コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「ねぇ、知ってる?柊くんって東堂さんのこと殴ろうとしたらしいよ」
「あーそれ知ってる…」
「最低だよね」
柊くんが私のことを殴ろうとしたのは学校中に知れ渡った。
あやが意図的に流した噂らしい。
かっこいいと噂の柊くんが女の子に手をあげたと有名になった。
「ゆいな!」
それと共に私とそうきが付き合っているという噂も流れた。
「そうき、おはよう!」
「あ、二人って付き合ってるんでしょ?」コソッ
「確かね、なんか東堂さんが殴られそうになった時、住吉くんが助けたらしいよ。」コソッ
はぁ、こんな噂ばっかで嫌になる。
「てかさ笑東堂 唯菜可愛くね?普通に」
「ギャハハッそれな〜」
「はい!俺狙っちゃいマース」
「え、でも東堂彼氏いんじゃん笑」
「いやいや、彼氏芋だし余裕だって笑」
「…」
「そうき…?」
「ん?」
「帰ろ?誰かいたの?」
「いや、別になんでもないよ」
「そう?」
様子がおかしい。何かあったのかな?
『彼氏芋だし余裕だって笑』
「はぁ、」
俺が眼鏡かけて前髪長いからゆいなに不釣り合いだってこと…?
ゆいなは俺の眼鏡外した方が好きだって、かっこいいって言ってくれた。
だけど、私以外の前では見せないでって…。
ゆいなに見合った男になるため…だしな。
そうき
『ごめん、明日は遅刻する、』
そうきが遅刻?何かあったのかな?
『うん、分かった!明日はあやと行くね!』
『うん、ごめんね、』
謝らなくていいのに…。
「おはよう、あや」
「おはよー!久々だよね、二人で登校するの!」
「そうだね!」
あやは、やっぱり優しい。
「それでね〜…」
「あははっ確かに笑」
あやといるのは楽しい。だけど心の片隅でそうきと行きたかったって考えがある。
1時間目が終わりあやと話していると校庭の方から女の子の騒ぎ声がする。
「なんだろうね?」
「見てみる?」
「うん、」
そこには髪を切り眼鏡を外したそうきの姿があった。
沢山の女の子に話しかけられている…。
なんで…?私、他の子の前では外さないでって言ったのに…。
ガラガラ
しばらく経ってからそうきは教室に来た。
案の定今までそうきの陰口を言っていた人が群がる。
こっちに歩いてくるそうき。分かってる。私の為なんでしょう?
「ゆいな、」
聞き覚えのある大好きな人の声。
「うん」
「おはよう、」
やわらかくて優しいそうきの声。
「ん、おはよう」
「え?あれ住吉くん?」コソッ
「あんなかっこよかったんだ〜」コソッ
「私住吉くんのこと好きになった!」コソッ
人気になるよね…そんなの当たり前だ。
でも見たことある顔だな…。
この間電車で見たからか。
「ねぇねぇそうきくん〜」
ん?は?そうきくん?
「彼女とかいたりするの?」
なんなの、ほんとに
「あのさ、俺の事名前で呼ばないでくれない?」
「俺の事名前で呼んでいいのゆいなだけだから。」
…。そうやっていっつも期待させる。
「でも地味な東堂さんとじゃ釣り合ってないよ!」
「あんたさ、自分がゆいなより可愛いとでも思ってんの?調子乗んなよ」
あー腹立つ。ゆいなが地味?ゆいなは綺麗系なんだけどなぁ…。
七瀬 彩。私は今とんでもなく怒っています。
てか、ゆいなすごい可愛いけど。
サラサラな黒髪ボブ。ぱっちりした目に透明感のある真っ白な肌。小さくて筋の通った鼻。血色感のある整った唇。背は163cmだった気がする。一番いい身長じゃん。
あの女嫉妬でしょ。
ゆいなは私を可愛いって言うけどメイクで隠してるだけ。
肌だけは頑張ったけどね。
元々癖毛だから縮毛矯正して、目は一重だからバレないアイプチを勉強して。
まつ毛が綺麗にあげられるようにまつ毛パーマして。
あと、頑張って痩せた。
もちろんゆいなに褒められるのは好き。
ゆいな以外に言われたらきっと腹が立つ。
でもゆいなだから、ゆいなは私の気持ちを落ち着かせる。
そんなゆいなが本当に好き。