はじめまして!くらんちです!
普段はpixivに小説投稿しています。
こちらでは見る専で行こうと思いますが、自己紹介がてら小説一つ載せておきます!
桃青です。少しだけ黒くんが絡みます。
「ーーーー。」
たった一言なのに。
こんな一言が、ずっと言えない。
ずっと心を締め付けてきて、ずっと俺の口を固く閉ざす。
「まろ」
一人で黄昏てると、あにきが話しかけてきた。
「あにき〜、どしたの〜」
「大丈夫か?」
「え?」
「最近ずっと元気ないやん。仕事詰めてるみたいやし。なんかあったん?」
あにきはすごいな。なんでそんなに分かっちゃうんだろう。
「…いや、何もないよ?」
「何もないわけないやん。なんもなかったらそんなふうになっとらんやろ〜?」
「いやほんと、なんもあらへんよ」
いつも通りのブラックコーヒーを、グイッと口に含んだ。いつも通りなはずなのに、いつもより苦く感じた。そんな俺を見ていたあにきが口を開いた。
「…どうせないこのことなんやろ」
「ん”っっ、ぐ、げほっ」
あにきが核心をつくことを言ったから、びっくりしてむせてしまった。反応したらダメなのに、思いっきり反応してしまってあにきと目が合う。き、気まずい…
「ほーら図星や」
「……違うよ?…」
「あほかwそれで誤魔化せると思うなよw」
あにきはにひひと笑って俺の隣に座った。
「そりゃぁ、見とったらわかるわ。それで?伝えへんのその気持ちは」
「伝えないよ、言っちゃダメな気持ちだもん。これは」
そう、この気持ちは伝えてはいけない。
泣きそうになって俯く。
この気持ちは、言ったらダメなんだよ。あにきには申し訳ないけど、違うんだよ。
この気持ちを公表したら、何を言われるか分からない。相手も嫌かもしれない。リスナーも、幻滅して離れていくかもしれない。もしそうなったら、みんなの目標、『武道館』すらもーー。
「…そうかぁ?俺はそうは思わんけどなぁ」
「…あにきは優しいね」
「俺はただ二人が心配なだけやで」
「…なんで?」
「だってお前、最近寝とらへんやろ」
「ーっ、」
そう。最近全く眠れない。
睡眠導入剤とか飲んでみても、全然眠れない。
なんなら深夜に仕事したり企画考えたりしている。眠れない時間をなんとか活かそうとして、結局眠れないまま朝を迎えることが大半だ。
「ほぉら、大正解やろ」
「…眠れないんだもん…しゃーないやん…」
「だとしても、少しは寝んと体調悪くなってまうで?なんでそうなっとん」
「…分からない。多分、心がいっぱいいっぱいすぎて眠れないんやと思う…」
「ないこと、なんかあったん?」
「…うーん……俺が、酷いこと言った…」
「何言ったん」
あにきは優しい口調で、ゆっくり話を聞いてくれた。
「…この前、ないふで会議してた時ないこがずっと企画とか仕事しとってすごい疲れてんのに気がついてさ。休んだらって、言ったんだけど今は休めないって、ずっと言っとって。すごい心配やったで何度も言ったんやけど、意見変えてくれんかったんよ。それでカッときちゃって、『体大事にしないないこなんか嫌いや。もう知らん』って、言ってまって」
「………」
「……嫌いとか、本気やなくて、でもリーダーやからこそ、同じ社会人やからこそ、休んでほしくて、ずっと忙しそうやったから手伝おうともしたけど、何したらいいか分からなくて」
「……おん」
「それで、もう知らんって言って……、な、ないこが…『別に、気にしてもらわなくていい。まろも自分のことやってよ』って、言われてまってな」
じわりと涙が滲んで目の前がぼやけていく。普段ならこんな、簡単に泣かないのに。どうしてだろう。
「忙しそうやったで、疲れとったと思うんよ。分かっとる…だけど、なんかな〜…俺一丁前に傷ついててw」
冗談みたく笑ってみるけど、あにきはずっと真剣に話を聞いてくれていた。
「…俺、嫌われ、てまったかなぁ…?」
「そんなことはないと思うで。ないこいつも通りやし。疲れとっただけよ」
「…そう、だといいなぁ…」
「まぁとりあえずさ、お前も休みな?」
「…なんで」
