第四章〜
タプが突然出した新曲、その名は**『ASHES』**(灰)。
タイトルも歌詞も、燃え尽きた愛をテーマにしたヘヴィなバラード。
MVの中では、
焼け落ちた部屋の中で、灰を被ったような姿のタプが、
ひとりだけ見えない誰かに向かって、
祈るように歌っている。
「君が落とした灰の上で
俺はまだ踊ってる」
「この胸に刻んだ焼き印を
誰にも消せない」
映像の中の”焼き印”は、明らかに首元に残されたキスマークを模していた。
SNSは即座に反応した。
「これ……完全にジヨンのことじゃん」
「あの時の匂わせ、ぜんぶ繋がった」
「えぐすぎて泣いた」
「MVの考察止まらない」
24時間で1億再生突破。
世界中のファンが、息を呑んで”その愛の地獄”に魅入った。
リリース後数日、ジヨンがタプの部屋にやってきた。
誰にも告げず、深夜、インターホンも鳴らさず――合鍵で。
「『ASHES』……俺のことだよね?」
タプは答えない。
代わりに一歩近づいて、ジヨンの胸元を掴む。
「そうしないと、吐き出せなかっただけだ」
「……じゃあ、なんで“誰に向けて”って書かないの?」
「……お前にしか分からないようにしたから」
その瞬間、ジヨンが笑った。
ぞっとするような、優しい顔で。
「好き。……やっぱ狂ってる、たっぴょん」
唇を塞がれ、床に押し倒される。
夜の静寂の中で、二人の影が交わる。
身体が重なるたび、
喉奥から、微かな呻きと熱が漏れた。
🔥🔥🔥🔥🔥
『ASHES』は、その歌詞と映像、タプの鬼気迫る演技によって、
「愛と依存の究極形」として世界中で議論された。
音楽評論家はこう書いた:
「これは一つのラブソングではない。
芸術として昇華された、精神の崩壊と支配の記録だ」
「“燃え尽きた灰の上で踊る”という比喩は、
自我を失ってまで愛に生きた者の悲哀と純粋性を示している」
ファンの間では”たっぴょんの声でしか届かない痛み”と呼ばれ、
音楽賞を総なめにする一方で、“誰のための曲か”は公にされることはなかった。
しかし、誰もが知っていた。
あれは――
ジヨンのための歌だと。
「逃げても、また曲を書くんだね。俺のこと」
ベッドの上、タプの背中にキスを落としながら、
ジヨンは囁いた。
「いいよ、たっぴょん。全部俺のものにしてあげる」
タプはもう抵抗しない。
むしろその言葉に、静かに目を閉じた。
心は焦げつき、
感情は熱で溶け、
それでも――彼の隣を選んだ。
ライブでのパフォーマンス中、ジヨンが見せた仕草。
マイクを持つ指に、タプのMVと同じ黒い灰のペイント。
セットリストの最終曲には、急遽『ASHES』のイントロが追加され、
最後の一言をこう締めた。
「灰になっても、残るのは名前じゃない――愛だから」
、 、 、
たっぴょんまで狂っちゃった笑
第五章〜
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