僕は華ちゃんの小さな頭を優しく貴重品を扱うように撫でた。
それから僕は米田くんに真実を伝え、母親の元に行き、彼女にも真実を伝えた。
彼女は驚くような表情をしていたが、すぐに華ちゃんのもとに行き、大きなお腹も忘れたかのように抱きついた。
“ごめんね。華。”
何度もこのような言葉が続いた。
母親も泣いていたが、華ちゃんも大好きなお母さんを抱きしめ泣いていた。
人間は苦しい生き物だ。
動物のようにしたいことも何もかもというふうにはできない。
それの手助けをする。それが僕達、声帯精神科の役割だ。
母親と“ホント”がわかりあえた華ちゃんは明るく幸せそうだった。
まだ声はでないけれど、あの調子じゃ1日で出るようになるだろう。
お別れのとき、母親は何度も何度も同じようにお辞儀をして、華ちゃんはそれを真似しないで大きく手を振っていた。
彼女たちは本当に心の意味で通じあえただろうか。
これからの未来と関係は僕達には知るよしがない。でも、彼女たちには幸せになってほしい。