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運動神経の良い元貴に抵抗される前に、荒っぽく肩をつかんで、そのままベッドに押し倒した。
スボンのポケットにあったスマホはサイレントにしてテーブルに放り投げる。
「ちょ、何、涼ちゃん！」
手首をつかんで、突然の事に動揺して黒い瞳を揺らす元貴を真上から見下ろす。
いい眺め。
「…ねぇ、僕知ってるよ。
元貴が若井の事、大好きだって。」
「なに…言ってんの。そりゃ…大切な、」
「違う。」
元貴が反射的に誤魔化そうとしたけど、そう途中で遮って。
いつも鍵盤を弾くように人差し指で彼の喉元をなぞった。
元貴の顔から血の気が引くのがわかる。
精一杯抵抗しているようだけど、一回り大きい体で押さえつけてるんだから。
無理な話だよ。
「そうじゃないでしょ。
もう、ずっと前から 若井に恋してる。
若井も鈍いよねぇ。
僕でさえすぐ気付いたのに。
苦しくないの元貴はさ。」
元貴はすぐに答えない。
何とかこの状況から抜け出すためにどう答えればいいかを探してるんだろう。
相変わらず冷静だよね。
「…別にどうなりたいとかないし。
俺が勝手に…。」
「嘘。」
「…嘘じゃ、ない…。」
元貴の耳元で鼓膜を震わせてやる。
「ホントかなぁ。なら試してみようよ。」
そう言って、そのまま耳を甘噛みして舌を侵入させた。
「っ、あ…、りょ…ッ」
元貴が身をよじり、何とかかわそうとするけど逃がしてやらない。
そのまま首筋を舌でたどって、頬骨をなぞりながら整った唇に触れる。
あぁ、もうずっと前からこうしたかった。
やっと触れられる。
小さな口を割ろうとすると、元貴が逃げようと顔を背けた 。
「そんな抵抗したって逆効果だよ。」
両手で頬を押さえつけて無理やり侵入していくと、元貴の睫毛に小さく涙がついてるのが見て取れた 。
「やっ…、ちょ、やめ…あ…」
無理やり押し入って、歯列をなぞってからもっと奥へ侵入する。
絡めては吸って元貴の逃げる舌先を捕らえていくうちに、唾液が混じり合い部屋の中に水音が響きはじめた。
シャツをたくし上げて、脇から手をすべらせながら小さな尖りに指を這わせると元貴は喉をのけぞらせる。
「んっ…！や、だ…ッて！」
「そう？“体は正直”だなんてベタな言い方だけどさ、ホントだよね。」
主張を始めた元貴の下半身に触れたくて、手を下着の中まで滑り込ませると、 元貴がひゅっと息を吸うのがわかった。
「や、涼ちゃ……、あ…！」
「もう、濡れてるよ…。」
「嫌だ…！」
そう言って元貴はシーツに顔を埋めたけど。
構わず蜜を滲ませたそれを手に含み、先の方を包んで刺激してやると、とくとくと脈打って立ち上がってくる。
「…元貴。もうこんなになってるよ。 」
「……っ。」
手の甲で口を塞いで、わずかな抵抗をしてる。
なんて可愛いんだろう。
全部、僕を煽るだけなのに。
「ねぇ、若井と付き合ってる訳でもないのに、なんでそんなに頑ななの？
元貴は若井が好きで、僕は元貴が好き。
ふふ、片思い同士、慰め合ったらいいと思うけど。」
「な、に…言ってんの。あ…ッ！っ」
素早く元貴の服と下着を剥ぎ取って、いきなり深く咥え込む。
元貴の両腿がびくびくと震えて、口の中でその体積を増していくのがわかる。
僕の髪を掴んでクシャクシャにして、嫌悪感と快感の狭間で元貴が矯声をあげた。
「あ…ふッ、んんっ、あ…！あ…や…ッ！」
腰を仰け反らせて、涙で潤んだ目は行き場もなくさまよっている。
もっと。
もっとしたい。
何年待ったと思ってんの？
互いの精を指に這わせると、キツく締まった元貴の後に指を当てた。
「あ…！だ、め！涼ちゃ…ああッ、」
察しの良い元貴は何をしようとしてるかすぐに気づいたらしく、僕の肩を強く掴んて爪を食い込ませる。
「…可愛い。」
嫌がる元貴に構わず、指を侵入させると更に大きく仰け反って声にならない声をあげた。
同時に元貴自身をちゅくちゅくと音を立てて扱き上げる。
指を増やして前立腺のあたりを探ってやると、ビクビクと膝を震わして色白の顔が紅潮してるのがわかった。
「…元貴、入れるからね。」
「…！」
元貴が驚愕の目でこちらを見る。
キレイな瞳。
脚を割り開くと、自身をあてがい迷うことなく進めていく。
「あ、あ、ヤ…ダ。 わか、い…わ、か…」
無意識に若井を求めて伸ばされた手を絡め取って唇にあてた。
「いいよ、他の男の名前呼ばれながらするのもゾクゾクする。」
「あ…、あ！」
苦痛と快感でキュウキュウと締め付けられる。
深いところを付くたびに、僕から逃れるようにきつく閉じた目蓋からポロポロと涙が落ちた。
「一緒に…イこうね。」
「ッ…あ、あ……！」
元貴はもう限界で何度か前を刺激してやっただけで、その白濁を吐き出す。
ビクビクと蕾が締め付けられて同時に僕も元貴の中に欲望を放った。
しばらく抱きしめていたけど、元貴の腕はシーツの上に放り出されたまま動かない。
呼吸が整った頃に、汗ばんだひたいをぬぐって頬をなでると、瞬きしたその目から今日何度目かの涙がこぼれ落ちた。
「…りょ…ちゃん。どうして？」
「ねぇもとき。
これで僕達、 若井に言えない ヒミツができたね。ヒミツは2人で守っていかないとねぇ。
共犯者なんだから。」
元貴が目を見開いて唇を震わせてる。
そう言う顔も大好きだよ。
ふと見れば、さっき放り投げたスマホが光って着信を知らせてる。
画面には「若井」の二文字が浮かび上がっていたけど、元貴がそれに気付くことはなかった。
fin
うちの涼ちゃんは大人で女神だったハズなのに…
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コメント
11件
もう書き方が神の書き方なんよ
あぁ…可哀想で可愛い、、泣 はるさん文才すぎて何故か心拍数上がってる自分がいます､､笑 続きはご想像にお任せ、ですか…!?
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