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「うん、しょーま今日もカッコいいなっ…」
石川真希、高1。wolf andという男性アイドルの翔真が推し。
しょーまはウルアンの中で背が1番高くダンスが映えて、歌声もとーっても綺麗で、
かと思えばわんわんにゃんにゃんあざと天然最年少ですっごく可愛いの♡
そんなしょーまのTOを目指してるのが私!
本当は旦那と言いたいけど、私はただの限界オタク。
画面の前にいるウルアンを眺めている一般人。
でも推しが尊いからいっか♡精神で毎日生きてるよっ!
ピロリン♩ ん、なになに?って
「ふぁ、ファンクラブから通知…?」
ウルアンのFCのお知らせは良いお知らせか悪いお知らせかがすっごいはっきりしてる。
お願いします、良いお知らせでありますよーに!
そう考えてスマホのパスコードを開き、FCのアプリをタップした。
「wolf and」と公式キャラのオオカミクンのロゴが表示される更新画面。
お願いお願いお願いっ…と心の中で何度も唱える‼︎
『アリーナツアーについてのお知らせ』
ア、ア、ア、ア、アリーナ⁉︎
え、やばい来年のツアーアリーナ⁉︎
アリーナツアーが1番嬉しいから超大はしゃぎする私。
「え、え、待て待て待て…中止とか…ではないよな?」
ウルアンは1年に1回ツアーを行う。そのワンマンの盛り上がりは半端ないのっ!
『いつもwolf andを応援していただき、誠にありがとうございます。
この度、wolf andは来年2月に、アリーナツアー「mix-up」を開催することになりました。
詳しい情報は、後日お知らせいたします。』
やったーーーー♡♡
当選すれば、ウルアンに、しょーまに会えるんだ♡
そう思うとドキドキして口角が上がる。心拍数が今絶対平均を超えてるっ!
私は鼓動が早くなったまま1時間ぐらい眠れず布団の中でモゾモゾして、でも眠りについた。
翌日、しょーまのメンカラの青色のカーテンの窓から、光が差し込む。
「んん…おはよぉ、しょーまっ…」
推しに挨拶するのは絶対。アクスタの動かないしょーまにおはようを言う。
「んふ、しょま今日もかっこいーねっ」
本人に届かなくても愛を伝える。だって愛してるから、♡
おねむなままリビングに行って、学校のお支度をする。
ママもパパも早朝からお仕事に行く。小学校高学年くらいから、ずっとこんな感じ。
別のもう反抗期とか、そんなガキっぽいのは終わったんで家族のグルLINEにあいさつする。
『おはよー 無事起床済』
私は料理が苦手だから、作ってもらったごはんと、ふせん。
付箋には家族っぽい事が書いてある。…まぁ家族なんだけども、
ちゃんと会える時間は休日しかないけど、両親は過保護ではないが私の事をちゃんと考えてくれてるし、
こんな生活も慣れ慣れって感じ。
絶対に親がいると怒られるけど、ケータイみながらごはんも食べれるし笑
「いただきまーす」いただきますは作ってくれる人がいなくても、しっかり言う。
しょーまのマイルールの1つだ。偉いなぁと思い、私も真似っこ中!
『真希おはよ〜 あんたファンクラブ見た?』んなの、見たに決まってんじゃーん?
『見た』
『俺チケット代払う?』お、パパ。でも私はもう親金だけには頼らない!なんってったって華のJKだからねっ
『交通費だけお願いする』…ま、まぁ、バイト代だけじゃ足りないからね…
こんぶ味のおにぎりと、お味噌汁。和風の朝ごはんがなんか健康じゃん?
ウルアンの何度もリピしてる動画を見る。隠れ鬼ごっこは、800万回再生の伝説。
ウル担はみんな大好きで、シリーズ化もされている超人気動画!
見ている間にごはんが食べ終わって、「ごちそうさま」と言う。
食べ終わった後もしっかり感謝を伝える!…しょーまルールね。
登校中とかもしかしたらウルアンに会っちゃうかも!なんてことは起きないけど、
0.00001の確率でバッタリ♡になる可能性はあるよね?
そう思ってしっかり巻いてる。別に世の男はしょーま(ウルアン)にしか興味ないけどっ
準備ばーっちり完璧♡こんな私、もうしょーまが惚れる以外の選択肢なくない?
のつよつよ姫マインドで毎日可愛く生きる努力をしてる。
鍵を開けてドアを開け、ドアを開けて鍵を閉める。
そして毎日乗ってる電車でウルアンのTikTokを見る!思わずニヤけちゃうけど…ってふふふっ、
いやぁ、ウル担がつくる切り抜き動画や歌詞動画は神しかいないの!毎日飽きずに通学できる。
駅に着いたら友達がいる。「まき!おはよ!」「光瑠おはよ〜」
ひかるは唯一のウル担友達で、毎日推しの事を無限に語ってるんだ!
「アリツアとかありがたいよね」「マジで昨日の夜ビビった」「いやそれなすぎ」「一緒行くよね」「もちのろん」「あざっす」
こうやってしょうもない推し話を語る事で、オタ友って良いなと改めて感じる。
学校につき、スマホで堂々と推しを見る。
「真希、また推し?」「心奈⁉︎」「いや、ビビリすぎ笑」
光瑠は隣のクラスだから、教室では語れない。
ここなは結構しっかりしてるけど、アニオタだから界隈が違うんだよね。
「なんだっけ、フォックスアンド?」「ウルフアンド!狐と狼間違えんな!」「あぁそれそれ」
「私また推し◯子のフィギュア買っちゃった」「いや著作けーん」「メタ発言やめろ」
本当にこの人はアイドルに鈍い。でも一応いるんだよね、このクラスにもドルオタが…
「おはよーざいまーす」「由香⁉︎もー、また遅刻ギリギリ…」「マジヤバいよ⁉︎」「2人してそんな言わなくても…」
「そうそう、今度韓国行けるの」「おっ、ついに?」「長年の夢が?」「うん、ジウに会えるかも」
この通り、ゆかは韓国のアイドルが推し。でも、日本のアイドルとは文化が全然違うんだよね。
「アイドルとかわっかんな」「1回推してみれば分かるって」「しょましょましょましょま」「翔真教がおる」
あとこのクラスには、ゲーオタ、YouTuber推し、インフルエンサー推し、Vtuberオタ、歌い手推し、声優推し…
とか色々な界隈が集まってる。
で、そんなことは置いとき、私は今日チケットを買うという戦に行かねばならぬ。
できれば全通行きたいから、チケットの予約は早い者勝ちというわけではないけど必死。
戦は13時から。予約にはWi-Fiというスマホの命も必要。ここは学校。更新が遅すぎる。
だから30分から1時間はかかるとする。だからもう授業は始まっているから、授業中もスマホをいじるしか手が無い!
だってトイレはWiFiが繋がらない!バレないように昼休みから戦を始めよう。