砂鉄side
「…少しは楽になった?」
「うん、ありがとね、砂鉄…」
椅子の背もたれに首を預けて、天井を見つめているチョモに話しかける。
凛子の御参りに行きたいところだが、今日は無理そうだ。と、思っていたが、
「じゃあ、おまいり、行こっか、早めがいいでしょ、」
スっと立ち上がった。さっきの発作を感じさせないくらいにスっと、
「大丈夫なの?別に明日でもいいんだよ?」
「嫌、今日がいいの」
チョモがそう言うなら、と、近くの花屋で花束を買って、崖へ急いだ。
鈴木side
潮風が気持ちいい。懐かしいな、あの頃、ここで散々遊んで、遊んで…それから、
思い出すのはやめにしよう。
砂鉄と一緒に花束を崖の先端に置き、しゃがんで手を合わせる。
「…涼しいねぇ、なんだったら少し寒いくらい…」
「うん…笑…確かに」
あぁ、いつ死ぬんだろう。
怖い。
怖い…
病気で死にたくない、
まだ…まだ…
「う“ッ…はぁ”あぁぁ“”い“ッッた”いぃ…」
まただ。痛い。
もう嫌だ。疲れた。
「…夫?!チョモ!…い!しっか……ろ」
痛みが酷く、砂鉄が何を話しているのかが分からない。ズキズキと、過去の思い出と共に疼きだした。
地面に手をついて、フラフラとバランスをとる。
砂鉄が伸ばしてくれた手に寄りかかる。
砂鉄には迷惑をかけてばかりだ。
あぁ、いつかこの手も、握れなくなるんだな。
なんて、感傷的になる。
中途半端でごめんね。
またかくよ
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ッ…