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盾にぶつかり、無数に分かれたバリルシウスの魔法が一斉に降り注ぎ、ニティア達に襲いかかる。
ルシオがエラリスの元へ駆け寄り、盾を上に構える。
「ニティア!お前も早く来い!!」
ルシオがニティアへ向けて叫ぶも、ニティアはその場から微動だにせず、何やら術式を展開していた。
「何かやってる。ニティアは大丈夫だよ」
「ちっ!悪いけど後ろは頼んだぞ!」
エラリスに背中を任せ、衝撃に備えるルシオ。
エラリスも地面に手を当て、モラティと一緒に岩の壁を生成する。
降り注ぐ光の雨をじっと見つめるニティアの視線が鋭く光る。
そして……
ガガガガガガガガガ!!
「ぐっ!」
「うっ!」
盾と岩壁で守ってはいるものの、想像通りバリルシウスの魔法はある程度操作が効くのだろう。
盾や岩壁の合間を縫って襲いかかる魔法。2人の身体には衝撃が走っていた。
しかし、たとえ魔族とは言えこの物量を操作するのは難しいのか、大半を盾や岩壁で受け止めていたのだろう。実際の物量に対して、身体に受けたダメージはそこまで大したものではなかった。
降り注ぐ光の雨が落ち着き、周りに濃い砂煙が立ちこめる。
ルシオが後ろのエラリスの方を振り向こうとした瞬間……ふと視界に入る白い光。
ルシオとエラリスの間。その足元に、小さな球体が出現していた。
「なっ!!」
ルシオが声を上げた時には、すでに光の球体は膨張。そのまま爆発した。
ドォーン!!
「うっ!」
「ぐはっ!」
『むん!?』
モラティにダメージが行かないよう、モラティを抱き抱えたまま軽く吹き飛ばされるエラリスと、盾と共に前方へ倒れるルシオ。
「2人とも!大丈夫?!」
2人の元へ駆け寄るほぼ無傷のニティア。
「いたた……」
『目がまわったぞ……』
「っつ〜……見た目の派手さの割にはダメージを受けはしなかったけど……対処が面倒だな……」
『ちっ……しぶとい奴らだ……』
ゆっくりと起き上がる2人。全員無事なことが分かり、苛立ちを隠しきれないバリルシウス。
落下してくる盾をキャッチし、再びランスを構え出した。
「ニティア……無傷……」
「マジか……お前あの量を?」
「……」
黙って2人にコソコソと耳打ちをするニティア。
「は?!」
「えぇ……」
「魔法の件は悪かったわね。それじゃ後はよろしく」
ニティアがふわりと宙に浮く。
『別れの挨拶は済んだのか?』
バリルシウスがニティアを見て不敵に笑う。
「ん?そんなわけ無いじゃない。誰も死なないもの」
無表情のまま答えるニティアが、杖をバリルシウスに向けて構えると同時に、ルシオが槍から光の閃光を放った。
『甘いわ!』
盾でニティアの方へその魔法を跳ね返すも、ニティアは前方に光の球体を発生。跳ね返された閃光はその球体と衝突し、ニティアへ直撃する前に爆発してしまった。
「まぁ、こんなんじゃ無理よね!」
ランスに魔力を込めているバリルシウス目掛けてルシオが飛びかかる。
『ちぃ!!』
まだ貯めきっていない魔力を解放し、ルシオ目掛けて閃光を放つバリルシウス。ルシオが盾を構えると、バリルシウスの口角が上がる。
『その盾ごと貫いてやる!!』
バリルシウスも自分の放った閃光を追いかけてルシオに突撃。盾を構えるルシオに、光の閃光が直撃する瞬間……ルシオが盾を下におろし、その場で槍を構える。
『なっ!!』
バリルシウスの閃光の狙いは元からエラリスだったのであろう。無防備のルシオを避け、そのままエラリスの方へ向かって飛んでいってしまった。
「うわ……本当に来た……」
片手を上に掲げているエラリス。
『余程嫌われているようだな』
「別に魔族に好かれたくもないけどね」
そう言いながら地面を足で叩くエラリス。その足に込められた魔力により、目の前に再び岩壁を出現させる。
バリルシウスの閃光をその岩壁で受け止めると同時に、今度は掲げた右手から紅の光を発生させニックを召喚した。
『久々に呼ばれたと思ったら……なんじゃここは……暗いったらないのぉ……それに……フィニスがおらぬではないか』
薄暗い洞窟を赤々と照らし出すニック。
「急にごめんね。後で説明するから。とりあえずはほらアレ」
そう言いながら岩壁越しにバリルシウスを指差すエラリス。
『なるほど……』
バリルシウスを見た後、その上空に飛んでいるニティアと目が合うニックがにやりと笑う。
『それでは……それ相応の魔力を頼むぞ』
「任せて」
上空に掲げた腕をバリルシウスに向けて下ろし、魔力を腕に込め始めるエラリス。それと同時に、役目を終えた岩壁がボロボロと崩れ落ちていった。
『また変な奴を……!!』
襲いかかるルシオの槍を盾で受け止めながら、エラリスの方へ視線を送るバリルシウスに、ルシオがさらに槍をぶつけてくる。
「そんな意識をあっちに向けてて大丈夫?」
『ぐっ……貴様如き、魔法を使うまでもない!!』
盾をぐいと押し込み、そのまま身体を半回転させ、手に持ったランスでルシオを真横に薙ぎ払うバリルシウス。
「ぐぉっ!!」
バリルシウスの力にルシオが吹き飛ばされるも、次の瞬間にはぐるりと渦巻く炎がバリルシウス目掛けて放たれていた。
『特別大サービスじゃ……しかと受け取られよ♪』
「うん。大サービス」
『ふざけるなぁ!……何!?』
『ふむ。意外とバレないもんだな』
エラリスが先ほど足で地面に伝えた魔力の一部を用いて、バリルシウスの両足を岩で固定していたモラティ。
『貴様らぁ……!!』
次々と襲いかかる連携に苛立ちを隠せず、盾を構えながら今までよりもさらにランスに魔力を込めるバリルシウス。
飛んできた炎の渦を、反対側の腕で構えた盾でエラリスへ向けて弾き返そうとするも……
パァーン!
受け止めた炎の渦がその場で弾け、炎の羽へと姿を変え、バリルシウスの周りをひらひらと舞い始める。
『だから言ったであろう?大サービスじゃと♪』
コメント
1件
もうめっちゃ良かった!!😭💕 ルシオが「盾ごと貫いてやる!!」って言われた時に、逆に盾下ろして槍構えたところ、は?かっこよすぎない?!🔥✨ その読み合いが最高すぎて声出たわ〜!! あとニティアが無表情で「誰も死なないもの」って言い放ったシーン、めっちゃ痺れた…🥺💖 頼もしすぎるだろこのパーティ…連携技の応酬も熱すぎてページ捲る手が止まらなかったよ!!続きめっちゃ楽しみにしてます🌸