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#宇善
32
⚠️Attention, please!⚠️
☆宇善です。
☆途中過激な表現、流血やグロ含みます。最終的にはほんわか展開です
☆家族パロあります
☆何でも許せる方向けです。
ー目次ー
1ー 願い事
2ー 危機
3ー 桜の木の下で
──────────1──────────
セミがミーンミーン、と鳴く中、音柱邸で、2人が縁側に腰掛けていた。そうして1人が言ったのだ。
「はーぁ、せっかく女の子に告白されるなら桜の木の下がいいなぁ。」
「お前は告白すらされないだろ。」
「は!?」
金髪の方がそう呟くと、銀髪の派手な方が言った。
「んま、お前が誰にも告白されなきゃぁ俺がしてやるよ」
そう言って口元を上げニヤニヤ笑っていると「は?気持ち悪いですよ。」と返された。
「チュン!チュチュン!!」
「うわっなんだよチュン太郎!って痛い!」
ツンツンどころかグサグサと善逸の頭部を刺す雀は チュン太郎 。
どうやら任務のようだ
「うげぇ〜、行きたくない…」
「おらっさっさと行った」
ドンッと宇髄が善逸の背中を叩くと勢いで転びそうになった。
転びそうになった元凶の人を善逸は睨みつけてから、ようやく「行ってきます。」と言葉を残して音柱邸を後にした。
暑さで汗ばむ手の平にチュン太郎を乗せながら任務へ向かう。
「チュン太郎〜、任務やだよぉ…」
目尻をいつも以上に下げ、ポロポロと涙を零しながら雀のチュン太郎へ話しかける。
「チュン!チュンチュン!」まるで頑張りなよ!とでも言っているかのように小さな羽をバサバサと動かし善逸に伝えるが、炭治郎でもない善逸には鳥の言葉がわからず頭の上にクエスチョンマークが浮かぶ。
「何言ってるかは分からないけど…頑張れって言ってる?」
「チュン!!!!」
そんなやり取りをしながら薄暗く、雰囲気が出ている森の奥深くへと1人と1匹は進んで言った。
善逸は耳がいい。
それは心音や血の巡りから感情の音まで聞き取れてしまう。
そして女性の音はキラキラとした可愛らしい音。男性はゴロゴロとした強い音。
そして、人間じゃない音も分かってしまう。
その音は闇深く、怖がりな善逸を更に怖がらせる音だった。
「ひっ」
森の奥深くへ進んでいく途中、急にバサバサバサーッッと音がした。
それは鬼かと思ったが、木から飛んで行ったただの野生のカラスだった。
それに善逸は安心したけど…
「おやぁ?珍しい髪色の子だね。」
「え………」
まるで ギギギ… と音がしそうな動作で声がした方を振り返ると、醜い異型の形をした人間では無いもの、鬼がいた。
「い……イィィィーーーヤァァァァァァァーーーーーッッッ!!!!!!」
眼球が飛び出そうな程に目を見開き、善逸は汚い高音を上げる。
異型の鬼よりも気持ち悪いのではないかと思われる行動に、流石の鬼でも戸惑ってしまう。
「ナニアレナニアレナニアレ!?きっもちわるぅ!!!オエッ顔が!!顔が刃物なんですけどォォォォッッ!?」
そう、異型の鬼は首からハサミが生えている。そして腕と思われるものは赤い糸を付けた縫い針が生えている。
「ぱうっ……」
その見た目を見た善逸は口から魂を吐き出し気絶する。
脱力された体は倒れるかと思ったが、クルリと華麗に体制を変え、刀を構える。
「雷の呼吸 壱の方 霹靂一閃」
ズドンッと稲妻が走ったと思えば善逸は鬼の真横に居た。
そのスピードに鬼は驚き声をかける。
「いや、早いねえ君。もう少し俺が避けるの遅れていたら、首を跳ねられていたよ。」
「シィィィィ……」
鬼はその呼吸音を前にして身構えた後にビュッと自分の腕であろう縫い針を伸ばし善逸の腹部へと刺した。
