ったスパイクは前方に島のような物を捉える。
(なんだ?メルヴィユまではまだ距離がある、航海図にも何も載っていないぞ…?)そう思ったスパイクは目を凝らしてその方向を眺めた。
『おいおい…嘘だろ!?お前らぁぁ!城が飛んで来るぞー!!』『ヤベェマジだ!大砲放てぇ!』ヒュー!ドン!『全然効いてねぇど!もっとだ!』そう叫ぶと同時にハンマもスレッジハンマーを構える。
『ハンマちょっと手貸せ!』『了解だ!兄貴!』二人は横に並び得物を構える。
『二頭龍!』そう言い二人は息を合わせて斬撃を繰り出した。
シャキン!ガラガラ…『よっしゃ斬れた!ん?やべぇ!残骸が!』ゴビがそう叫びハナフダも空を見上げると城の残骸が落ちてきていた。
『任せておけ』そう言ったハナフダは大きく跳び上がると棘鉄球を振り回した。
ガン!パラパラ…金切音と共に城の残骸は小石へと変わっていく。
『危ねぇ〜』ヘトヘトになったゴビはその場に腰を下ろす。
『ありがとなお前ら』ハナフダから空中から跳び降りると船員たちを労った。
『矢や砲弾と同じ翼が生えていた、恐らく今のもメルヴィユから…』スパイクは小さくなった城の残骸を見てそう言った。
『あ!見えてきましたよ!メルヴィユ!』それを聞いたハナフダは船頭へと駆け寄る。
『島の奥に大地が削れた跡がある、恐らくあそこにさっきの城はあったんだろうな』そうしてレックス海賊団はメルヴィユに碇を下ろした。
『おい?なんだありゃ?動物たちが飛んでやがる』『ほんとだな、ゾウにシマウマにパンダもいるど』そう言いハナフダ達は浜辺から森の方へと入っていく。
ヒュン!『おいおい、ヤシの実まで翼ついてんのか!』そう言いつつもスパイクはノコギリでそれを叩き割った。
『少なくとも島の奥地までの道は整えられてるようだな、これを辿っていこう』そう言いハナフダ達は島の奥へと入って行った。
一方、メルヴィユのとある城にて〜
『チッ!さっさとくたばればいいってのに!親父が帰ってくるまでになんとかしねぇと!』イライラしながらライチョウは側近に指示を出す。
『ヤマドリにぶちのめすよう言って来い、俺も後から出る』『承知しました』そう言い側近はその部屋を後にした。
その後側近はのヤマドリ元を訪れた。
『ライチョウ様から敵を潰せとのことです』『人使いがずいぶんと荒い者だな』そう言いヤマドリは渋々と立ち上がった。
『まぁちょっと斬り伏せてくるわ』そう言いヤマドリはカツカツと足音をたてながらその場を去った。
『お前ら金獅子のシキ復活のためになんとしてでもあいつらぶちのめすぞ!』『おう!』鬼ヶ島で困難を乗り越えたレックス海賊団に新たな脅威が迫っているのであった。