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9 - 午前零時、沈黙しないICU

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2025年06月12日

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日付が変わった。
帝都医療センターのICUは、まるで人工都市のように明るかった。

モニターの心拍音、人工呼吸器の駆動音、透析機の唸り声。

命を繋ぐ全ての機械が、静かに、しかし重く鳴り響いていた。



京本大我は、手に持つ患者リストをじっと見つめていた。

「重症集中治療患者 18名」──


ひとつのICUが収容できる数を遥かに超えていた。

仮設ICUまで使い、今この病院はギリギリの綱渡りをしている。


「京本、大丈夫?」

北斗が静かに隣に立つ。


「……わからなくなる時がある、、

誰を優先して、誰を後回しにするのか──」


そう呟く京本の声は僅かに震えていた。

治療の優先順位──トリアージ。

医療者にとって最も残酷な決断。


北斗はゆっくり言った。

「全部救う。それが俺たちの覚悟だろ」


京本はわずかに頷いた。




午前0時30分──


オペ室では、ジェシーが最後の緊急オペに入っていた。


「小腸穿孔、腹膜炎進行中。敗血症性ショックだ!」

「浄化療法準備!」

「膿瘍部切除、洗浄中!」


樹はすでに何度も昇圧剤の量を調整していた。

「血圧60台。もう昇圧剤は限界量超えてる!」


「ギリギリまで持ってくれ。腹膜内感染は抑え込める!」


ジェシーは口では強気に言いながらも、内心では限界を感じていた。


(俺の手の感覚、もう麻痺しかけてる……でも──)


それでも彼は、目の前の命を見捨てはしなかった。




午前1時──


検査室では慎太郎がCTを回し続けていた。


「また新たな血腫形成。脳出血の恐れあり!」


すぐに北斗へ報告が飛ぶ。


「京本、緊急脳圧コントロールが必要!」

「マンニトール投与、脳浮腫予防開始!」

京本が即座に判断する。


「肝機能も悪化してる!出血傾向出てくるぞ!」

樹が叫ぶ。


「血液製剤追加!凝固因子投与!」

慎太郎が透析装置の回転数を調整しながら指示を重ねる。




午前1時30分──


休憩室の片隅に、わずかに余ったベンチがあった。

髙地がそこに腰掛け、額を膝に埋めた。


「……あんなに助けたのに、まだ減らない」


彼の声は、誰にも聞かれないように小さく漏れた。


それでも、髙地は次の出動要請に備えて、静かに立ち上がった。



午前2時──


救命チーム全員が、奇跡的な集中力で極限の治療を続けていた。

だが──その時、再び館内放送が響く。


「コードブルー──心停止発生。ICU第3病室。」


再び、心臓が止まろうとしていた。




京本は深く息を吸い、人工呼吸器のスイッチを確認しながら走り出した。

北斗、樹、慎太郎、ジェシー、髙地──

誰一人欠けることなく、全員がまた集結する。


これは終わらない戦いだった。

それでも、彼らSixTONESは決して倒れなかった。



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