「だって隈酷いで?」
「……大丈夫だよ。たぶん」
「大丈夫やあらへんよ、お前は仕事も頑張っとるのに」
「ないこ程じゃないもん」
「…まぁ、お前がそういうなら俺は何も言わんけどさ、バレるで?みんなに」
ひゅっと、血の気がひいた。そうだ。バレたらダメだ。バレたら、もしバレたら…
「…でも眠れないんやもん…」
「うーん…まぁ、無理はすんなよ。しんどくなったらすぐ休め」
「うん…ありがとうあにき」
どこまでも優しいな、あにきは。俺なんかとは、全然違う。もっと、もっと頑張らないと。みんなに迷惑かけないように。ないこが楽になれるように。
〜〜〜〜〜
数日後のある朝、鳴り響く電話で目が覚めた。
「……ん?」
画面を見ると、ほとけだった。今日何かあったっけ?視界が揺れて、よく見えない。
「…もしもし」
『いふくん?今日どうしたの?練習だよ?今日』
「…あ、今日練習…そっか…ごめん…」
『いやいいんだけどね、大丈夫かなーって』
「うん…大丈夫………すぐ行く…」
画面をタップして通話を終了して、ベットからなんとかして出る。寝起きってもっと寝たくなるけど、今出ないと本当に起きられない。いつも通りだ。頑張って体を起こして立ち上がる。
ただでさえ仕事の合間を縫って歌って、練習して、企画して活動してる。でもそんなのあにきだってないこだって同じ。だから俺が根を上げるなんて、そんなことは許されない。みんなについていくのに必死で、自分の体調とかどうでもよかった。なによりないこに休めって言ったくせに、自分だけが休むなんてそんなこと、情けないじゃないか。
水を飲もうと思ってキッチンに向かった時、体が宙に浮いた感覚がした。
「あ、れ?」
だめだ。これはダメなやつ。なんで…
迷惑かけないって、決めたやん。
どたっと鈍い音が耳に刺さった。立ち上がろうとしても、体が言うことを聞かない。俺はそのまま、意識を手放した。
〜〜〜〜〜
「いふくん遅くない?」
「遅いね〜どうしたんやろ」
練習が始まって30分。未だにまろは来なかった。なんでだ。寝坊か?
「ないくん、様子見に行った方がよくない?」
「え?」
「だって……まろがこんなに来ないことなんて初めてじゃない?さっきほとけっちに『すぐ行く』って言ったんだし」
「あー…」
「じゃあ僕行ってくるよ!いふくんの合鍵持ってるし!」
ほとけっちがばっ!と手を挙げたので、まろはほとけっちに任せて練習を続けることにした。確かに。こんなにまろが来なかったことはなかったかもしれない。
「というか、最近まろ元気ないよね…」
「あ、りうちゃんもそう思っとった?僕もそう思う。あんまりていうか、けっこうげっそりしとるよな」
「うーん、ちゃんと休んでるといいんだけどね」
今度からちゃんと言わないとな。心配してるメンバーがいるんだから休めって。
「……ちゃん」
とか言う自分も肩が痛い。整体とか行ってみようかな…
「な………くー…」
こういう時、どうしたら改善するんだろう。
「ないこ」
あにきが突然俺の肩を掴んだ。
「!?ど、どうしたのあにき」
「ないくん、何をそんなに考え込んでたの?」
「え…」
「ずっと呼んでたのに、ぼーっとしてたじゃん」
「…そ、そうだった…?」
「…まろと何があったん」
「なに…って?」
「…最近まろと全然話しとらんやろ」
そうだっけ?
「確かに!なんか最近、まろは疲れてるなーって感じはしたし、ないちゃんとまろ、2週間くらい話とらんかった気する!」
「え、そうだっけ…?」
「2週間前、何があったか覚えとる?」
あにきの鋭い目が俺の意識を捕らえる。怖くて目を逸らしたかったけど、逸らせなかった。
「…な、にがあったんだっけ…」
「ないこ」
あにきの迫力のある声に、体がビクッと震える。
「あのさ、いつもいつもお前はメンバーのこと気にしてくれとるけども、お前がお前自身に気を使わんかったら他のメンバーに気ぃつかえるわけないやろ?」
「そ、そうだね…」
「まろとのこともそうや。お前、まろのことどう思っとるん?」
まろのこと?
