兄弟として育てられてきた教授と書記長が本当の兄弟では無いと知って距離が離れる話(俺得)
エーミール
兄、幼少期の一人称は俺で敬語も少なめ
トントン
弟、幼少期は兄にベッタリでどこに行くにも着いてく!!って必死だった
茶色視点
「兄さん!」
幼い彼の嬉しそうな声と顔
「俺も兄さんと一緒に学校行く」
「トントンは小学生でしょう、俺の通う中学には行けません」
「う」
「今度一緒に買い物に行きましょ、それでええ?」
「……うん、兄さん行ってらっしゃい」
「うん、行ってきます」
悲しそうな寂しそうな顔、申し訳ないけど仕方ないことなのだ
後ろをついてまわる弟が可愛くて……この日常を守りたかったんだ
でもその幸せを私は自分の手で壊してしまったのだ
ある日弟が泣いて帰ってきた私はまっさきに
「どうしたんや!?」
と聞いた、そうすると彼は
「クラスのヤツらにお前は兄さんと似てないって……兄弟やないんやろって」
「……トントン」
「そんなわけないよね、俺ら兄弟やろ?」
「うん、兄弟や……でも……トントン今から少し辛いことを言うかもしれないけどよく聞いてな」
「え」
「トントンと私は兄弟やけど……でも血は繋がってないんや」
「えっ」
「トントンはね孤児だったとこを母さんと父さんが引き取ったんや」
「え…………おれら、ほんとのきょうだいじゃ……かぞくやないの」
「血は繋がってないけど大切な家族やで?俺も母さんたちもトントンが大切や」
「……っ、……おれ部屋戻る」
赤色の瞳をうるませて弟は自室へ逃げるように入っていった
その瞬間に私はあぁやってしまった……と思った
なぜあんなことを言ってしまったのかなんて後悔はもう遅い
その日からだ私たちの関わり方が変わったのは
弟が後をついてまわって来なくなった、学校から帰ってきたらまっさきに抱きついて学校であったことを話してくれなくなった、勉強を教えて!と言わなくなった、わがままを言わなくなった
そして何より、兄と呼ばなくなった『エミさん』そう呼ぶようになった他人のような呼び方に距離感を感じて胸が苦しくなった
気がつけばどんどん距離が離れていくそんな間に私は大学生になり家を出た弟ももう高校生でそんな彼は軍学校へ進んだ
小さい時は軍学校なんて行きたくないなんていってたのにな……兄ちゃんと同じ学校がいい!って言ってたなぁ
なんだか寂しい
大学生というものは忙しく実家に帰ることは少なくなった必然的に弟と顔を合わせることも少なくなった実家に帰ってもお互い基本自室に引きこもっているか外出をしているため晩御飯の時くらいしか顔を合わすことは出来ない晩御飯の時少し会話を交わすがそれも和気あいあいというものでは無い
あぁ嫌われているんだなと実感した
私が大学を出ると私は大学の教員となった気がつけばなんと私は教授になっていた教授となればとても忙しく実家に帰ることも少なくなったため親と弟の状況も分からない
そんなある日、我が国の総統が若い青年に変わった
最初は批判が多かったが数ヶ月もすると落ち着いて皆総統万歳!と手を挙げている
総統……軍……すごい世界だなぁそういや弟は軍学校へ進んだんだっけ、どうなったんだろうあの子小さい頃は私よりも弱かったから心配だ……いや弱かったのは年齢差のせいか、もう今は大丈夫だろう
いけない、考え事をしているよりいつも通り教授として頑張らないと
「エーミール先生」
講義後に教え子が話しかけてきた
「ん?なんですか?」
「今の総統凄くないですか!?」
「そうですね、あんなに若いのに圧倒的支持率と人を惹きよせる力がある」
「うんうん!その総統さんも凄いんだけどね、総統さんの右腕の書記長も凄いんだってさ。まだ若いのに力もあって書類もできて有能らしいよ」
「へぇ、凄いですね……」
我が国の事だし軍のことは興味があるので書記長のことは知ってはいるが実際に見たことは無いのでほんとに気になる右腕の書記長さん…どんな方なんだろう
教え子との話も終わって私は自宅へ帰ろうと自分の研究室から出ようとすると、扉が開かれた
ん?誰か来たのだろうか、そう思い扉をみると
金髪の髪の毛に赤色の炎のような瞳、黒色のスーツの男が立っていた
「やぁ」
低めの声が部屋に響く
「え?」
見たことがある、いやこの国のものなら知っていて当然の人物
