「なにこれ」
2月14日
碇シンジと渚カヲルはいつものように2人で学校に登校していた
学校に着いてカヲルは上履きを取ろうとしていた時だった
カヲルの靴箱には10個、もしくは10超える位のチョコが入っていた
カヲルはそれを見て不思議そうにしていた
「ねぇ、シンジ君これなに?」
そう一緒に登校してきた碇シンジにカヲルは尋ねた
シンジはそれを見ていつものように嫌そうに答えた
「バレンタインデーだからじゃない…」
「バレンタインデー?なにそれ」
カヲルはどうやらバレンタインデーを知らないようだった
それを聞いたシンジは『は?』と言って
「そんなのも知らないの?」
とカヲルに向かって言った
カヲルは『知るわけないじゃん』といつものようにシンジに言った
この2人は仲がいいのか悪いのかイマイチで学校でも少し話題になっているのだ
そんな中、カヲルは肌の色も白く、スタイルもいい為か女子達に良く告白をされる位の美少年として学校で知られている
しかしカヲルは告白されても
『ごめん、シンジ君がいるから無理』
と今まで告白してきた女子達にそう答えているのだ
カヲルはシンジの事が好きらしいがシンジは『好きじゃない』と答えるのだ
それもそうだろう
今までカヲルはシンジの地雷を見事に踏み続けて来ているのでシンジはカヲルが余り好きではないそうだ
だがそんなシンジは〝好きじゃない〟と言いつつカヲルの相手をしたり今日のように登校したり、なんならカヲルの家にここ数ヶ月泊まっているのだ
だから実際仲がいい、悪いは謎に包まれたままなのだ
「ねぇ、バレンタインデーってなんなのさ」
カヲルはまたしつこくシンジに聞くのだった
すると苛立ちながらもシンジは
「チョコを渡す日だよ!!このバカ渚…」
そう言いシンジはささっと階段を上がり教室に行こうとした
カヲルはそれに急いで追いかけまたシンジに話しかける
「チョコを渡す日って事は僕が君にチョコを渡してもいいって事?」
シンジの顔を覗くようにカヲルは聞いた
シンジは『勝手にすればいいじゃないか』と言い放つ
カヲルは『ふーん』と言い
「じゃ、この後店でチョコ買って君に渡そうかなぁ」
と嫌らしい笑みを浮かべながらシンジと教室に向かった
その後もカヲルは同じクラスの女子、その他の学年の女子達から沢山のチョコを貰ったのだ
チョコの数は1人じゃ持って帰れないほどだった
それをずっと見ていたシンジは少し不機嫌そうな顔をしながら帰宅準備をしていた
「…」
カヲルはシンジが不機嫌そうな顔をしているのに気付いたのかシンジの所へと行き
「こんなに貰ったんだけど家に帰ったら一緒に食べない?僕一人じゃ到底食べれないんだけど」
とシンジへと話しかけた
だがシンジは
「渚に渡した物なんだから渚が食べろよ」
シンジは少し怒りっぽく答えた
カヲルは何故シンジが怒っているのか分からなかった為シンジに
「何?なんで怒ってんの?」
と問いかけた
するとシンジは突然立ち上がり黙って外へと走って出て行ったのだ
その姿をみてカヲルは尚更怒っている理由が分からなかった
学校の屋上に来たシンジはポケットから少し小さめの箱を取り出したのだ
その箱の正体は実はカヲルへと渡そうとしていたチョコだったのだ
実はシンジはカヲルが知らない間にチョコを作っていたのだが今回女子達から沢山チョコを貰ってるカヲルの様子を見て
(これじゃ、あげても食えないだろ…)
そう思っていたのだ
だからシンジはそのチョコの入っている箱を取りだし屋上の柵の先へと投げようとした
(こんな事になるなら作らなければよかった…)
そう思いながら手を振り下ろそうとした瞬間後ろから突然腕を掴まれたのだ
「え?」
急に腕を掴まれたのに驚き、後ろを慌てて振り返ると
「何投げようとしてんの」
と先程まで教室で話していた人物がいたのだ
「な、なんで渚がここにいるんだよ…」
「君が急に怒って外に出ていくからに決まってるじゃん」
そうカヲルはシンジへと言う
そして
「その手に持ってるのってもしかして僕に渡そうとしてた奴だったりする?」
とシンジに聞いた
「別に…渡したってどうせ食わないだろ……あんなに貰ったんだから」
シンジはカヲルに掴まれた腕を振りほどきながら答えた
するとそれを聞いたカヲルは口を開き
「なんで、僕が食べないって思うの?まず僕、君以外から貰ったチョコ元から食べる予定ないんだけど」
平然とした顔でシンジへと話した
シンジは『は?』と声を上げながらカヲルの顔を見ながら
「なんで僕からの奴しか食べないんだよ…せっかく君の為に作った女子達が可哀想だろ」
と言うがカヲルは
「だって僕君の事しか好きじゃないから別に好きでもない奴からのチョコなんて食べないよ、そんな事よりその手に持ってるチョコ早く頂戴」
そう言われたシンジは諦め、『あっそ…好きにすれば』とカヲルに手に持っていたチョコを押し付けてカヲルのいる反対方向へと顔を向いた
シンジからのチョコを無事貰ったカヲルはその場で箱を開けて『いっただきマース』とシンジからのチョコを頬張った
美味しそうにチョコを味わうカヲル
そんな中シンジは未だにカヲルのいる反対方向を向いたまま俯いていた
その顔を見ると赤くなっておりいつもより体温も少し高くなっているようだった
「渚のバカヤロウ…」
そう呟き事なきを終えた
コメント
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カヲシンの短編小説用の場所です 思い付いて出来た短編の奴をドンドン出していく予定です