・短い
・息抜き
・死ネタ
「兄ちゃん、大好きだったよ」
そう呟いて微笑むと、温かい物が頬を濡らした。きゅっと締め付けられるように痛み続ける心臓を見ないふりをして、フラフラと足を揺らす。
ツン、と鼻の奥が痛くなった。
目を瞑って、体重を前へと傾ける。
がくん。
体が揺れて、足場のない宙へと落ちてゆく。
内蔵がふわりと浮き上がる感覚がして、髪の毛がばさばさと意志を持ったかのように激しく蠢いた。
「ごめん、」
頭に酷く痛みが走って、俺の視界は黒に塗りつぶされる。目を閉じると、笑ってる兄ちゃんが見えて、すぐに消えた。
コメント
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今回も最高です