ウマヅラハギは、布団に包まりながらスマホの画面を見つめ、いつものように紅茶に通話をかけた。呼び出し音が数回鳴った後、軽い「もしもし?」という声が返ってきた瞬間、ウマヅラハギの心は自然と落ち着いていった。
「紅茶さん、こんばんは。」ウマヅラハギは、少し控えめに挨拶を返す。
「おう、こんばんは。今日も元気そうやな。なんかええことでもあったん?」
心の中にじんわりとした温かさが広がる。紅茶の声は特別だ。ただの挨拶でも、何度聞いても胸がときめく。
「別に…でも、紅茶さんと話すのが一番の楽しみかも。」
「それは嬉しいこと言ってくれるやん。」 紅茶は軽く笑いながら答える。その笑い声すらも、ウマヅラハギには心地よかった。まるで自分だけの特別な音みたいで、無意識に耳を澄ませてしまう。
「…紅茶さんって、ほんといい声してるよね。」ウマヅラハギは、ぽつりとつぶやいた。
「急にどしたん?褒めても何も出えへんで。」紅茶は笑って返すが、ウマヅラハギは真剣だった。紅茶の声には、不思議な魔力がある。落ち着いていて、でもどこか温かくて、ずっと聞いていたくなる。
「…別にお膳立てしてる訳じゃないよ、本当に好きなんだよ。紅茶さんの声。」
「…お前、ホンマに何かあったんちゃうか?今日は一段としおらしいやん?」紅茶は軽くからかうように言ったが、ウマヅラハギは頬を少し赤くして、いつものツンとした態度を少し崩したまま続ける。
「そんなことない。紅茶さんの声、ただ聞いてるだけで、なんか安心するんだ。落ち着くっていうか…」ウマヅラハギの声は少し控えめだったが、まるで恋する乙女のような甘い声をしている。
紅茶はそのまま黙っていたが、微かに息を飲む音が聞こえた。それがウマヅラハギの耳に届くと、胸がトクンと高鳴った。
「…ほんまに、お前どうしたん?なんか変やで。俺の声で落ち着くとか…そんなこと言われたら、なんかこっちが照れるやんか。」紅茶は少し照れ隠しをするように笑いを交えて返すが、その言葉の端々に感じる柔らかさに、ウマヅラハギはますますドキドキしていた。
「だって、本当にそう思うんだもん…」ウマヅラハギは紅茶に少しだけ甘えるように声を出す。普段なら素直になれない自分が、紅茶の声を聞いているだけで、自然と感情がこぼれ出る。
「…お前、今日はほんまに可愛いな。いつもやったら、もっと生意気やのに」紅茶は軽く冗談めかして言ったが、ウマヅラハギはその言葉に少しムッとしながらも、逆にそれを利用するかのように、さらに紅茶に甘い声で続けた。
「…紅茶さんだって、僕に優しいじゃん。いつも…こうやって、声かけてくれて…」
「そりゃ、俺にとってお前は大事な存在やからな。」
その言葉がウマヅラハギの胸にじんわりと染み渡る。紅茶の言葉は、いつもシンプルだけど、だからこそストレートに伝わってくる。
「…そんなに言われたら、僕…ほんとに調子に乗って勘違いしちゃうよ?」
「ええで、乗っとけ。その方が好都合やし、俺もお前と話してるの楽しいからな。」
「もう…本当にずるい、紅茶さんって。」ウマヅラハギは顔が熱くなるのを自覚する「ずるいのはお前やろ?そうやって、俺をドキドキさせて…」紅茶は軽くため息をつきながら、ウマヅラハギに返す。ほんの少し低めの声が、ウマヅラハギの耳に優しく響く。
ウマヅラハギの心臓が早鐘を打った。自分が紅茶をドキドキさせている?そんなこと言われたのは初めてだったから、思わずスマホを握りしめてしまう。気づかないうちに、紅茶が自分と同じ気持ちになっていた。という考えが、頭を熱くさせる。
「…僕が、紅茶さんをドキドキさせてる…?」ウマヅラハギは、驚きと戸惑いの入り混じった声を出す。
「せやな。お前の声、俺だって好きやし。こうして話してると、つい意識してまうわ。」紅茶の声は、少しだけ甘さを含んでいて、それがウマヅラハギの胸をさらに高鳴らせた。
「紅茶さん…それ、ずるいよ…僕も、もう…」ウマヅラハギは声を震わせながら、言葉を続けようとしたが、そこでふと紅茶が優しく笑う声が聞こえてきた。
「ほら、また調子に乗ってるやろ?ええんやで。そういうお前が、俺は好きやから。」
その一言で、ウマヅラハギの心は一気に揺さぶられた。紅茶の声が、自分の心に深く響いていく。ウマヅラハギは息を止めて、胸の高鳴りを抑えようとするが、紅茶の優しい言葉と甘い声がそれを許さない。
「紅茶さん、ほんとに…ずるい。」
「お前が俺をドキドキさせた分、ちゃんと返しとるだけやんか。お互い様やろ?」
ウマヅラハギはもう、紅茶の声だけで完全に心が乱された。彼の砂糖みたいに甘い声が、自分に向けられている。思わず水を一気飲みした。
「…やっぱり、僕…紅茶さんの声が好き。」
「俺もやで。」紅茶に優しく返されウマヅラハギはその空気感に耐えきれず無言で通話を切った
コメント
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このペア大好き神すぎる