テラーノベル
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「んえ〜…なんか美味そうな匂い〜」
俺がまだ暖かい肉にフォークを伸ばしていた時、ベッドの方からのそのそと匂いにつられて歩いてくるmtw。
肉に伸ばしていた手を止め、「調子は?」と彼に聞く。mtwはそのまま眠そうに目を擦りながら「だいじょぶ〜」と一言。
すとん、と向かい側の席にmtwが座り、やはり彼も最初に肉に手を伸ばす。これはやはり男の宿命だろう。なんなら野菜食べたくないし…。(ワガママなのは分かってる)
「ん〜!うまい!」
ニコニコしながら肉を頬張るmtw。それを俺も負けじと肉を口の中に放り込みながら眺める。やっぱりmtwの右目は赤いままで、元の色に戻っていなかった。
窓の外からは色とりどりの光が夜を彩っている夜景に、賑やかな声が聞こえる。あとで食器を取りに来たrimrさんにでも聞いてみようかな、外のこと。
騒がしい外とは対照的に、この基地の中はシーンとしている。廊下は基本的には誰ともすれ違わないし、こうして部屋の中にいても音ひとつ聞こえない。
「iemn食べないの〜?」
そんなことをぼーっと考えていると、目の前の席に座っているmtwが聞いてくる。今言われて始めて気づいたが、俺の食べる手は止まっていたようだ。
「ああ、いや俺も食べるよ」
「iemnのそれ、食べていい?」
食べる、と返答した直後にその質問をするのはさすがmtwといったところか。彼が指さす先には春巻きのようなおかずが数本。見てみればmtwはもう完食していたようだった。
「え〜、じゃあ一本だけなら」
そう言いながら春巻きを一本、箸でつまみmtwの皿の上に移動させる。春巻きが皿の上に置かれた瞬間mtwによってそれは消滅したわけだが。
「美味し〜っ!ありがと〜!」なんて言いながら口をもぐもぐとさせているが、もう少し味わって食べて欲しいものだ。俺はまだ一皿フルで残っているのに。
食事が運ばれてきてから30分ほどたっただろうか。それぐらいの時に、扉をノックする音が響く。
「失礼しまーす。お皿回収しに来ましたー」
そう言いながら部屋の中に入ってきたrimrさんは、皿を回収するとそのままどこかへ行ってしまう。外のこと聞こうと思っていたのにその忙しそうな顔を見て、聞くことなんてできなかった。
そのどこかへ歩いていくrimrさんの背中を見ながら扉を閉め、くるりと振り返るともう既にベッドに寝転んでいるやつが一人。せめてその隊服を脱いでからにして欲しいものだ。
普通にベッドに戦闘の時に付いた血が着いちゃうし
「せめて風呂入ってパジャマに着替えてから寝ろよ」
そう言い、mtwを揺すって起こす。mtwは不満そうな顔をしながら目を擦り、起き上がる。ここまでして初めて気づいたのだが、俺ここの風呂の場所知らない…。
これはまずい。人に風呂に入れとか言っておきながら風呂の場所知りませんでした。とかやっていることが馬鹿そのものだ。どうにかしなければ…。
「風呂ってこれだよねぇ」
そう言いながら部屋の奥を指すmtw。その先を見てみれば、確かにいかにも風呂って感じの扉がある。mtwはそのままテクテク歩いていって風呂の扉を開ける。
その先には、ここは個室なのにも関わらず、広〜い風呂があり、なんなら露天風呂まで付いていたのである。いやここホテルかなんかか?…いや、ホテルでも個室に露天風呂なんてないか。
「…これどうやって使うの?」
風呂場の中を探索(?)していたmtwがくるりとこちらを振り返り、聞いてくる。mtwが指さしているものを見てみれば、シャワーがあった。
「シャワー?使い方って、普通になんかここを回して、お湯を出してそれを浴びるんじゃないの?」
「へー、mtw初めて知った」
シャワーの使い方を初めて知ったって、こいつは本格的にどんな暮らししてきたんだよ…悪魔は人間と根本的に暮らしが違ってきたのかもしれない。いやこいつが悪魔かは知らないが。
mtwは面白そうにレバーをくるくる回してお湯を出したり止めたりして遊んでいる。…ここで思った訳だが、こいつ一人で風呂入れるのか?いきなり風呂に溜まっているお湯を全部抜くとかされたら、俺がたまったものじゃかい。
「…mtw、今日は風呂いっしょに入ろう」
「ん?いいよ〜!!」
ニコニコしながら返してくるmtw…。こいつ本当にピュアというか、純粋というか、ガキ?いやまあ、ここで拒否を出されて風呂のお湯全部抜くSPされた方が俺的には困るんだが。
「ねぇ〜iemn〜、この脱いだ服どこやればいいい〜?」
そんなことを言いながら唐突に俺の前で服を脱ぎ始めるmtw。おいおいおい、これで俺がかわいい女の子だったらどうしてくれてたんだよ。いや女の子じゃなくてもダメだけどさ
「…そこのカゴにでも入れとけ」
少し目線を泳がせながら言う。本当にこいつは常識がどうにかしてる。なんなら別次元から来たんじゃないか?ってぐらい。
そんなこんなでmtwが服を脱いではポンポンとカゴにシュートを決めているうちに、俺は風呂から上がった後に着るパジャマと、タオルを2人分用意して、持っていく。
「よーし!風呂に突撃ぃ〜っ!」
ノリノリで風呂の中に乗り込んでいくmtw。案の定滑ってコケたわけだが。
「体流してから入れよ〜」
いきなりお湯に浸かろうとしているmtwを止め、シャワーのまえに引きずってくる。
「えー、これ体流すってどうやるのかmtwわかんないんだけどー」
不貞腐れた顔でこちらを見てくるmtw。しょうがないのでここは俺が洗ってやることにした。…こうやって男とイチャイチャしてるのになんの需要があるんだか。
───────────────チャポン
タオルを畳んで頭に乗せ、お湯に浸かる。暖かい感じが体中を巡っていくのがどうも心地いい。
今俺が浸かっているのは、露天風呂。外の夜景が窓から見るより綺麗に見えて良い感じだ。夜風がスーッと温まった肌を撫でていくのもまた良い。
空を見上げれば、無数の星空。星座でも探して遊ぼうかな。なんて思いながら探してみるが、これが案外見つからない。
手をお湯から上げ、上に伸ばす。そのまま掴めそうな星々は、本当は届くはずもない高い高い所にある。…届くはずもない、出来るはずもない…ねぇ。
すっかり冷えきった腕を再びお湯の中へ戻し、目を閉じる。長かった今日を振り返ると、色々、散々だったなあと感じる。まあ、明日からもこんな生活が続くんだと思うと少しわくわくするところもあるが。
「お湯…あったかいなあ」
コメント
4件
男は肉から!!よく分かったるじゃんあっすー!!
神