「もう寝るの?」
「うん、寝る」
そう言うと、あなたはあからさまに落ち込む。
まだ12時…と隣から小さく声が聞こえると同時に、その声の持ち主は布団にダイブしてため息をついた。
「なに、眠くないの?」
「眠くないし、……、眠くない」
言いかけていたであろう言葉の内容はわかるが、わざと言わせたりするほどs攻めをしたい訳では無い。
ただちょっと、ほんのちょっとおちょくってみたいだけ。
わがままかもしれないけど、最近甘々な時間が少なくなってきて、あなたはそれでもいいかもしれないけど俺は全然良くないの。
それに、成長してきてゆったりと過ごしたいんだろうけど、俺はもっと色んなことしたい。だから沢山キスしたりハグしたりしないと、エネルギー充電できない。
今日は、待ちに待った「今日はジョングガにいっぱい甘えたいな」って言う日ぽいから、それを狙ってとことんいちゃついてやる。まぁ俺は毎日そうなんだけどね。
もちろん俺からいってもいいんだけど、拗ねからの甘えほど可愛いものは世界探してもないからそれを狙ってみようと思う。
ちょうどいいことに、テヒョンアは拗ねやすいし甘やかすとすぐに太陽みたいに笑う。
昔はいつもそうだったし、多分今も変わんないからそれがいいよね。
「ねぇ、まだ起きてようよ」
「ふふ、そんなに?」
ほんとに寝たくないんだな。
このまま焦らし続けてみれば、なんかしてくるはず。
期待に胸を踊らせていると、背中に肌の密着を感じた。
それと同時に胸元に腕が周り。首筋に柔らかい感覚が。
待って…。
抱きつきとかめちゃくちゃ可愛いんだけど。
しかも首にキスされた。なにこれ寝かせないムードじゃん。
俺も寝たくないよ、このままずっといちゃいちゃしてたい。
予想はしていたものの、あまりの喜びに脳内がぐるぐると駆け巡る。
「や、じょんぐが…」
「こっちむいて」
なになになに…
あなたは俺の耳元で囁く。
息に体がピクっと反応するが、気にせずそっち側を向いてみる。
うわ、近っ
あまりの近さに喉の奥からひゅっと息を飲み込む音がする。
あなたは俺から視線を外さず、静かな空間が続く。
明かりが灯されていないためくっきりは見えないが、むすっとしたような顔をしているんだろう。
しばらく見つめあってから、あなたの口が開いた。
「まだ寝ないで」
こんだけ溜めておいてそれ?
わかってるよそんなの。まだ、とかじゃなくて今夜は寝かせない!ぐらいまで言ってよ。
そんなことを考えていると、顔が接近し唇を奪われた。
キスされるだろうとは思ってあらかじめ気持ちの準備は出来ていたが、やっぱりされなれない。
というのも、いつも肩組んだりちょっかい出してくるのはテヒョンアなんだけど、もっと深いことをするのは俺なんだよね。キスとか、それこそする時とか。
だからこうやってたまにテヒョンアから来るとすごいドキドキする。
いつもは俺にされて可愛く悶えてるのに、たまに強気でぐいぐい来るの凄い好き。
特にお酒か入ってる時とかリミッター外れて俺の弱いところばっか攻めてくるから、すぐにイっちゃうことが多い。
今夜は強気でもお酒が入ってるわけでもなんでもないけど、とにかくあなたから来てくれるのが新鮮で。
いつも俺からいってるから、やっぱり痛いのかなとか嫌かもしれないとか思っちゃうけど、自分もテヒョンアに求められているんだって感じた時はめっちゃ嬉しい。
「んっ、なに考え事してる?」
「っ…うん、いやちょっとだ、ひぁ゛っぅ」
意識が自分に集中していないのに気づいたあなたは、そう問いかけてきた。
ちょっとだけど答えようとした時、急に与えられた強い刺激に声が漏れてしまう。
「なんで?僕のこと好きじゃなくなっちゃった?最近、冷たい…」
「ううん、ん…好きだよ、ぁ、ねそれやめっ、…ひぁ、」
喋っている最中だというのにも関わらず指で俺の身体が悦ぶところを攻めてくる。
やばい、ちょっと焦らしすぎた?いやでもそこまでだよね、
いつもはむすっと拗ねて抱きついてポッポ、2人で仲良くおやすみ〜…なのに。
今日寝れないって本当かも。
どうしよう。
めちゃくちゃテンション上がってきた。
前代未聞なんだよ、これ。いつもは焦らして焦らして、ごめんねって言ってドロッドロに甘やかすって流れなんどけど、今回今までよりかは時間経ってないのに理性ぶっ飛んだ攻め方されてる。
する側も俺からのはずがテヒョンアだし、言動はいつもと同じなのに行動はお酒入ってる時みたいだし。
我慢できないみたいな顔してるテヒョンアものすごくえろいし興奮する。
「ぅ、やっほんとぁ、それだめっ、いぃ」
あ、ちょっとやばいかも。
テンション上がってる場合じゃない、たぶん
声めっちゃ出るし止めてくれないしなんか企んでるみたいな悪そうな顔で笑ってる
がくがくと震える腰に手を回され、さらにきゅんとして気持ちよくなってしまう。
え、俺指だけでイクの?