我が国の総統グルッペン・フューラー
「初めまして、エーミール教授私はグルッペンだ。」
「は、はい、よろしくお願い致します」
「そんなに緊張しなくてもいい」
「え、いやそんな、総統様ですよ。私なんかになんの用でしょうか」
「あぁ、そうだな……エーミール私の下で働かないか?」
「え?」
「私は幹部を色々な所へ出向いて直々に集めているんだ」
「は、はぁ……それがなぜ私の元へ?」
「いやー、若くして教授となったお前に興味が湧いたんだ」
「たしかに若めですけどそれだけですよ私は……軍の幹部だなんて……私は戦うことも出来ないですし」
「そこは大丈夫だ、みんな必ず戦いに行く訳では無い、外交メインのやつも補佐だったり、監視室に篭ってるやつもいる」
「でもみなさん軍学校卒業してたり」
「まぁそれなりには戦えるな、俺は彼らの力を信頼してる」
「……では私は場違いです」
「そんなことは無いと思うが…………あぁそうだお前トントンの兄だろう」
「え」
「合ってたか」
「はい…でもなんで」
「あぁ、ある程度幹部の情報は調べているんだ……それにあいつに家族構成を聞いた時に兄がいると聞いてな」
「…」
「トントンはな俺の右腕の書記長だ。ほんとに素晴らしくて誇りだ」
「え?」
トントンがあの書記長……?
「どうだ来ないか?」
「……」
私が幹部になればあの子に会える、でも迷惑だろうさらに嫌われてしまう
でも、こんな形だとしても彼の近くにまた行けるかもしれないと考えると興味が湧く
「…あの」
「なんだ」
「何も役に経たないかもしれないですけど是非よろしくお願いします」
「!、そうか!!着いてきてくれるのか!!!」
「はい、でもトントンが出てけって言うのならすぐ居なくなるかもですけど」
「あぁ……そこは大丈夫だ。把握しておく」
「ありがとうございます」「この後予定はあるか?無ければ早速うちに来てもらいたいのだが……あぁ、今すぐ幹部になるわけではない。挨拶や見学に来て欲しいんだ……無理そうなら後日で構わん」
「大丈夫です空いていますよ」
「ほんとうか!なら行くぞ!早く戻らないとトントンにぶち飛ばされる」
「ゑ」
ぶち飛ばされる???我が弟は総統様をぶち飛ばされるくらいになったのか、えぇこわぃ…
「エーミールが良ければ今度幼少期のトントンの話が聞きたいのだが」
「いいですよ。その代わりここでのあの子のお話聞かせてください」
「あぁもちろんだ」
「大先生には連絡しとくか…………あー、もしもし大先生」
「グルちゃん!!あんたどこにおるん!?」
「ちょっととある村やけど」
「トントンが粛清剣引きづって廊下を徘徊しとるんやけど!!!はよ戻ってきて」
「うわやっべ……今急いで帰っている!!あと新しく幹部になるやつを見つけたから帰ってきたらよろしく」
「え!?!新しい幹部!?!?どういうこと!?!」
「そういう事だあとは頼んだ〜、では切るぞ。続きは帰ったらだ。私が帰るまでに談話室に幹部を集めといてくれ」
「え、あ、はい」
なんか幹部の人振り回されてて可哀想()
「紹介しよう新しく幹部になるエーミールだ。彼は若くして教授をしていて知識が素晴らしいんだ。仲良くしてやってくれ」
「エーミールです、どうぞよろしくお願いします」
「エーミール、よろしくな」
「エーミールさんよろしくお願いします」
色とりどりの幹部たちがワイワイと話しかけてくる
そこから離れた位置にポツリと赤色が見えた知ってる色……懐かしい色
パチッと目が合う真っ赤な綺麗な瞳、あぁやっぱり昔から変わらないなぁ
彼の瞳が少し不安げに揺らいだ気がしたがパチリと瞬きをすると芯の通ったしっかりした瞳でこちらを見た
「……あ、自己紹介忘れてたわ。俺はトントンよろしくなエミさん」
そう言い手を差し出された
「ッ……はい!よろしくお願いします……トントン、さん」
「おん」
差し出された手を握った久しぶりに触ったその手は記憶よりも大きく分厚かったこの手は頑張った……頑張っている証拠なのだろう
立派になったなと嬉しく思った反面少し寂しかった。
「エーミールは教授だ、直ぐにこちらに来てもらうことは難しいとは思う。でもここの幹部として軍人として頑張ってくれ」
「はい」
「明日は休日だがエーミールはどうだ」
「明日は……お休みですね」
「ではこちらに泊まって行かないか?」
