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「……はぁ……っ、や、あっ……!」
いつも通り蓮のベットの上で、 理央は仰向けのまま、シーツの上でぐしゃぐしゃに乱されていた。
服はすでに脱がされ、熱のこもった身体の奥に、蓮の熱がゆっくりと押し広げてくる。
そして――
「理央、顔見せて?」
「……や、ですっ……っ!」
理央は震える手で、近くにあった枕を手に取り、顔を隠すように抱きしめた。
「……見ないでください……っ、僕、いま……変な顔してます……っ」
蓮は一瞬黙ったまま、腰を止めた。
「……そんなの、もっと見たくなるじゃん」
「……やめ……やだ、ほんとに見ないで……っ……」
枕に埋もれた理央の声は震えている。
必死に隠しているのは、きっと涙も、熱も、気持ちも――全部だ。
けれど、理央の身体は正直だった。
「……っ、んぁっ、や……っ」
腰を打ちつけるたび、理央の身体は跳ねて、枕をぎゅっと掴む指先が赤く染まる。
「苦しくない? 大丈夫?」
「だ、だいじょうぶですっ……っ、だから見ないでください……っ」
「理央……お前、ほんと可愛い よ」
「う、るさいっ……っ」
蓮はそっと枕の端を持ち上げ、覗き込む。
「ちょっとだけでも、見せて?」
「っ……だ、だめ……っ……絶対、だめです……っ……!」
「ほんとに、可愛いから……お願い、理央」
蓮の手がそっと枕を引き寄せる。
抵抗する理央の指が、枕に爪を立てて必死に離すまいとするけれど――
「……っ、や、だ……っ……見ないでぇ……っ」
ついに枕が外れた瞬間、涙で潤んだ理央の顔があらわになる。
蓮は息を呑んだ。
「……理央……っ」
頬は上気して真っ赤、目元には涙、唇はわずかに開いて、名前を呼ぶのをこらえている。
「見せたくない顔だった? 俺は、ずっと見てたいくらいなんだけど」
「っ、もっいいです…っ……見ないでっ…!」
そう言いながらも、理央はもう、枕を取り戻そうとはしなかった。
蓮の唇がそっと額に落ち、額から、瞼、頬、唇へと、何度もキスを重ねる。
「……可愛すぎて、やばい……」
「……黙ってて、ください……っ」
蓮は理央の手を握り、指を絡める。
「理央……好き」
「……し、知らない……っ」
けれどその瞬間、理央は蓮の手をぎゅっと握り返した。
蓮の動きが深くなり、理央の息がまた熱く、甘く乱れる。
その夜、ふたりはずっと、顔を見つめ合ったまま――
朝まで、何度も繋がった。