「……よく考えてみると、分からないんだよね」
いつもそばにいてくれて、大変な時は支えてくれて。最近確かに話せてない…のかもしれないけど、話す時はちゃんとアドバイスとかしてくれて、すごく頼りにしてる。
話したいな〜って思うこともあるし、ないふの活動がなんもないとちょっと寂しい。
「…な、ないちゃんそれ…」
「え?」
「……え、違うの?りうらそうだと思い込んだんだけど…」
「な、え?なにが?」
「ないこ」
あにきが俺の名前を呼んだと同時に、ぱんっと乾いた音が部屋に響いた。じんじんと、頬が痛む。視線の先では目を丸くしているりうらと初兎ちゃん。
「ーっ、痛…っ、なんだよ?」
「お前は!リーダーなんやろ!」
「…そうだよ!だからこうして仕事も活動も頑張ってんだろ!!」
「休めや!メンバーの声を!…相棒の声を!!ちゃんと聞け!!」
あにきは辛そうにそう言った。
「お前のことを、どれだけ心配しとる奴がおると思っとる!?お前のことを、どれだけ大切にしとる奴がおると思っとる!!他を優先しすぎてお前自身の感情にすら気がつかんくなってまったら!お前はいつか壊れてしまう!!」
途中苦しそうに言葉を詰めながら、全て話し切った。自分の心にモヤがかかった感じがして、自分の感情とか何も分からなくなってきた。
「お前はメンバーを、他でもない相棒を!…なんやと思っとるんや…っお前は完璧になろうとしすぎなんや…」
「…そんなとこ言われても自分の感情なんか…」
「さっき全部言っとったやろ!!お前は…まろのことが好きなんちゃうんか!!」
どくんと心臓が強く波打った。
俺が、まろを好き?
「………え」
「え、ないくん気がついてなかったの?」
「嘘やろ?前からそうなんやとずっと思っとったんやけど」
「え、え…?」
カチッとパズルがはまったみたいに、その言葉が心にしっくりきた。顔に熱が集まるのを感じる。
「……俺…まろのこと……」
「俺に言われてから気がつくんじゃ遅すぎるんやアホが!」
ばくばくと心臓がうるさい。今までのまろとの記憶がフラッシュバックして、自分がどれだけこの思いに気が付いていなかったか、思い知らされる。同時に、2週間前のことも。
『なぁないこ、少し休まん?ずっと仕事しとるやん、心配やわ』
『俺にできることなんかあらへん?手伝うで』
『体大事にしないないこなんか嫌い、もう知らん』
あの時の、まろの顔も、辛そうな声も。
自分が、心配してくれた相棒になんて言ったかも。
顔は背けていたから、まろの顔は見ていないけど、そのあとみんなに分かるくらい元気がなかったのは、俺のせいだったんだろう。
さーっと血の気が引いていく。
俺、なんてこと言ったんだ。
「…お、れ……どうしよう…」
「…ないこ」
突然俺の携帯が鳴った。ほとけっちからだった。慌ててその電話に出てスーピーカーにすると、ほとけっちからガンッと石で殴られたような、そんな情報が入ってきた。
『い、いふくんが倒れてた…』
俺は居ても立っても居られなくなって、周りのな目なんか気にせず、大急ぎでまろの家に向かった。
〜〜〜〜〜
「〜〜〜くん!」
体が痛い。なんでだろう。
そうだ、みんなに連絡しないと。
すぐに向かわないと、練習できない。
ピンポンピンポンうるさいななんて思っていたら、大声で名前を呼ばれた。
誰だろう。
頑張って、なんとかして目を開くと慌てふためくほとけが目の前にいた。
「〜〜、〜〜?」
「…ほ、とけ……ごめん…練習………行け、なかった…」
「〜〜〜!!」
向かえなかったから、様子を見にきてくれたんだろうか。申し訳なくなって、とりあえず謝る。
体が思うように動かない。
ほとけが俺を支えてくれたのか、ぼやけた視界が揺れる。周りの音なんて聞こえなかった。