「ッ!」
「アハハハハ!攻撃をするまでが遅いんだよ。君。」
また鬼が攻撃をしようとした所で善逸の1番の自慢所である速さで後ずさった。
「雷の呼吸 壱の方 霹靂…」
「君、その技しか使ってないよね。その速さは尋常じゃないぐらいに凄いけれど、俺は雷の呼吸の技を全て知っているんだ。特に、壱の方をね。」
善逸の頭上には影が出来ていた。
──────────2──────────
炭治郎が蝶屋敷へ戻ったら、蝶屋敷がバタバタしていた。
どうしたのかな?と思っていたら丁度アオイさんが炭治郎の近くへきた。
「炭治郎さん!」
「アオイさん、どうしたの?なんだか忙しそうなんだけど…」
「善逸さんが危険な状態で!」
「え?」
炭治郎が急いで駆けつければ
善逸は沢山の包帯を巻いて眠っていた。
「善逸!?」
「よォ、竈門。」
善逸の近くの椅子には宇髄さんが座っていた。
「えっ宇髄さん?どうしてここに…」
「宇髄さんが善逸くんを助けてくれたんですよ」
しのぶさんが来て、善逸の診察をするからと炭治郎と宇髄さんは追い出された。
炭治郎がふと宇髄さんを見上げると、目にくっきりと隈があった。
「宇髄さん…隈が、」
「ああ、最近眠れてねぇんだよ。」
今気づいたのかのように目を擦る宇髄さんに善逸のこと心配してるのかな…と考えたら善逸の事を思い出して「善逸は大丈夫なんですか!?」と聞いてみる。
「あ〜…命の心配はねぇよ。ただ、目が覚めるか分からねぇ。」
炭治郎はほっとした後にその言葉に奈落の下へ叩きつけられた。
「え?それって…目が覚めないってどういう事ですか!?」
「ちと長くなるんだけど…」
「ぅぅ…ッ」
彼の目から流れ続ける赤い涙が地面を叩く。
「あーあー、痛いねぇ?目、取られちゃったもんね?」
それを言う鬼の手には善逸の眼球が握られていた。
「目を閉じてたからさ。俺の腕を刺して無理やりこじ開けたら目が綺麗なんだもん!思わず取っちゃったよね〜」
そして鬼が口へ眼球を運ぼうとする直前で鬼の腕が跳ねられた。
「あれま。切られちゃった 柱かな?」
「ふざけんじゃねぇ。」
「…俺にそんな事言わない方がいいよ」
ヒュッと光の速さで移動した鬼は善逸の体を縫い針で掴んでいた。というよりも刺していた。
「じゃあこうしよう!このままじゃ俺負けちゃうから、君が攻撃したら俺がこの子の首を跳ねる!」
「ッチ、」
そして宇髄さんは自分の最大限の速さを出し、なんとか善逸を傷つけずに鬼の首を斬った。
「なっ!?視界が……暗転する!!首を…?斬られたのか!?信じられない、嘘だ!嘘だ!!!! 」
そんな鬼の言葉を無視して宇髄さんは善逸を背負った。
「死ぬなよ。絶対、俺が助けてやるから!!」
「そうだったんですね……」
「おう……」
会話をし終わると沈黙が訪れた。
やっぱり、善逸のことが心配なんだと炭治郎は思った。
「すみませ〜ん、診察終わったので入って大丈夫ですよ〜。 」
この気まづい沈黙を破ったのはしのぶさんだった。
どうやら診察が終わったらしい
「あ、はい!」
「カァー!カァー!新シイ任務ダァ!」
「えっ任務!?」
「善逸のことは俺が見とくから行ってこいよ。」
そう宇髄さんが言うと炭治郎は少し考える素振りをした後顔を上げた。
「そうですね、任務行ってきます。」
そうして炭治郎の事を見送った宇髄さんは善逸の元へ向かった。
「善逸……目、お揃いになったな。」
その日、外は土砂降りの雨だった。
ザァザァと降って、一向に雨は止む様子はない。
それを桶を持ちながら宇髄さんは縁側で見ていた
そして、宇髄さんが足を進めた場所は、善逸のいる部屋だった。
そしてテキパキとタオルを水の入った桶に入れて、絞り善逸の額へ乗せた。