「いいんです?」
「もうお前はここのメンバーだからな」
「……では是非」
「そうか、エーミールの使う用の部屋があるからそこに寝泊まりしてくれ。あぁ掃除は定期的にしているからそこは安心してくれ。家具に関しては自分好みに買い替えたりしてくれて構わない。今はシンプルなベッドと机があるくらいだから一応寝泊まりは出来るぞ」
「了解です」
「誰かエーミールを部屋に送るついでに基地内の紹介をしてくれる奴はいないか」「はい!俺やりたい」
「え!俺も俺も!!」
「俺もー!」
「他にやりたいやつはいないか」
「…」
「ん?どうしたトン氏」
「……あーいややっぱなんでもない」
「そうか……うーん、ゾム達だとやっぱり心配だな……トントン頼んでいいか?」
「え」「え」
「……エミさんも「え」って言うてるやん……嫌なんやろ。それに俺はええ」
「え、いや!トントンさんでも大丈夫です」
「ほんとか?それじゃトントンいいか?」
「え……ぅ……はい」
やったーーーーー!トントンと2人きりやん
「それじゃあトントン以外はみんな仕事や持ち場に戻ってくれ」
『了解』
みんな談話室から出ていき残ったのは総統、書記長、そして私だけだ
「…グルさんこれはどういう事ですかねぇ!?」
「ははっ、なんの事だ」
「なんの事だって!!!!なんでこいつおるんや?!」
「なんでって言われてと私が気に入ったやつがたまたまお前の兄だったんだよ」
「っ〜!!」
「反論してもエーミールを入れるのを辞めるつもりは無い。諦めてさっさと受け入れるんだな」
「う……くっそ……」
こんなに嫌がられてるとはてかなんか兄弟みたいやなこの2人…トントンも心を許してるようだ……昔のわがまま言って嫌がってた時を思い出した自分でそう思っておいて心臓が痛い
「はぁ、さっさと案内して仕事戻るかぁ…………おい、エーミール行くで」
ついにはフルネーム呼び
「ぁ、はい」
「……エーミール頑張れ」
「はい」
「……」
「……」
気まずい無言タイムが続く
「あのトントン、サン」
「なんやエミさん」
「お元気だったでしょうか」
「おん」
「なら良かった」
「……」
「トントンさん」
「なに」
「今まで本当にごめんなさい」
「……、……別に 」
「私は、あなたに酷いことを言った」
「いや、事実やし」
「……でも!貴方のことが大切な弟なのも事実です」
「……そ」
「っ……私はっ、俺は……なんであの時あんなことを普通に言ってしまったのか後悔してる、貴方に許してもらおうなんて言わない…けどこれだけは覚えといてな……血が繋がってるとか血が繋がってないだとかそんなの関係なく俺はトントンという弟がほんまに大切で大切で……大好きや」
「っ………………ごめ、俺こそすまん…多分きっと血が繋がってないってうすうす気づいとったねん。でも兄さんなら否定してくれるって、思ってて、……でも今思えば兄さんはこういう嘘はつかないからホントのことを言うって分かってたのに……俺が勝手に傷ついて…ショックで兄さんから逃げてしまった……それ以上に兄さんを傷つける酷い対応してしまったで……俺こそごめん」
「っ、謝らんといて、俺が悪いんやから」
「いや俺が悪い」
「いや私が……ふふ、このままじゃずっと埒が明かないですね…2人とも悪いってことにしましょ」
「……うん、せやな」
「えぇ……では改めてトントンこれからよろしく」
「おん、よろしくな兄さん」
なんてこともあったなぁ
「み……え……ん…………エミさん!」
「トントンさん?」
「ボーッとしてどうしたん?体調悪いんか?」
「え!?違います!、!少し考え事してました」
「ならええけど」
「はい……あ!なにか御用ですか?」
「いやー、あの……えっとこれ分からへんから教えてくれん?」
「!、もちろん!!私にお任せ下さい」
「ありがとう、兄さん」
「ほんとにこの子は……」
「え?え、なに!?急に頭撫でないで貰えます!?」
「昔を思い出して……」
「あぁ、俺が後ろずっとついてまわってた時か」
「はい」
「ふーん、それよりはよ教えて貰えますー?」
「はいはい」
終わり方ェ…(難しい)
トンエミはいいぞ!!!TRPGみてくれ、、、
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