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君は言った
「次はきっと、明るいから」
君の、最期の言葉
中学生の頃君と出会った
いじめられっこだった私達は自然と仲良くなっていった
一緒に上履きを探しに行ったり
一緒に体操着を洗ったり
一緒に宿題を忘れたり
一緒に机を拭いたり
君はすごく心強かった
君もそうだったと思う
1人じゃない
それだけで心は軽くなった
お互い共通点が多かった
親からの虐待を受けていること
学校でいじめられていること
小学生の頃は普通に生活してたこと
アニメが好きなこと
夏が嫌いで冬が好きなこと
まだまだ色々ある
君は親からは暴力を受けてるって言ってた
私は怒鳴られたり制限されたり物を壊されたり精神的な虐待を受けてた
学校でいじめられてても私達ならへっちゃらだった
アニメの語り合いは楽しかった
好きなキャラ、声優、シーン、色々語り合った
意味のない普通のことで笑いあった
君と2人なら生きていけると思ってた
辛いことも何だって乗り越えられる気がした
けどそんなことなかった
ちゃんと、心には大きな傷がついてたみたい
君も私もいつしか泣かなくなっていたし
親や学校の愚痴も言わなくなっていた
ただ普通の話で盛り上がっていた
そして中学の卒業式後
君と一緒に遊びに行った
私は今の生活が嫌で一人暮らしを始めるために受験をした
君は「中卒する」なんて笑いながら言ってた
だからお別れ会ってことで遊んだ
そして君は私の目の前で自殺した
多分、私は気づいてた
君がここで自殺をすること
けど私は何故か止めなかった
別れ際、気付けば手を振っていた
「次はきっと、明るいから」
「うん、またね!」
私達は泣きながら笑顔で別れた
それから私は両親を説得して一人暮らしを始めた
いじめがトラウマで高校は不登校
それでも勉強、バイト、料理、趣味、色々頑張ってるつもり
彼氏もできたし楽しく過ごしてる
けど、君を思い出すと頭が痛くなって過呼吸になる
笑顔で別れたけど、ちゃんとトラウマになってるみたい
目を閉じると色んな光景がフラッシュバックする
君と一緒に遊んだ時、いじめられてる時、家にいる時、君に出会う前
懐かしくて、悔しくて
君への罪悪感と自分への嫌悪感
一生忘れられない出来事
君の言葉、借りるね
「それでもきっと、明るくなるから」
fin~