どうやら、傷の反動で熱を出していたらしい。
それは高熱で、39度を超えるほどだった。
それに、外は雨も相まって宇髄さんの心境は最悪だった。
「善逸……いつ起きるんだよ、、」
真っ暗だった。
壁がなくて、永遠に続いてる異空間
俺はこれが夢だって分かってた。
こんなことをしてもどうにもならないのに善逸は真っ暗な場所を歩く
「ねぇ」
「えっ?」
急に声をかけられた。
この場所には自分1人しかいないと思ってたから、善逸は驚いたのだ。
「もう、分かるでしょ?」
そう言ったのは、善逸に似た…いや、善逸そのもの。
「なにが、」
問われた善逸はなんの心当たりもなく、なにが、としか答えることが出来なかった
「はぁ?分かんないの?。君、ここがどこか分かってるよね?」
「夢…?」
「ふざけたこと言わないで。もう現実逃避はやめなよ。ここは生と死の境、つまり君は今死んでもおかしくない状況ってこと。そろそろしがみついてるのやめたら?」
そう言われた善逸は目を開いて固まった。
生と死の境?、ここは夢じゃなかったのか、俺はもうすぐ死ぬのかとぐるぐると回る思考が言葉を発そうとする口を邪魔する善逸にもう1人の善逸は言った。
「いい?もう選択肢はないの。死ぬしかないんだよ」
と、でも善逸は死にたくない。
今まで散々死にたい死にたいと騒いできた彼でも、実際は死にたくないのだ。
善逸は、まるでもう1人の自分に死ねと言われてるような気がしてもう1人の自分の胸ぐらを掴んでいた。
「やめろよっ!!俺が、俺がすぐに死ぬことなんて分かってる…でもそれを言うのは違うじゃん!!他人になんか口出しされたくない…」
「他人?何度も言うけど、分かってるの?俺は、俺自身。あっ、分かんないよね…うーん、俺は君の心、って言えばわかるかなあ?」
そう言ったもう1人の善逸は善逸の胸元をトン、と叩いた。
当の本人は、意味がわかんないという顔をしてもう1人の善逸を睨みつける。
「そっちこそ現実逃避はやめなよッ!?なんだよそれ…!俺は俺一人しかいない、誰も俺の辛さなんか分かってくれない!!俺に、俺のもう1人がいたなら、俺は…今までの人生、全部楽しいはずだったよ…」
「…生意気だなぁ。頭に来たよ。俺がせっかく今まで助けてあげてたのにそれはなくない?…もう、ずっと地獄見せてあげる。今ね、君がここ、ううん。無意識領域にいるのは俺のおかげなんだよ。君が死にたいって思ってたから生と死の境に居るの。君が今は生きたいって感じてるから死なないだけで本当は今死んでもおかしくない状況。これは俺の力でここに存在させてあげてるんだけど…もう、いいや。お前なんかにこんな力を使うなんて…現実世界でのうのうと生きてろよ。」
もう1人の善逸が言い終わると、善逸の体はふわりと浮き上がる。それに善逸は驚いたけど、ハッとしてもう1人の善逸に顔を向けた。
「もう1人の俺!!自分の思うことばっか言っちゃってごめん!今まで自分の力を使って俺を幸せにしてくれてありがとう!また、いつか会えたらなんかお礼させてーーッッ!」
もう1人の善逸は善逸を見上げながら、目を見開いて驚いた。けど、その後すぐに穏やかに笑って「バカ、お前が上に行けば俺はもう必要ないよ。」と言って塵になって消えた。
「ぅずいさん…?」
「善逸!?起きたか…!良かった…」
「ふふ、宇髄さん…目の下の隈…凄い…」
「そうか、?善逸は、寝すぎて目の下の隈、もう無いぞ。」
「もう、無いんだ…でも、まだ眠いや…」
善逸は気絶するように眠った。
宇髄さんは、善逸の頭を撫で続けた
──────────3──────────
「善逸。無理しなくていいから、俺の行きたいところに付き合ってくれるか?」
