前回からの続きです、これはかなり長編になりそうだなあ、⋯⋯。ともかく、最後まで是非お付き合いを!
相変わらず病んでる表現満載です。死んでしまった🍌さん、そしてがらりと変わってしまったみんなを助けるべく頑張る🍆さんのお話。苦手な方は逃げてください。
では、小説の世界へいってらっしゃい。
「ぼんさん、皆さんを正気に戻すのを手伝ってください。」
「へ、」
「そのつもりだけど⋯???」
「え??」
「え????」
最初からそのつもりだった為、今更そんなことを言われてもなあ、と思う。まあそれは勿論、手伝う以外の選択肢はないだろう。おんりーチャンがいるのなら安心である。だっておんりーチャンに言ってもらえばみんな納得して立ち直ってくれるかもしれないし、まあ皆が精神壊れかけてんのおんりーチャンの死が原因な訳だし、ちゃんと本人が受け入れて欲しいと言ってくれれば万事解決というものだ。そうなれば手間が省ける皆の所へおんりーチャンを案内して説得すればいいだけだし、自分の負担は軽くなる。なんて希望がやっと見えた気がした。皆精神的に参っているし、この幽霊おんりーチャンを信じるかはまだ不明だが⋯。
「なんだ、てっきりぼんさんもひとりじゃダメだあ、とか言って寝込んでるのかと。最年長の意地ですか?」
「え、その言葉はどう受け取ればいいの??俺馬鹿にされてる?wこれでも頑張ってるのよ?w」
なんて少し場の空気が暖かくなるような他愛のない話をする。こうして触れられなくても、話せているだけで俺の心は少し暖かくなった。それは彼も同様なようで、楽しげに笑っている彼を見ては、何処か以前彼が生きていた時のような満たされてゆく満足感を感じた。満たされた感覚が自分を支配しては、途端に皆の顔が思い浮かぶ。彼が死んでいない頃はそれはもう皆がみんな幸せだったと。思い出して、また少し泣きそうになる。視界がぐらりと揺れて、頬を雫がつつ、と伝いながらも流れてゆく。いきなり泣き出した自分を見て慌てた様子の彼に泣き止まなければ、と涙を堪えてみても、お構い無しにそれは瞳から溢れ、零れ落ちた。彼はおどおど、と慌てた様子を見せては、何かを思いついたように、ふわり、後ろからとんとん、と一定のリズムで背中を撫でてくれる、視界がぼやけて余り見えないし、撫でられている感覚なんてないけれど、またなにかが込み上げてきて、ぼろぼろと溢れてくる。自分でも聞こえるか疑うほどの小さな声で、「みんな、みんなぁ、」なんて咄嗟に零れ落ちた言葉に、幽霊の彼、どこか、哀しげな顔をした。
「泣き止むまで、こうしてますから。」
自分が死んでしまったから、それを悔やんでいるからか、申し訳なく思っているのかは分からないが、未だに哀しげに俯きながらも、背中をとんとん、と撫でてくれる彼に、君のせいでは無いのに。ごめん、ごめんね。と心の中で謝ることしか出来なかった。
「はあ!!?おんりーチャンは俺にしか見えない!!??」
「はい、僕が皆さんを説得することが出来たら一番良かったんですけど。」
あれから数十分、涙は収まることがなかった。けれど、慰めてくれる彼に、ようやく心が追いついたのか、涙は止まってくれた。泣き止んだ後、つい、疲れてしまった為自分は疲れて眠ってしまった。起きると、最近寝れていなかったからだろうか、丸々二日ほど経過しており、驚いてしまった。その間も黄色の彼は考え事をしながらも、俺のそばにいてくれたみたいで、なんだか心がチクチクすると同時に、嬉しさを感じたことも事実だった。昔では彼の行動一つ一つに嬉しさを感じることになろうとは考えもしなかったろうに。こうしてはいられない、自分も活躍をしなければ。と思い立ち今現状に戻る。どうやら俺の先程まで考えていた計画は全て潰れてしまったようだ。彼に説得をしてもらい、皆を立ち直らせる作戦だったのだが、潰れた理由は簡単。彼は自分、ぼんじゅうるにしか見えないという衝撃の事実が判明したからである。ではどうするべきか?
「無理だよおんりーチャン!!流石にこれは無理だって!俺一人で説得!?無理無理無理!!」
「僕だって手伝いたいですよ!でも皆のところ言っても気づいて貰えなかったんだから。早く手伝ってもらわないと。」
断固拒否をする俺VSはよやれやあ、精神のおんりーチャン。尚、絵面は想像を絶する程カオスである。大の大人である俺が全力で拒否をしている姿なんてみんな見たくないかもしれない、けれど!!!それでも!!!俺は!!!無理だ!!!絶対に!!!
一度上げて落とされたら、そう簡単に戻っては来れない。二人になり、彼が説得することが出来る!と思っていたのにも関わらず、何故か自分としか喋れないこの状況。流石にやる気も勇気もすり減ってしまう訳で、皆のやばさを知っているからこそ、自分はどん底に落とされた気分だった。
「ぼんさん!!今皆を助けれるのはぼんさんだけなのわかってます?!しっかりしてください!!」
「でも、俺一人で皆をなんて無理に決まって、」
「説得する時『は』、ひとりなだけ!!作戦会議時には僕も勿論手伝いするし、でも、ぼんさんがここで折れたら終わりです、皆さんを、僕を助けてください。ぼんさん。」
何度拒んでも勇気が無くなった自らに、真っ直ぐ、こちらへと手を差し伸べてくれる彼に、自分の決意は揺らいで、自分も彼の期待に答えてみたいと思ってしまうほどに、それほどに優しく、それでいて心強い、一筋の希望のように輝く彼に自分は、勝手にこくり、と頷いていた。
「期待しすぎたら、だめだからね。俺役立たずになる、可能性しかないから。」
「役立たずって⋯、」
そんなことないのに、と言いたげな彼に、首を思い切り横に振っては、改めて、宜しく。といった意味合いをこめて、手を差し伸べてみる、触れられはしないけど、握手してる感じには見えるだろう。
「よろしくおねがします、ぼんさん。」
「ン。宜しく、おんりーチャン。」
こんなドタバタなスタートでも、これから、一歩づつ、着実に進んでいくしかないのだから、俺らなりに頑張ってみようでは無いか。
──────続く、
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