「そう言えば、私がこの姿になった時、英厳のときより反応薄くかったですよね」
 前々から疑問に思っていた事を口にすると、炎加が穏やかな顔をして口を開きました。
 「だって、知ってるもん。お姉様も、仏華も、おんなじだって」
 どうやら彼はも知っていたらしいですね。
 「え?!ど、どうして、」
 驚きの余り声が漏れ出てしまいました。
 「えっとね、見るなって言われてたお姉様のアトリエに行って、お兄様の絵を見ちゃったんだよね。それに、忘れ物を取りに久し振りに行った時に、仏華が、お姉様の絵を見て、『昔のjeって、こんな顔だったけ』なんて呟いてるの聞いちゃって」
 この子は悪い子でした。
 「てことは、」
 英厳が苦笑いを浮かべながら言葉を溢しました。
 「うん。お兄様と炎吉兄さんが同一人物なのも知ってた」
 申し訳無さそうに視線を逸らしながら炎加はそう告げました。
 「マジか」
 英厳と私の声が思わず揃ってしまいました。
 英厳、ごめんね。
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