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#公安
あーむ
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おい、あと三分で相手の巡回が来る。まだか」
モニターの淡い光だけが照らす薄暗いセーフハウスで、黒須駿は苛立ちを隠さずに時計を睨んだ。いつもの人懐っこい笑顔は消え、その眼光は「別班」の冷徹な工作員そのものだ。
その背後、キーボードを叩く凄まじい打鍵音だけが部屋に響いていた。
太田梨歩。かつて「ブルーウォーカー」と呼ばれ、世界を震撼させた天才ハッカーの指先は、今や芸術的な速度で画面上のコードを書き換えている。
「うるさいわね、黙ってて。……天才を急かさないでよ」
太田は額に汗を浮かべながらも、不敵にフッと笑った。
今回の任務は、バルカ共和国の残党が潜伏する国内のダミー会社への潜入。黒須が現地に忍び込むための「防犯カメラのループ(偽装映像への差し替え)」と「セキュリティロックの解除」が太田の仕事だ。
「相手は民間のセキュリティじゃない。政府系の暗号を流用してる。生半可な組み込みじゃ一瞬でバレるわ」
「お前の腕を信じて、俺は命を預けてるんだ。頼むぞ、ブルーウォーカー」
黒須が低く、しかし確かな信頼を込めて告げる。その言葉に、太田のキーを叩く手に一瞬、力が入った。
最初は犯罪者と、それを監視する別班という関係だった。だが、乃木憂助という規格外の男を介して、二人は奇妙な協力関係を結ぶことになった。黒須の容赦のない、しかし真っ直ぐな行動力と、太田の圧倒的なサイバー技術。水と油のようでありながら、噛み合えばこれ以上ない武器になる。
『――システム、クラック完了。バックドア設置したわ』
画面に「ACCESS GRANTED」の緑色の文字が躍る。
「……よし。カメラを切り替える。黒須、行って」
「助かる。――お前の席からは、俺の背中がよく見えるだろ? 瞬きするなよ」
黒須は無線機にそう言い残すと、闇の中へと音もなく滑り出していった。
太田はモニターに映る、カメラの死角を完璧に突いて進む黒須のGPSドットを見つめる。
「……バカね。瞬きくらいさせてよ。目が痛くなるじゃない」
画面を見つめる太田の口元には、少しだけ楽しそうな笑みが浮かんでいた。彼女の指先は、今度は黒須の退路を確保するために、再びキーボードの上で踊り始めるのだった。
コメント
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いやー、これめっちゃ熱いっすね!黒須さんの「別班」時のクールな雰囲気と、太田の「ブルーウォーカー」としての圧倒的スキルの掛け合いがたまらん。二人の関係性が水と油で尖ってるのに、乃木さんを介して築かれた信頼がひしひし伝わってくる。特に「瞬きするなよ」に対して「バカね」って返すとこ、めっちゃ好き。本編知ってる読者にはたまらないスピンオフ感!続き楽しみにしてます🔥