宇髄さんがそう言ったのは、善逸が目覚めてから何日も経った頃。
ずっと目が覚めなくて寝たきりだった体は筋肉が衰弱して足が立てなくなってしまっていたが、蝶屋敷の者達が必死に治療やらなんやらをしてやっと立てるようになったのだ。
そして、大きい傷は治ってないものの、かすり傷がもう無くなった頃に宇髄さんは言ってきた。
勿論体が痛いとかそういうのはないから善逸は勿論ですと答えたけれど、元柱が俺を呼び出すなんてどうしたんだろうと考えた。
今までは、善逸が悪戯で屋敷へ入ったことは度々あったけれども、宇髄さんから呼び出される事は初めてで善逸は内心緊張していた。
「宇髄さん、どこに行くんですか…?」
「ん〜、内緒。でもド派手にスゲェ場所だぜ!」
宇髄さんと善逸は身長が30cm近くも違っていて、勿論歩幅も結構変わる。そんな宇髄さんに手を引っ張られて、全然善逸の歩く速さに合わせようとしない宇髄さんに善逸は転けそうになりながらも早歩き、というか走りながらついていった。
どんどん人気の無いところに進んでいくかと思えば、人気の無いどころか薄暗い、やばい雰囲気の所へ連れていかれて行ったのだ。善逸はやばくない、?と思いながらも、光が見えたので宇髄さんの背中にくっついていった。
そして到着した場所は桜の木の花が満開になっている、綺麗な花畑だった。
「わぁ、!!綺麗…!」
「だろ?俺も初めて見た時は驚いたぜ」
「凄いですね宇髄さん!!こんな場所を見つけられるなんて…!!」
「まあ俺は神だからな!」
善逸は桜に興奮しながら足元に落ちている花弁を拾って、口元に近づけた。
「俺、花畑は沢山見たことがあるんですけど…こんなに綺麗な桜の木を見るのは初めてです!」
そう言ってへにゃぁと笑う善逸に宇髄さんは善逸の手首を掴んだ。
びっくりした善逸は手に持っていた花びらを落としてしまうけれど、そんな善逸さえ宇髄さんは美しいと思った。
善逸の事を好きだと自覚したのはそう遠くは無かった。
光に反射してキラキラとしている金髪の髪、そしてすぐにコロコロと変わる表情、その他諸々と所持している善逸に宇髄さんはいつの間にか恋をしてしまっていたのだ。
「善逸。好きだ 」
「え…?」
善逸も変わらなかった。魅力的な宇髄さんに惹かれて、いつの間にか恋をしてしまっていた。
好きだ。と言われた善逸はぽろぽろと涙を流した。
嗚呼、俺はなんて幸せなんだと思った。
「俺も…好きですぅ…!」
「その…恋人に、なってくれないだろうか。 」
珍しく頬を染める宇髄さんに善逸ははい!俺で良ければ!と返しそうになったけれどそんな言葉は飲み込んだ。
「でも…俺っ…男だし…」
「それでも好きなんだ。」
「片方の目、無いし…」
「それは俺も同じだ。」
ああ言えばこういう宇髄さんに善逸は困った。「そんなに俺と恋人になりたくないか?」と言われると、そういう訳じゃない。恋人になりたくない訳ではなくて、こんなにいい人に俺なんかが恋人でいいのだろうかと思ったのだ。
「善逸、俺なんか。って言うのはやめてくれないか?」
「えっ?」
「お前、考えてること全部口に出てるぞ。」
クスクスと笑う宇髄さんに目を離せなくなる。
そんな、俺声出てたの!?と驚く善逸に宇髄さんは言った。
「俺は、善逸だから恋人になりたいんだよ。善逸も俺と恋人になりたいんだろ?じゃあ、いいじゃねえか」
「うっうぅ〜…はい…」
了承を出すと宇髄さんの顔がぱあっと明るくなった。
そうして宇髄さんと俺は恋人になったのだ。
「こんな事もあったよね〜」
「そうだなぁ。」
「うぅ…あ〜ぅ」
「ふふっ、母さんと父さんはこんな事があったんだよ〜?」
「んー!」
「言葉、通じるのかねぇ。」
金髪と銀髪の2人に囲まれる赤子は幸せそうに見えた。