辛いなぁ。体も辛いし、心も辛い。本当に心に穴が空いたような、そんな感覚。情けないなぁ。
迷惑かけないって決めたやん。ないこには、これ以上心労かけないって決めたやん。
ただでさえ忙しそうで、大変そうなのに。なんでこんな大変なことになってまうんやろうなぁ……俺はどうしたらよかったんやろ……
ないこに、迷惑かけてまったやん…あほやなぁ…
柔らかいベットの感覚に包まれて、倒れたんだなと自覚した。ほとけが焦りながらスマホを耳に当てたところで、俺はもう一度重い瞼を閉じた。
〜〜〜〜〜
ズキズキとあにきに殴られた傷が痛む。でもそんなことはどうでもよかった。ただひたすら、まろの家に向かった。
「まろ!!」
急いでドアを開けると、ほとけっちが安心したような顔で迎えてくれた。
「ーっ、ほ、とけっち、ま、ろは?」
「ないちゃん落ち着いて!とりあえず今はベットに寝かせてあるよ。ただ酷い熱で…」
走り続けてきたから息がぼろぼろになってて、でもそれもどうでもよくて、ただただまろに言わなくちゃいけないことを、言いたくて。
その言葉を聞いて俺は走って部屋に向かった。
途中フローリングで滑って思いっきり転んだ。
「ないちゃん!?」
あぁ、かっこ悪いなぁ。
あにきにつけられた傷も、今こうして転んでぶつけた腹も痛い。痛いけど、痛いだけだ。
ぜぇぜぇと息を切らしながらドアを開くと、ほとけっちに応急処置されたまろがベットで眠っていた。
「ーーっ、ま、ろ……」
「…ないちゃん」
「ごめん…ほとけっち、俺ここにいて良い…?」
「…勿論だよ。僕リビングにいるね」
苦しそうに息をするいふまろの顔を見つめる。
ねぇ、いふまろ。
ごめんね、って言わせてよ。
ありがとうって、言わせてよ。
好きだよ、って、…言わせてよ。
「ねぇ…まろ…おれ酷いやつだよねぇ…」
ぼろぼろと涙がこぼれ落ちる。眠るその手をぎゅっと掴む。
「まだ、手熱いなぁ…」
こんなになるまで、不安で不安で、辛かったんだね。まろ。
「ーっ、ごめんね…っ」
〜〜〜〜〜
頭がふわふわする。
俺どうしたんだっけ。あ、倒れたのか。
みんなに謝らないと。
でもまだしんどいなぁ。
……誰か、呼んでる?起きないと…
目を開けると、体はだいぶ楽になっていて、俺が寝ていたベットでは見覚えのある背中が突っ伏していた。
「…ない、こ?」
声をかけるとがばっと体を起こし、泣き腫らした顔をこちらに向けた。
「ーーーっ、い、ふまろ」
「…な、んで」
「まろ、俺ーー」
「まって」
なんて言われるのか分からなくて、怖くなって彼の言葉を遮った。
「ご、ごめんな、その…め、いわくかけて。あの、え…っと、心配かけた…んかな、ほんまごめん。あの、俺のことは気にせんでええから。ないこはそ、の」
自分で言ってて泣きそうだ。
でもこれは、言わないようにしているんだから。
というか、言ったらダメだから。
この気持ちを殺すのは容易じゃない。
でも、不可能ではない。だから、俺は俺の心にナイフを突き立てる。仕方のないことなんだ。こんな恋をした、自分が悪かった。
さぁ、あとは振り下ろすだけ。
なのに
彼の手が、俺の腕を掴んだ。
「ーっ、な、いこ?」
「まろ、ごめんね。ごめん。こんなになるまで気が付けなくてごめん。ずっと、ずっとごめん。まろは俺のこと心配してくれてたのにね。今更気付いて、ごめんね。ありがとう。心配してくれて」
そうだよ。俺がどれだけお前のことが心配で、どれだけお前に気を遣ったか。
なんで今更。
今更、なのに。
「ない、こ……」
涙が溢れ出て、止まらなかった。
「ないこ、…お、れ…心配だったんだよ…いつもないこに頼ってばっかりでさぁ…ないこ、倒れちゃうんじゃないかって……すごく怖かった…力に、なれなくてごめん…っ」
