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三ノ宮 翠 (26歳) 数学教師 瑠璃の担任
水野 瑠璃 (16歳) 2年1組
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「…先生?」
「どうした」
「今授業中ですよね?」
「ああ」
「何故私たちは保健室に2人きりなんでしょう…?」
7月の水曜日、3限目
私は担任の三ノ宮先生と保健室に居た。
「そりゃ水野が授業中に倒れるからだろ」
「いやいやそれはわかるんですけど…」
「先生は授業続行して大丈夫ですよ…」
三ノ宮先生は倒れた私のそばにつきっきりだったのだ。
「大切な生徒が倒れてたら、心配で授業もまともに出来ないよ(キラッ)」
「キラッじゃないですよ」
「今までも何度か倒れたことありますし、薬飲んだら大丈夫になるので…」
体が弱いため倒れてしまったり保健室通いは当たり前だったのだ。
「いーのいーの、保健室の先生いないし俺いた方がいいでしょ」
「てか授業サボれるし」
「…それが理由ですよね?」
「そんなことないよー、ひどいな」
「…あと、私もう高2なんで」
「手とか繋がなくて大丈夫なんですけど」
何故かずっと手を握られている。
…好きでもない女にこう言うことしないで欲しいと思う。
「さっきからひどいなぁ水野は」
ガラガラガラッ
「あ、水野、保健室の先生来たかも」
ダッダッと音を立てながら慌てて保健室の先生が駆け寄ってきてくれた。
「水野さん!大丈夫?また倒れちゃったの?」
「ごめんなさいね、他の子の処置してて遅れちゃって…」
「いえいえ、全然大丈夫です!」
「あら、三ノ宮先生も一緒にいてくださったんですね」
「ええ、でももう大丈夫そうなんで戻りますね」
さっきのゆるい雰囲気の先生とは違ってすっかり教師モードに入っていた。
やっぱり年上の先生達にはちゃんとしてるんだなぁ…。
「あ、あと水野、今度は恋人繋ぎしような!(キラッ)」
全然そんなことなかった。
「…?水野さん、あれどう言うこと?」
「ああ、大丈夫です、ちょっと三ノ宮先生がおかしいだけなので…」
「あらそう、いつものことね」
先生、保健室の先生からもそう思われてたんだ…。
よく教師出来てるな。
でも、私は倒れた時真っ先に先生が運んでくれて、保健室の先生を探してくれたことを知っている…。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「お、水野もう復活したのか」
「はい」
「4限目は少し寝て、ご飯は保健室で食べてきました」
「さっき保健室の先生なんか言ってた?」
「先生がおかしいのはいつものこと、って言ってましたよ」
「ありがとう、あとで絞めとく」
どこを絞めるんでしょう…。
首?
「あと、さっきの授業の内容教えてくれませんか」
「ええー真面目だね」
「そうですか?」
「俺だったら絶対聞かない」
「それは先生だけじゃないんですか…」
とか言っときながら家に帰ったあとやってそう。
「ん、じゃあ5分だけね」
「ありがとうございます!」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「水野ー、もう最後の1人だぞ」
ペンケースで頭をペチッとぶつけられる。
地味に痛い。
「ふふっ、それ今日倒れた人にやりますか?」
「あ、確かに、ごめん」
先生の大きくて温かい手で頭を撫でられる。
「…」
「あの」
「ん?」
先生が近くにある机に座る
「前から思ってたんですけど」
「うん」
「私だって一応女なので、簡単に頭撫でたり手握らないで欲しいんですけど…」
「勘違いさせないでください」
ついに言ってしまった。
…もしかしたら先生も私のこと好きなんじゃないのかとか、勘違いしてしまうからやめてほしい。
「…るよ」
「?」
「水野のこと女として意識してるよ」
「勘違いじゃない」
先生は私の目を見つめて余裕そうに微笑む。
「え」
つい口からこぼれてしまう。
それくらい衝撃的な言葉だった。
「……っごめんなさい、」
「忘れてくださっ」
「忘れないよ」
顎を優しく持たれ、クイっと上に持ち上げられる。
いつものだらしない先生と違い、真剣ながらも微笑んでいた。
「…冗談は結構です!!」
「また明日…っ」
スクールバッグを急いで持ち、早走りで教室を去る。
顔を赤くしながら唇を軽く噛む。
「キスされるかと思った……」
小声でそう独り言を呟きながら靴を履き替え、校門へと歩いて行く。
その姿を先生は見守っていた。
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本編終了しました。
初めまして、なるです!
この2人のイラストを描こうと思ってて
ビジュアルの設定をまとめています
先生は余裕の笑みが似合う男です。
無駄にジャケットとか似合っちゃうタイプです(失礼)
水野は黒髪ボブで、制服は気崩さない優等生です!
セーラーじゃなくてブレザータイプです。
完成したらまたあげます!
R7・12・16