ほんとされ慣れてないから耐性ついてないの、やめて
あなたはそんな抗いに目もくれず手を止めることは無い。
むしろ、俺の漏れる声に高ぶり指の動きを早めるほどだった。
唇を重ね激しく求められる。息をする間もないほど…
酸欠で頭がぼうっとしてきた時、それを見越したようにあなたは唇を離す。
2人の間に空いた3cm程の隙間。
唾液と吐息で濡れたローズピンクのあなたの唇からは、銀色の糸が引いていた。
「ねぇ、さっき何考えてたの?なんで集中してないの?」
真っ直ぐな瞳で見つめられて目を逸らせない。
俺が返答に困っていると、そっと髪を撫でるように耳にかけられる。
テヒョンア、さっきより圧倒的に強気になってるじゃん…
さっきは可愛く(行動は可愛くなかったけど)僕のこと好きじゃなくなった?冷たいとか言ってたくせに、今はなんで集中してないの?とか。めっちゃドキドキするじゃんなにこれ。
予想以上の結果に鼓動が早まり、相手に聞こえていないか心配になる。
どうやら、口を開くまで待つつもりらしい。
キスをしたい欲望を抑えて俺の目と口を交互に見て固唾を飲んでいる。
「えっと、さっきは嬉しいなって思ってたよ」
「なんで嬉しいの?」
え、絶対わかってるよね?
なんでなんでって、なぜなぜ期到来かな?
彼なりの言葉責めが可愛く感じる。
それでも顔は至って真剣で、彫刻のような顔に可愛らしさが感じられる様子はない。
「いつも俺からだし、だから本当は嫌なんじゃないかって思ってて、でもテヒョンアから来てくれたから…嫌じゃなかったんだ、みたいな…」
そう言葉を発した時、あなたは口角を緩めて優しく唇を重ねてきた。
行動の原理をしっかりと理解したわけではなかったが、なんだか安心感に包まれこちらからも首に両腕を回す。
「僕も最近ちょっとグイグイいかない限り避けられ気味だったから寂しくて、だから一か八かにかけてみようって。でもお前が思ったより良い反応してくれたから嬉しい。…まぁその結果ちょっと激しくなっちゃったけどㅋㅋ」
照れたように口を四角に歪ませた。
あなた特有のいひひ、あは、という声。
やっぱり焦らして来させるより、こうやって自然に笑ってる方が何倍も可愛いな。
そんなことを考えていると自然と唇がほころぶ。
「んーん、全然避けてないよ?避けるわけないじゃん、大丈夫。…ね、ほら続きしよ?テヒョンアがキスしてくるから、したくなっちゃった」
微笑みながら、回した腕の力を強める。
白い歯を見せたその顔は、やっぱりお前には適わないよ、そう言っているようだった。
*おまけ*
「おはようございます、ゆんぎひょん」
「………ふっ、少しは隠せば?」
僕らの身体を舐め回すように見たヒョンは、呆れたように笑う。
やばい、バレてた。
僕らは2人して顔を見合わせ、顔を赤く染めながら笑った。
ー𝑒𝑛𝑑ー
コメント
5件
うへ~んかわいい〜しぬ〜😇💗💗
通知来て秒で飛んできました!!(●︎´▽︎`●︎) 今回も良かったです(✌︎˙˘˙✌︎) テテ攻めも良いかも!!(*´ω`*)