「謝らないで、謝らないといけないのは俺だよ。ごめん。ありがとう。まろ」
「う、うぅ…ごめんねぇ、…っす、きになっちゃって…ぇ…」
「…え」
もう自分でも止めることができなかった。だから勢いで言ってしまったんだと思う。
でも自分ではそれに気がつけなくて、ただただ自分の気持ちを全部、全部吐き出した。
「おれ、ずっ、とがまんしててぇ、ないこと、話したかったし、遊びたかったし、ずっと二人で、いた、かった…!!でも、そ、れはゆる、されないこと、だから…っ、がんば、ってがまん、して…!!まろ頑張ったんだよ…っ、でも、でも…っ無理だよ…っやっぱり無理だったよ……どうしようもなく好きなの…ないこが、好きなの…っ」
「ま、まろ」
「…ん?」
「本当?」
「うそじゃないもん」
「…っ、そっか…」
ないこは嬉しさを噛み締めるように笑って、そっか、そっかと何度も繰り返した。
「おれもね、まろのことが好きだよ」
突然発せられた言葉。ないこが、まろを好き?だめだよ。そんなの。だって、
「…………っ、だめ、だよそんなの」
「…?まろ…?」
「だっ、て」
だって
「嬉しく、なっちゃうじゃん…っ」
また溢れ出した涙はもう止まらなかった。
〜〜〜〜〜
「いやー、まさかないくんがあんなに鈍感だとは思わなかったな」
「そやな〜、あそこまでとは思わんかったわ」
「ところであにき、なんでまろのこと知ってたの?」
「ん〜?」
あにきは、少しとぼけて考えるふりをして、にっと笑って「秘密」と言った。
「あの2人には、幸せでいてほしいからな。俺は」
車を運転するその横顔が少し切なそうに見えた。
〜〜〜〜〜
「まろ〜〜」
「あ、初兎ちゃん!りうちゃんとあにきも!」
「調子どうや?」
「熱はだいぶ下がってるよ!まだ熱っぽいけど」
「よかった〜ほとけっちがすごい焦ってたからめっちゃ心配だったんだけどちゃんと休めば大丈夫そうなんだね」
お粥を作ってもらって、ちびちびと食べているとみんなが家に乗り込んできた。
やっぱり相当な心配をかけていたようだ。申し訳なくなってか細い声で呟いた。
「…みんなごめん…、っ!?」
ぱちっと冷たい手に頬が挟まれた。
「謝る必要なんてどこにもあらへんやん!なんでいふくんそんな簡単に謝んの?」
「そうだよ!心配してこそのメンバーでしょ!」
しょにだは俺の熱い顔を両手で挟みながらそう言った。続いてほとけも頬を膨らませて言った。あにきはやれやれと笑っていた。
なんだかとても安心して、ふっと笑った時、りうらが痺れを切らしたように口を開いた。
「それで?ないくんとはどうなったの?」
「「え?」」
ずっと隣にいたないこと目が合う。ないこの顔がみるみるうちに赤くなっていく。
「………ど、どうなっ…?」
「だからー、付き合うの?」
「りうら!?」
ないこが声を荒らげる。
え?バレてる?え?
「つ、付き合う…?ん?どういうこと?何があったの?」
「今はそれはどーでもいいよ!ないくんとまろはどうするのって聞いてるの!」
メンバーが興味津々な顔で見てくる。
「……な、ないこ?」
「…お、お付き合い……します…か」
真っ赤な顔で、綺麗な桃色の目で見つめられる。
「え、あ………は、はい…」
釣られて真っ赤な顔でそう答えた。
他のメンバーはふぅー!と拍手してたけど、なんかもう色々分からなくなってきた。
顔が今まで以上に熱い気がする。
お粥を隣のテーブルに置いて、羞恥から逃げるようにベットに潜り込んだ。
コメント
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ぇ、ノベルを読んだの初めてでしたけど、これ凄い好きです
待っっっっっって天才かな?天才だねありがとうすき