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かんな
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寿命㌫(主) 🔮🖤ᩚ
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キラキラと空気までが煌めく大広間。色とりどりのドレスを纏った令嬢たちが蝶のように舞う。
優雅な音楽と華麗なダンス。並ぶ軽食すらも気品高い。
今宵は第一王子ルシアン=アルヴェルト主催の舞踏会だ。
参加している人々は、何も聞かされていなくても、本日の趣旨を予測している。
大広間の奥に坐するルシアンの隣には、タキシードに身を包んだリリーが座っている。
「ねぇ、リリー様が」
「イソトマ様は、どうされたのかしら」
「やっぱり、今宵……」
人々が口々に噂する。
その声は、幕裏に隠れているイソトマには特によく聞こえてくる。紳士淑女の皆様は、部屋の隅で噂話をするからだ。
「ルシアンの仕込みは成功ってことで良いんだよね」
複雑な気持ちになりながらも、作戦の成功を喜んでおく。
「俺が常に後ろに控えている。心配するな」
ディルクが、イソトマの腰を抱き寄せた。
「ありがとう。大丈夫だよ。頑張るって決めたんだ」
この夜で、イソトマは第一王子ルシアンの婚約者という責任を降りる。
次にその場所へ立つのは、きっとリリーだ。
(みんなが幸せになるための、第一歩)
今日のタキシードは、その為の戦闘服だ。
大広間の音楽が切り替わった。入場のサインだ。
「行くか、イソトマ」
ディルクが腕を出した。
「うん、行こう」
ディルクの腕に手を絡める。
エスコートされながら、イソトマは本日の戦場に踏み込んだ。
コメント
1件
第40話、読み終えました。華やかな舞踏会の描写と、その裏でイソトマが感じる複雑な心境の対比がすごく良かったです。「戦闘服」としてのタキシード、ディルクのエスコート…この瞬間に向けて積み重ねてきたものが全部詰まっていて、胸が熱くなりました。リリーがルシアンの隣に座っている光景も、ちゃんと次のステップを感じさせてくれますね。みんなが幸せになるための第一歩、頑張ってほしいです。